あまり読書しない中高生に勧めたいミステリ10作

fujipon.hatenablog.com
んー。
チョイスは悪くないんですよ、もちろん。
fujipon氏は読書家なので。

ただ「普段本を読まない」って結構なハードル。
だからそういう人に向けて勧めるのにはちょっと重いと思う。

ウチの身近にいるのは本を読まない人ばかりで、学生時代も本を読む人の方が少なくって。
なので読書体験を共有するなんてのもなかったなぁ、と。
そこでミステリ読みの考える軽めのオススメ幾つか(後半はジャンル的にもあまり軽くないかも)。



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さて、夏休みに親戚の高校生Nが読書感想文の必要もなく
N「なーんとなく本でも読んでみるかー。普段読んでねーしなぁ」
と思い立ったとする。

そこへ登場するわたくし。
N「あ、あざねおじさん」
あ「よぉ、勉強してるかー?」
N「暑くて全然。部屋でごろごろしてるよー」
あ「今年は異様に暑いもんなぁ」
N「あ、そういえばおじさんってめっちゃ本読むよね?なんか面白いのない??」
あ「お!お前もついにミステリマニアの階段を踏み出す気になったか……おじさんは嬉しいぞ。ではまず小栗虫太郎の黒死」
N「簡単なやつ何冊か教えてよー。普段本なんて読まないからさ」
あ「か、簡単(ミステリで簡単って……)」

春期限定いちごタルト事件 小市民シリーズ (創元推理文庫)
東京創元社 (2013-10-18)
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あ「米澤穂信の春期限定いちごタルト事件はどうかなー。読みやすいし、シリーズとしても面白いし主人公は学生だし」
N「(パラパラとめくって)ふーん。短編なんだね」
あ「そうそう。短編って読みやすいだろ?いきなり上下巻とか無理じゃね?」
N「なんか、この米澤ってなんとなく聞いたことあるんだよなー。有名?」
あ「この前別のシリーズがアニメ化してたからかも」
N「へぇ。そっちも面白いの?」

氷菓<「古典部」シリーズ> (角川文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2012-10-01)
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あ「"古典部シリーズ"な。こっちもなかなか面白いぞ。短編だし」
N「へぇ。でもアニメ化してんならアニメでいいか。他なんかないの?」
あ「他?まずそれ読んでからだろ」
N「幾つか候補を出してもらって選びたいんだよ」
あ「そうなの?あ、そう」

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
北村 薫
東京創元社
売り上げランキング: 15,117

N「空飛ぶ馬?表紙が可愛いね」
あ「書いてるのは北村薫。人の死なない日常の謎系ミステリで、文章も端正だし是非読んでほしい一冊だね」
N「日常の謎?これも死なないの?」
あ「そうそう。不思議なことが起きてその謎を解決するミステリだね」

魔球 (講談社文庫)
魔球 (講談社文庫)
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東野 圭吾
講談社
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N「……なんか古そうな本だね。ひがしのけいご?聞いたことあるよ」
あ「福山がガリレオってドラマやってたろ?あの原作者だよ」
N「あぁ、そうなの?じゃあこれもあの教授が出てくる??」
あ「来ない来ない、もっと古い作品だからね。これは長編だけど、高校野球が舞台だし(春だけど)ちょうどいいかなーって」
N「へぇ。でもあんま野球見ないんだよね。他には他??」
あ「……」

そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート
講談社 (2014-02-07)
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N「青い鳥文庫?漢字にもフリガナが振ってあるね……おじさんバカにしてる?」
あ「全然。はやみねかおるは大人が読んでもいいクオリティのミステリを児童作品向けに書いてるんだよ。ミステリでなければ都会のトム&ソーヤも……」
N「ふーん。主人公は小学生の女の子三人組?」
あ「そーそー。毎回教授と三姉妹が事件に巻き込まれるんだけど、特に「機巧館のかぞえ歌」は新本格ミステリ好きが引っかかる小ネタが満」
N「……やっぱ日本のミステリって面白いの?」
あ「え?……海外も面白いのあるけど」

火曜クラブ ハヤカワ文庫―クリスティー文庫
早川書房 (2012-08-01)
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N「クリスティ?なんか有名だよね?」
あ「短編だとチェスタトン辺りもうまいしブランドも捨てがたいけど、最初に読むなら端正なクリスティの短編じゃないかな」
N「ふーん。これも探偵もの?」
あ「探偵というか老婆が出てくるね、ミスマープルっていう」
N「おばあちゃん??ふーん」
あ「(あれ?食いつきが悪いな……)」

ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ文庫)
早川書房 (2015-06-15)
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あ「”ママは何でも知っている”は安楽椅子探偵ものとして古典の名作で、退職刑事などに大きな影響を与えた作品としても知られてるんだよ」
N「ママが探偵なの?」
あ「探偵、というか話を聞いてズバリ真相を言い当ててしまうって感じだね。捜査をしないから安楽椅子探偵」
N「安楽椅子って何?なんか探偵ってさ、もっとトレンチコートとか着てるんじゃないの??」
あ「あ、そっち??」

A型の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
マイクル・Z. リューイン
早川書房
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あ「リューインのアルバート・サムスンシリーズは他のハードボイルドミステリと比較すると知名度で劣るけど、中身はしっかりと現代系のハードボイルドなんだよ。シリーズに名作も多いし、リーロイ・パウダーっていうほかシリーズのキャラも絡んだりしてそういう楽しみもあるね」
N「ハードボイルド?」
あ「あぁ、ここまで挙げたのはミステリでこっちはハードボイルド。推理ものだけど少しジャンルが違うね」
N「ふーん。ハードボイルドねぇ。日本にはないジャンルなの?」

そして夜は甦る ハヤカワ文庫 JA (501)
早川書房 (2012-08-01)
売り上げランキング: 8,493

山猫の夏 【新装版】 南米3部 (講談社文庫)
講談社 (2013-09-13)
売り上げランキング: 36,954

あ「日本にも名作は多いよー。特に原尞の"私が殺した少女"と"そして夜は蘇る"、船戸与一の"山猫の夏"は傑作だねぇ。『私がどれほど老いさらばえ、どれほどの記憶が失せようと山猫と過ごしたあの夏のことだけは忘れはすまい』なんて台詞もかっこいいんだよねぇ*1
N「よくそんなの覚えてるね」
あ「がっつりハマって読んだからね。確かまだ学生だったし」
N「へぇ、おじさんが中学の時って何読んでたの?」
あ「おじさんはクリスティにドイルにカーに新本格に、ミステリに月の小遣いを全部突っ込んでたから」
N「……あんまり読むとおじさんみたいになるんだね。気が向いたらどれか読んどくよ。じゃあ」

あ「……(´・д・`)ソンナー」


結論:普段読書しないやつに勧めても、なんだかんだ読まない
※"頼まれて作ったオススメリストを本気で制覇するやつはほとんどいない説"や"大人が子供のためを考えて作るリストほど全然面白くない説"と言うのもある

*1:台詞は記憶によるので仔細は多分違う