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韓国人は水銀ウナギの夢を見るか? 映画「鰻の男」

映画

鰻の男 [DVD]

韓国行きの密入国船に乗る若者チェン(パク・ギウン)。
中国でウナギ養殖をしているチェンは、韓国に輸出したウナギから水銀が見つかり廃棄されたと聞き自分でウナギを持ち込み再検査を求めるため密入国を試みる。
なんとか密入国し再検査を求めるため検査センターに行くが門前払い。

そんなある日、チェンは女性監視員ミ(ハン・チェア)に自身が持ち込んだウナギの再検査を行わせる。
ウナギからはやはり水銀が発見され、チェンの身体からも同じく水銀が発見される……。


 



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世の中オーガニックオーガニック。
○○を食べてはいけない!みたいな恐怖商法も流行る。

監督は、レッドファミリーでプロデューサーだったキム・ドンフ。
脚本は、レッドファミリーと同じくキム・ギドク。azanaerunawano5to4.hatenablog.com

ギドクは自身の作品だと難解さをゴリゴリに発揮するが、脚本提供のときは比較的わかりやすい、ストレートなモノを提供する傾向が見える。

ミが男前チェン相手にいきなり恋に落ちるくだりは、実に記号的で脚本キム・ギドクっぽさ満点。
後々その理由が明かされるわけですが、それにしても唐突。

節々で韓国における過剰なほどのメイド・イン・チャイナへの不信感を皮肉って見せる。
韓国では中国人への差別観が問題になっているのだそうで、その辺りが映画の下敷きになっているのかもしれない。www.recordchina.co.jp

焼き肉屋で中国人への偏見をベラベラ語る男と差別だと注意する男。
しかし差別だと注意する男は暴力的な差別主義の男にボッコボコにされる、なんてくだりで差別の強さと暴力性を象徴。

言いたいことがストレートな分、それほど暗喩的でもない。
廃棄される水銀まみれの廃棄相当のウナギ→それを食べている自分(チェン)も廃棄品?
という構造になってて、しかしそんなヘルシー、オーガニックブームの裏で……という。


中国から韓国へ来て打ち捨てられたウナギを見て嘆くチェンは、そこに自身の姿を見てる。
水銀ウナギ=自分=韓国での中国人

オチの唐突さは実にギドクっぽい。

韓国人の象徴としてのミ。
資本主義に縛られ、逃れることはなくやはり戻らなければならない、ってことだけを脈絡なく断片としてぶち込んだ印象。
周囲を囲む白い靄は、これから先の未来を指してる気がする。

具体的な説明は当然ないので私見ですが。


【予告】 鰻の男 - YouTube