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柘植と官邸サンタの目指した「虚構の戦争」

社会 映画

機動警察パトレイバー2 the Movie [Blu-ray]
ドローンが墜落したと聞いてTWITTERのTLは大喜利大会。
ドローン閻魔くんだとか、まぁいろいろと。
そういう中で自分でも大喜利を幾つか書いてたんですが、さすがにハマりすぎのネタはやめまして。



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荒「元々ドローンに関しての法整備は3Dプリンタでの銃騒ぎやらなんだかんだもあって法案はまだ草稿の段階だったんだが、政治的判断やら、安全保障体制への建前やら、色々あってね。結局全て後回しになってたってのが現状だ。あんた聞いてんのか?」

後「その代償が例の首相官邸騒ぎってことだろ?」

荒「犯人はDJIジャパンのPhantomを改造して首相官邸の上空へ飛ばし、幻のテロを演出してみせた。そういう仕掛けさ」

南「原理的には可能でも、実際問題としてやったの、そんなこと?」

荒「現行の法規制ではラジコンと同様のドローンであれ規制できないのは実際だが、正直ラジコンでもいい筈の行為をなぜドローンを使ったのかというところでね。ドローンをたまたま手にした輩が安部憎しで暴走した結果かもしれん」

後「今回も真相は公表されずじまいか」

荒「政府も防衛庁も首相官邸にラジコンを落とされたなんてことは公にしたくないしな。またしても泥を被るのは現場だ。それに真相を解明する前に次の状況に移るとしたら……それに」

後「それになんだ?」

荒「知らないのか。新宿でのデッキアップ、押井守関連書籍の連続出版、そしてこのタイミングでの騒ぎ、あの映画の内容」

南「あなたまさか」

荒「さてね。真相は神のみぞ知るだ。残念ながらドローンに光学迷彩は搭載できなかったようだが」


映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』予告編 - YouTube

参考:機動警察パトレイバー2 the Movie/全台詞


以上を書いたのは23日。

これはパトレイバー2 THE MOVIEの中の荒川、南雲、後藤の会話をベースに書いた改ざんネタなんですが、いかんせんドンピシャすぎ。
もちろん大オチは生々しくなっても面白くないので劇場版パトレイバーへ着地させる、という構造だし特に面白くもないので下書きにしてボツにしたんですが。

で、書きながらどうにも今回の犯人 官邸サンタの行動が、
「(映画パトレイバーの主犯)柘植のやり方に似てるなー」
と思ってた。

そもそも放射線量の高い土を撒いたところで殺傷能力が低すぎる。
代償の大きさに対し得られるものが小さく費用対効果が低い。


だとすれば政治・思想的メッセージ、危機感を煽るパフォーマンス以外にない。
「人を殺す」テロではなく「危機状況を作る」ことを目的とする虚構のテロ。



Patlabor 2 trailer - YouTube

柘植は東京に「戦争」を仕掛ける。
米軍のF-16より発射されたミサイルによりベイブリッジが爆破。
その映像を加工し、自衛隊のF−16Jであるかのように偽装し報道させる。
ハッキングにより自衛隊レーダー上に幻の爆撃機を出現させ、自衛隊が出動し戦車が街角に配置され戒厳令下。
しかしそれでも変わらぬ出勤風景。
そんな中、マスタードガスを積んだと思しき飛行船を飛ばし、さらには攻撃ヘリで交通/通信を途絶させ東京を孤立させる。

東京を戦争状況にする、柘植の犯罪。


荒川が柘植に代わり語るのが以下、

戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む。単に戦争でないというだけの消極的で空疎な平和は、いずれ実体としての戦争によって埋め合わされる。そう思ったことはないか
その成果だけはしっかりと受け取っておきながらモニターの向こうに戦争を押し込め、ここが戦線の単なる後方に過ぎないことを忘れる。いや、忘れた振りをし続ける。そんな欺瞞を続けていれば、いずれは大きな罰が下されると
罰? 
誰が下すんだ。神様か
この街では誰もが神様みたいなもんさ。
いながらにしてその目で見、その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る。何一つしない神様だ。

機動警察パトレイバー2 the Movie/全台詞


パトレイバー2で柘植の作り出した「東京を戦争状態にする」虚構の戦争だったわけですが、今回の犯人 官邸サンタの行動は、ドローンにより危機感を煽ることで柘植で言う所の
我々が住むのは戦線の遥か後方にすぎない

我々が住むのは原発の遥か後方にすぎない

というメッセージだったんでしょう。

犯人のブログに、今回の犯行の参考として「パトレイバー2 THE MOVIE」の名前があった。
予想通りというか、やっぱりというか。


暴力行為は
「安倍政権は一体何をやってるんだ!こんな国に原発を任せられるか!」
犯人が思ったように国の危機管理能力を問う方向にはならず、
「やっぱり放射能ってヤバいなー、こじらせるとここまで行くのか」
「早いとこ捕まってよかったよ、ブログには通り魔事件のことも書いてあったし危なかったんじゃね?」
「こういう奴のせいでドローンの法規制が厳しくなるとホント残念だよなー」

と個人の犯罪レベルに落とし込まれてしまう。


どれだけ自己犠牲で崇高な目的を果たす英雄のつもりでも、やってることが暴力では構図は
犯罪者(テロリスト)→被害者(国家)
放射脳→安倍
ドローン規制派→ドローン業界

にしかならない。

この事件を知った市民が「だから原発に対してNoと言わなきゃいけないんだ!」と思わない。
行為が、犯罪であればどうあってもそこには転ばない。

この行為、官邸サンタのメッセージに首肯するのは、テロに相当する犯罪を認めることになる。

危機を知らせるためならテロもやむを得ない。
隙があることが悪いんだ、だから付け込まれるし、犯罪は正しい。
すべて国が悪いんだから犯罪に走るのもやむかたなし。

……さすがにそれはないわ。
40にもなって、それがわからないほどこじらせた挙句の暴走。
混乱を巻き起こすこともなく、Twitterにドローン大喜利を巻き起こし、ドローン業界に打撃を与え、ドローンの知名度を上げただけの犯行。

陰謀説……行き過ぎるとこじらせるので気をつけないとね。

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