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「容疑者は8人の人気芸人」に見るドラマとコントの曖昧な境界


【公式】土プレ「容疑者は8人の人気芸人」最新ダイジェスト - YouTube

バナナマン日村が誰にも場所を教えずに密かに配信している「日村ちゃんねる」
ある時、水槽の中に閉じ込められた日村の動画が配信される。
徐々に水は増え続け、溺れるまで数時間。

竹山刑事は、テレビ局を訪れ捜査を開始。
容疑者は8人の共演者〜お笑い芸人〜の中にいて……。



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先週末、「容疑者は8人の人気芸人」を観た。
全く話題になっていないので、アーカイヴ代わりに挙げておく。

笑うのかドキドキするのか

フィクションとノンフィクション(風)のパートが入り混じるこのドラマ。
たとえば竹山はお笑い芸人ではなく刑事役として事件を捜査する。
さんざ「役者」といじられる竹山が刑事役というのは納得だけれど、このドラマ、何をどう観せたいのかわからない。
全体の構造は大きく

ノンフィクション:ドラマ、お笑い芸人は本人役。竹山刑事、作中での現実、シリアス
フィクション:コント、笑わせる要素、作中作、お笑い番組、コメディ

この二重のレイヤーになっていて、それぞれのバランスが重要なはずなのに、ノンフィクションな竹山が子供に水鉄砲で水をかけられ続けたり(ザキヤマに濡らされるのはロンハーで定番の絡み)して芸人竹山を見せ、実はモテているアンガールズ田中(もちろん現実でも非モテ)とかオードリー若林が貧乏アパートに住んでいる(実際は春日)などテレビでは見せない実像として、ドキュメント・シリアスパートのはずが小ネタコメディがしこまれていて、にも拘らず作中作のコメディ番組パートのクオリティはいま一つ。
やるなら本職の芸人が揃っているのだから本気で笑える作中作を作ればいいのに、脚本ゴリゴリで不自然な「ドラマのコント」を見せられてしまう。

冒頭、裁判長になって日村が笑わせ(芸人が順番に演じポイントを競う設定)劇中ではたしかに大ウケするんだが、実際に日村がやるならもっと飛び抜けてるし面白い筈。
ゴッドタンのヒムレニくらいのクオリティならわかるが。

シリアスなパートでドキドキできるかといえばときおり笑いの小ネタが織り込まれ、しかもクオリティも高くない。
笑わせたいのか、シリアスにやりたいのかの境界が曖昧すぎる。


柳沢慎吾 警察24時 - YouTube

例えば日村の車が発見された、と無線連絡が入るけど柳沢慎吾がお馴染みの警官のアレでタバコのフィルムごしで連絡してくる。
ところがこの柳沢慎吾は、作中で言えばシリアスなノンフィクションに存在する。
竹山と同じ「本人役ではない」ドラマレイヤー。
なのに警官ではなく、警官の扮装をした柳沢慎吾として登場する。
この時点でシリアスなはずのノンフィクションがドラマではなくコントになってしまう。

ドラマ/コント

ドラマとコントというのは明確に差がある。

コントなら死人が復活しても理屈はいらないが、ドラマには必要。
ドラマは残忍でも許されるが、コントは残忍だと笑えない。
ドラマとコントが入り混じったものがどうなるのか?といえば中途半端なドラマになる。
コントにもなりきれず笑えず、だからと言ってシリアスに見れず、そこまで行かない。

全体としては笑いに寄せて、ノンフィクション(殺意)をフィクション(笑い)で救済する、という構造なんだけども、いかんせんミステリパートが弱くて単なる間違い探しになってる(見切れてるものを探して繋ぐだけ)のもミステリの脚本書けない人だったんだろうなぁ、と残念な部分。

ビートたけし殺人事件 (OHTA BUNKO)
お笑いの事件ドラマといえば過去にそのまんま東原作の「ビートたけし殺人事件」
お笑いじゃないけど「和田アキ子殺人事件」
ゲームなら「さんまの名探偵」
あとはクイズ番組の途中で突然ドラマになる「GO!ピロミ殺人事件」という問題作もあった。

お笑いとドラマのミックスってもっと可能性があるものだと思うんだけど、今さらこれをやったのってどういう意図だったんだろうか。
ドラマのメッセージも「人から期待されて見せる自分と本当の自分の差に悩む?」だとか。
今の時代、自分探しが主題じゃなかろうに。

よくわからない。
もっと斬新な構造が見れるかと少し期待してただけに残念。

単に半端なコメディドラマだった。
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