チャン・ドンゴン無双な良質アクション映画「泣く男」

完璧だった殺し屋が犯した、ただ一つの過ち。
逃れようのない罪に、自ら課したラスト・ミッションとは―

これはよかった。
ほんと時間があるなら是非観て欲しい。
バイオレンス・アクション好きなら必見級。



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ストーリーはシンプル。
ジャンプの読み切りレベル。

チャン・ドンゴン演じる殺し屋が、任務中に子供を殺してしまう。
しかし組織は子どもの母親を殺すよう指示。
殺し屋は、組織を裏切り母親を守り戦うことを決意する。

チャン・ドンゴン無双

まずチャン・ドンゴン演じる非常な殺し屋の造形がいわゆる俺TSUEEEE!!!!な殺し屋で、仲間を裏切り一人で複数の殺し屋相手に立ち向かう。
アクションはさすが「アジョシ」でクラヴマガやシラットを使った格闘シーンを魅せたイ・ジョンボムだけあって、スピード感満載&キレッキレの動きですさまじいバイオレンスと死体の山を積み上げる。
※↓前作「アジョシ」の格闘シーン


韓国映画「アジョシ」戦闘シーン - YouTube

チャン・ドンゴンっていうとイケメンのイメージしかないですが、この映画では怖くて強い。
日本映画のアクションってこういう刃物系の武器格闘というと刀になっちゃう傾向があって、しかし韓国系の映画で出てくる刃物はナイフとかナタで無双をやっちゃう(ポン・ジュノ「スノー・ピアサー」でもナタの多数戦闘やってましたっけね)。
刀と違い短く、早く、叩きつけ、生々しい。
狙うのは関節や急所、そこをズバズバ切り裂き動きを奪う。

一人対多数では、敵の一人を盾にして刃物をかわし(味方に斬られて盾役は悲惨だが)隙を狙う。
上の予告動画にありますが。

格闘シーンは、ほんと素晴らしく、
突っ込んでくる敵をチャン・ドンゴンが受け止め→ガードポジション→敵、マウント殴り→チャン・ドンゴン、敵の腕を掴んで三角絞め→敵、三角のまま持ち上げ床に叩きつけ→チャン・ドンゴン、フロントチョークに変更→敵、そのまま壁に→チャン・ドンゴン、壁を蹴り胴締めチョーク
ここまでの動きを一気に見せる。
ダラダラ無駄に殴り合わない。
最終的にはリーサルウェポン1を思わせるビルの中で火災警報により天井から水がざんざか落ちる中、かつての友人同士が取っ組み合いで争う。


この映画、ガンアクションもいい。
マンションの戦いも元軍人の戦闘ですから、市街戦の趣。
隣のビルからスナイピングで対象の動きを押さえ、ショットガンを持った実動部隊が突入。
近接ではフルオートに切り替えファイアーパワーで押し切る。

贖罪

描かれるのは母の娘への愛、自分を置いて死んだ母親への愛。
そして男同士の友情。
チャン・ドンゴンは、間違って子供を殺し、その母親も殺すように指示され殺し屋組織を裏切る。
かつての仲間を相手に贖罪に生きる。

母親からすれば自分を守ってくれる謎の存在でありながら、自分の娘の敵。
でも娘を殺したのが、チャン・ドンゴンだということを知らない。

そしてチャン・ドンゴンが選ぶのは……。


「泣く男」は直訳なんだけど、タイトルが地味なんすよねぇ。
とはいえ、中身はホント素晴らしい。

マンション戦だけでも観る価値ありのアクション密度。
シナリオ自体はかなりシンプルですし、いろいろツッコミどころ盛りますけどそれを償ってあまりあるアクションと情感の魅力。
非情な男が自分の身を顧みず、誰かのために戦う。
ラストは、ちょっと蛇足感があるけど。

イ・ジョンボム作品は、アクションと映画的情感のバランスが非常にいい。
日本でアクションが造られなくなり、韓国がガンガンこういう良質なものを出してくる……。

あと、アジョシで悪役やってたキム・ヒウォンは、今回もしょぼい悪役やってる。
いかにも成りあがったチンピラ的ないい顔してるよなぁ。

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