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かんたんインデックス投資法入門

lacucaracha.hatenablog.com
反・インデックス投資法の記事。

記事に使っている画像などに違和感があったのでコメントをして、返していただいたんですが、
どうも記事の中にも違和感がある。

ここで改めてインデックス投資法を記事にしてみたい。
結果的にインデックス投資法の入門的な記事になるのは必然ですので、興味のある方はどうぞ以下を。




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ファイナンス理論

http://www.flickr.com/photos/68751915@N05/6869768383
photo by 401(K) 2013

まず「インデックス投資法」とは何か?

資本主義は自己増殖するシステムである。
この運動がつづくかぎり、長期的には株式の価値は必ず上がる*1
だとすれば市場ひとつひとつの銘柄は上がったり下がったりしても、市場全体は常に上がり続けるということになる。
この世界経済の成長性に投資するのが「インデックス投資法」。

ひとつの株を買うのではなく
「ファンド」という様々な株や先物、リートなどを組み合わせた商品を買う。
日経平均や世界経済的な指標に連動するファンドを買い、世界経済の成長に対し投資をすることができる。

当然ながら成長は即日ではない。
いわゆるデイトレ、スイングトレードなどと違い、経済の発展に対し投資を行うため年単位の長期保有が基本になる。
イメージとしては、利息が変動する定期預金などに近い。

手数料

では元記事に対する指摘を。

まず、インデックス投資とは『投資信託』を使った投資法になります。そもそも、『投資信託って何?』って人のために、プロからのお叱りを覚悟で大幅に端折って説明すると『色んな株の詰め合わせセットを買うもの』と思って頂ければだいたいあっています。まずは、その時々のおすすめ商品セットを購入します。その後、『あー、これそろそろ売ってこっちのほう買っとこ』という判断を『ファンドマネージャー』っていう凄い人があなたの代わりにやってくれるという商品です。

『すげえ!何も考えなくても代わりに運用して貰えるんだ!』 といえばそうなのですが、当然ファンドマネージャー(お給料高い)のコストが発生します。例えば、SBI証券であれば、通常の株の売買コスト(スタンダードプラン)はこんな感じ。
(中略)
たけえええええ!!!

しかも

買付手数料・・・買うときに発生
信託報酬 ・・・持っているだけで発生
信託財産留保額 ・・・売るときに発生
と色んな所でお金がひかれてしまいます。(信託報酬は、管理経費として差し引かれるため請求されることはありませんが・・・)
インデックス投資をおすすめしないたった1つの理由 - ゆとりずむ

まずこの手数料に関して図と説明があった。
が、どうも違和感がある。

インデックス投資法に使うファンドというのは基本的にインデックス連動型のファンドを買うのが当然のこと。
そうでないならインデックス投資法ではない。

しかし図に書かれているものの中で手数料の高いものを見ると
・SBI日本株3.7ブル
・フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)

この二つになる。
見ればわかるが、日本株3.7ブルはファンドの中に先物を入れることで利幅を二倍にするブルとアメリカのREIT*2に投資するファンド。
ブル型、ベア型のファンドは、レバレッジをかけるハイリスク・ハイリターンなファンド。
インデックス投資に向いていないのは当然。

大和住銀-日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)も悪名高き毎月分配型。
三菱UFJ国際ーワールドリートオープン(毎月決算型)も海外のREITが投資対象。
どれもこれもインデックス投資向きではない。
そもそもインデックスファンドではないものが混ざっている。
単に「ファンドの手数料が高い」ではなく、記事はインデックス投資法についてなのだから、ここで貼るべき図はインデックス投資法に向いたファンドを並べて手数料の話をすべきだと思うのだがどうだろうか。

インデックスファンド

ではインデックス投資法向きのファンドにはどのようなものがあるか。
まず「全面改訂 超簡単お金の投資法」で挙げられているSMTグローバル株式インデックス・オープンを見てみる。
SBI証券(旧SBIイー・トレード証券)-オンライントレードで株式・投資信託・債券を-
ネットなら買付手数料はなし。
信託報酬は年に0.54%
ということは50万円なら2,700円/年

SBI証券(旧SBIイー・トレード証券)-オンライントレードで株式・投資信託・債券を-
SBIで人気のあるらしい日経平均連動型のニッセイ日経225インデックスファンドの場合はどうか。
こちらもネットなら買付手数料なし。信託報酬は0.27%
ということは50万円なら1,350円/年

