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正しさと面白さと感想と批評と

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seek.hatenadiary.jp

最近どうにも違和感があることの一つに、アニメとかにおける「正しい感想」の存在がある。

たとえばナントカという作品があって、このシーンのこの表現はこうで、この監督はこういうバックグラウンドがあるからこういう演出をして故にこのシーンはこう受け取るのが正解なんだ、みたいな評論のことであり、今のネットにはそうしたものが溢れかえっている。最近テレビで放映した中だと「おおかみこどもの雨と雪」なんかは放映直後からTwitterにもそういうRTが溢れかえっていたような気がする。

で、それらの意見の多くには納得させられるものがあるし、流し見をしていたらきっと気が付けなかったであろう部分に気付かせてくれるという意味では非常に素晴らしい物がある。

ただ、そういうものが飽和的に襲いかかってくる現状は、逆に「よくわかってなかったけど面白かった」的な感想を排除するような傾向があると感じているのだ。

これは難しいよなー、と思っている部分で。
リンクの記事は一年前のものなのに、なぜか今日浮かんでたので引っ張ってみましたが。




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感想と批評と

リンク先の方のいう感傷的な、感情的な意見というのは「感想」でいい。

「感」じ「想」うことを書くから感想。
感じた、思ったことをまま書けばいい。

ただ感想になんか考察っぽいものを混ぜ込もうとかするからそこをツッコまれる。
情報や考察には一定の正しさが必要になる。
デマならデマなりに面白さもなきゃあならない。
誰にも読ませないなら好きに書けばいいけど、誰かが読むところに書くのであれば読まれるわけだからある程度の正しさはどうしても求められる。

手帳に書いて他に誰も読まないなら好きに書けるけど、ネットってのは誰かが読むのが前提ですから。
読まれるつもりがなくデタラメでいいってんなら鍵かけときゃあ問題ない。


正しさが問われるのは、批評とか考察とか言われるレベルの話。
ウチでもよく考察を書くのでその辺切り分けはしてる。

仮に感想と批評の区別もつかずに「ウワーお前何言ってんのwww薄っ!!」と言うバカがいたら「感想を述べることすらダメとでもいうのか?お前は?!そういう一方的な決め付けによる発言の自由を批判する言葉狩りが何を産むと思ってんだ?そもそも感想というものはあくまでも個人の感性の言語化であって作品を読み解く考察や批評と呼ぶ行為とは異なる。最近はそういう二つに区別も付けられない無知蒙昧な輩が増えているしそもそもお前程度の人間にわざわざ指摘されるまでもなくそれを~」と優しく返せばいいんじゃないだろうか。

120%本気の批評と言いながらただの感情論前提の(技術的考察や構造を無視した)感想がダラダラ書いてあったり、その上それが「これは素晴らしい」とかコメント付いてたときにはがっかりするわけですよ。しょっちゅう見る光景だけれど。
素人感想はクオリティもまちまちですから、なかなか難しいですが。

某ブログで明らかに創作系のデマな記事を書いているのに(大がかりにまじめなギャグなわけですが)誰も彼もコメントで「なるほど」と書いてたときはひっくり返りそうになった。
同じものを読んでるとは思えない反応。
理論武装したそれっぽいウソに騙されやすい、というのがよくわかった。

批評と感想と


LOVE & POP - YouTube

考察、批評というのは作品の外に自分を置き、物語を捉え読み解く。
物語とは、詮無い言いかたをすれば、人間の情動に働きかけるため情報を現実の道具立てとして表現したプログラム。
そのプログラムの構造を読み、製作者の意図を読み。
登場するキャラクターはひとではない記号。
記号の繋がりにより描かれる筋書きにおける役割は何かと考える。


ちなみにアニメを語れれば(実写)映画も語れる、という勘違いはどこから生まれたのか興味深かったりしますが。

映像演出は似て非なるもの。
映像の方法論が違うのに(演出も情報も)同一視してる方を最近たまに見かけるので。
何度「お前のは、批評じゃねーよ!」とモニターに突っ込んだことやら……。

撮る側にしろ実写とアニメ、それぞれに手を出しすっ転んだ例は枚挙にいとまがないというのに。

今回、Production I.Gさんに作って頂いたんですけど、打ち合わせで言われている要望が分からなかったりして『世界が違うな』と」と、畑違いの仕事であると、しみじみと実感したそう。
 更には、実写映画とアニメとの違いについて「アニメは良い所は、バトルシーンとか、こんなもの撮れない!というような映像は夢が叶うんですが、衣装を変えるのが楽な実写と違い、アニメは制服からパーカーに変えて着せるには、もの凄い大変だという事が分かった。
それから、映画はちょっと長めに撮った後に、編集出来るけど、アニメはコマ単位で、ちゃんと計算して作っていかなくてはならなくて、こんなに大変なんだと今回勉強させてもらいました」と、自由自在に何でも描けそうなアニメの意外な盲点を明かしていました。

吉田恵輔監督、実写監督とアニメ監督の違いを力説! | Cinema Tourist

ま、押井とか押井とか、あと押井とか。

正しさと面白さとデマッターと


紅い眼鏡 予告編 - YouTube

ネットは、過剰に正しさを求めるひとと、反対に面白けりゃいいやんけというふたつに別れる。

デマにしろデマ訂正を流しても「何言ってんのお前?」「つまんねー」という反応もある。
そういうひとは、正しさよりも面白さが優先。
「デマでもいい話だからいいだろ?」とシェアする。

テレビなんかを観ていて面白く見ているんだけど、その中でなにか違う情報が流れると、途端「○○は××だろ!」「またウジテレビがデマかよ」などと騒ぐひともいる。
多分、その人たちにとってテレビは面白くない。
だから正しさばかり求める。
ネットでは、テキトーな2chまとめやパクツイをガンガン拡散するのに。


どれも面白く正しい。
もちろん、それが一番だけれど。
その次は、面白くなくても正しい方がいいのか、正しくなくても面白い方がいいのか。

面白くない、正しくない、が一番最悪な……あぁ、バイラルのことか。

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