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「大友の画がありがち」という世代と時代と画の陳腐化

マンガ

※トゥギャッチのまとめ方があまりにあざといので







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昔、コンビニに入ったら当時新譜「Random Access Memories」を出したばかりだったもんでダフトパンクが流れてたんですよ。
で、ウロウロしてたら中高校生の数人が
「これさ、Perfumeのパクリじゃねwww」
「ほんとだー、似てるーwww」

って会話が聞こえてきて、いやいや、と。


Daft Punk - Get Lucky (Official Audio) ft. Pharrell ...


AKIRAって82~90年、童夢が80~81年。
あれを書き下ろしじゃなく連載でやってたんですよ、大友は。
何がすごいかって言えば今読める強度があるんですよね、画の情報量的に。
80年と言えばDr.スランプにめぞん一刻、タッチ。

The♥かぼちゃワインが81年からで、かぼちゃワインも勿論面白いんだけどやっぱり古い。
吾妻ひでおは「ななこSOS」描いてましたし。
あの時代感がある。


ななこSOS OP [STEREO] - YouTube

AKIRA、童夢ってあの情報量をひとコマの中にどれだけぶちこめるか、というインフレの極みなんすよね。
アレが説得力になってる。

マンガってのは記号ですから、多ければいいってもんじゃない。
だけど大友は、現実世界のディテールをコマに落とし込んだ。
でも、なんでもかんでも情報量が多いわけじゃあない。
人間の顔はマンガ的記号で劇画じゃあない。
劇画的でありマンガ的でありアメコミ的でもある。
でも背景や空間はとてつもない書き込みで出来上がってる。
その方法論こそが革新的だった。
だからこそフランスのバンド・デシネ辺りに通じる。

高野文子なんかは反対にシンプルな描線。
空間の切り取り方で見せるから未だに衰えない。
あの空間認知能力が天才的。
このツイートの画像なんてホントすごい。

ツールが発展したので、今はマンガにおける情報量を増やすのが容易になった。
アシスタントを山ほど抱えてひたすらコマに書きこむ時代も今は昔。
すごかったものは、やがて陳腐化し当たり前になる。

ただ、だからと言って大友の情報量と空間の切り取りは別格。
その辺が読めてないと「他の漫画によくあるシーン」という情報量と時代性の差異を無視し、ただの類似カットや物語での比較をしちゃう。

この話って

「時代の革新が定番になる(陳腐化)」

「技術発展による情報量の変化」

の二つがあるんだと思う。
ここまで書いたのは後者。


文化の断絶。
「○○は××っぽい」というときの××は個人の経験則による。
だから××の元が▽▽で、そのもとが□□なんてよくある話。
ある意味どこかの段階でどれかが○○になる。

時代を遡って過去作に既視感を感じる、ということはつまりそれだけその作品が普遍的に昇華されたことを指してる。
マンガ文法が今や当たり前になったのも、マンガ文法を作ってきたひとらがいたわけで。
たまに「男性でも読みやすい少女マンガが~」みたいなのがあるけど、アレは文法的に少年・青年マンガに近い文法だから読みやすいんであって、少女マンガ独自の時制や感覚的なコマはやっぱりわかりづらい。
読み手にそういうことを意識させないところまで文化が来てるってことなわけですが。

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安易に「○○っぽい」「ありがち」みたいな今の価値観を過去作に重ね合わせてしまうと、時間による評価軸の差を無視してしまうことになる。
ある意味江口ひさし、藤原カムイ、上條淳士みたいに、ある一時代その画が流行ってしまうとその画が時代性を担うから今から見ると古く感じるってのはあるのは否めませんが。
時代を担う、ってのはそれだけ魅力に溢れてるって意味でもある。

唯一無二の諸星大二郎は時代を超越してるし、今だと羽生生純とか桜玉吉とか。
三宅乱丈なんかも今後も時代を感じさせない気がする。
そういう個性のある画もまたひとつ。


「今ありがち」な画は今後、どんどん陳腐化してくんでしょうけれど。
大友の作品が「ありがち」ってのは今のマンガの切り取り方が映画的になったってことを指してるのかね?
あまりそんな印象は無いんだが……。
映画的という意味では浦沢の影響も大きいんだろうけれど。

もうAKIRAと言うと大友じゃなくEXILEの時代なんでしょうよ。

yukan-news.ameba.jp

そりゃあジェリー・リー・ルイスとかバディ・ホリーとか知らなくても音楽はできますもの。
同時代性だけでアーカイヴを掘らないのは個人の観測範囲に帰するので何ともね。

あもくん (幽COMICS)