さて、この信託報酬が高いのか安いのか。
それは結局このファンドの運用実績がいいか悪いか、ということだけでしかない。
要は運用成績が良ければ年に2,700円だろうが1,350円だろうがそれ以上の利益が出ていれば充分補える。
特に今年の日経平均は調子がいいので楽に補える。
そんなものは普通の株だって同じこと。


さらに、

ヘッジファンドは、いわゆる『金融工学的な手法』で、企業の収益性とか安全性とかまる無視して、『買うべき・売るべきタイミング』追求して集めた資金を売買するファンドです。最近はSBI証券でも買えるみたいなので、ご興味のある人は是非。

なぜこれらヘッジファンドの手数料に触れないのだろう。
スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンドの信託報酬は2.052%
スパークス・日本株・L&Sは0.3%
スパークス・日本株・ロング・ショート・プラスは2.0088%
明らかにインデックスファンドよりも信託報酬が多い。
(その分リターンが多ければいいけれど。果たしてどうですかね)

タマゴはひとつのカゴに盛るな

http://www.flickr.com/photos/95352257@N06/9624497490
photo by UnitedSoybeanBoard

株式投資の名言に「タマゴはひとつのカゴに盛るな」というものがある。

株をやってる人なら当たり前の言葉だけれど、集中して投資をすると失敗した時全部を失う。
だから分散投資することでリスクを分散しよう、という意味の言葉。

だから橘玲「臆病者のための株入門」であれ山崎元「超簡単 お金の運用術」”梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー”水瀬ケンイチ「ほったらかし投資術」にしろ、あくまでもインデックス投資法はタマゴを乗せるカゴのひとつでしかない。
仮にもっと利益を取りたい、現物ではなくレバレッジをかけて勝負したいなんて人は好きに投資すればいい。
全財産をレバレッジの種にして突っ込むのは投資ではなく単なる博打。

インデックス投資法は実に簡単。
インデックスファンドを定期的に買い、買い、買うだけ。
積み上げていくことで利幅が増えていく。
それだけ。

ローリスク・ローリターン

http://www.flickr.com/photos/35616354@N03/5873815259
photo by ragingwire

インデックス投資法は、ローリスクローリターン。
失敗は少ないが、利幅も小さい。
だから世間に多い「株で大儲け!」なんて人には向いてない。

日中板に張り付いたりできない、一つ一つ株を吟味して売り買いする時間がない人に向いているのがインデックス投資法と言える。

結局、インデックス投資ってつきつめれば突き詰めるほど、『自分が何にお金を出しているのか』が分からなくなるんです。それが、おすすめしないたった一つの理由です。

勿論、個別銘柄への投資にはリスクがつきものです。でもIRを読んで、諸表を見て、商品の評判を調べて、チャートとにらめっこして、ドキドキしながら板を出すのって、中々たのしいですよ。
インデックス投資をおすすめしないたった1つの理由 - ゆとりずむ

投資とはそもそも自分の資本を投下し、効率良くリターンを得る方法でしかない。

その時にひりつくようなスリルや、日々株価を確認して投資した対価に見合うリターンを得られるかどうか気にするような感覚を得たいというのは心理的に「投資」ではなく「博打」「ゲーム」をしたいという感覚。
競馬場へ行き、馬場を歩く馬の体つきを見て、予想しお金を突っ込む感覚と同じ。
それを「楽しい投資の感覚」だと思うのには、何か違和感を感じる。

最後に

最近は、バリュー株ETFの方がいい運用を出したりしているという話もある。
勿論それもタマゴを盛るカゴのひとつにすればいい。

投資に絶対はない。

ただ博打ではなく投資をするなら、資産の一部をインデックス投資法にしておくことは間違いではない。


つか、あまり自分の向けたい方向にするためデータを恣意的に使って記事を書いてると、どっかのデマの人みたいになるんで気をつけた方がいいんではないか?と思うんだが。

【参考書籍】

臆病者のための株入門
文藝春秋 (2013-05-10)
売り上げランキング: 1,302
  
全面改訂 超簡単 お金の運用術
朝日新聞出版 (2013-09-13)
売り上げランキング: 304
 

*1:橘玲「臆病者のための株入門」

*2:不動産を対象にした投資信託