ヌルいランキングを支えるヌルいマジョリティ

「漫画ベスト100」記事が生ヌルいのだそうで。
 anond.hatelabo.jp

記事の趣旨は、もう「まぬけのブログ」のように作品紹介として機能していないベスト100はかんべんしてほしい&今後のベスト100での重複を避けたいというのが第一の目的です。
それでは、
「まぬけのブログ」と「しっきーのブログ」と「今日はヒトデ祭りだぞ!」のベスト100マンガで紹介されてる作品を
メジャー度および評価の安定度からランク分けしてみる。 もちろん独断と偏見です。

こういう反応は面白い。
ただこの増田のランク分けにしろ正直ヌルく感じるのが実際。
この「お前のそれはヌルい/ヌルくないの基準、は一律ではない。




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ヌルさの基準

方舟

自分は昔、古書店でバイトしてたりして、休憩時間に横山光輝の「時の行者」を読破するような感じでしたので漫画に関してもそこそこ詳しい方なんですが。
なので、まぁ、ヌルいものはヌルいと感じてしまう。

さて、この「生ヌルさ」を別の言い方にすれば「認知度」と言い換えることもできる。
アニメ化されている、話題の作品、雑誌の選ぶランキングベスト。
そういう既存の価値観で評価を受けた作品は当然ながらヌルい。
ヌルさは知名度と一致する。

映画であれ「最強の映画は、ジュラシックパーク!あとロッキー!!」なんて奴がいたらアポロ並みのパンチをぶち込みたい気持ちにかられるやつだって登場しかねない。
この心理は「俺のランキング(ベスト)」という企画によって上げたハードルは読み手に対しある程度の知名度の低さを期待させるからに他ならない。

言ってみれば読み手は
「書き手だけが知る面白い作品」
を期待して記事を見る。
そういう「俺だけが知る」ものを知っている書き手だろうと思ってクリックする。

なのにそこに並んでいるのは凡百の作品ばかり。
すると読み手からすれば
「教えてもらわんでも知っとるわクソが!」
とラノベ天狗のごとく斧を振り下ろすことになる。

なにせどこかのトンチキなブロガーが
「ベスト100の記事は、ブログのアクセスを上げるいい方法だ」
なんてことを書くもんだから、触発された書き手がマネをして生ぬるい記事を仕上げるテンプレートが出来上がってしまった。ベスト100といえば生ヌルいと相場が決まってる。
生ヌルい→知名度がある→検索キーワードとして有用→アクセスアップ

アクセス数こそ絶対なクラスタからすればアクセスの質なんてどーでもいい。
だからこそメジャーなタイトルは欠かせない。


こういう書き手にとってのランキング記事はあくまでも流入を増やすキーワードを揃えるためのものであって、マニアックだと思って欲しいために書くのではない。
「ワンピース」をあげるのと「栞と紙魚子」をあげるのとではアクセスが数百も数千も違う。
だからraf00氏の言うように年代別売れ筋を薄っぺらく並べたような記事が量産されてしまう。

ヌルい価値観を支える人々

ディープでマニアックなベスト100記事なら何も言われないだろうが、まぁ、100もあげようって時点で大概生ヌルい。
奥瀬サキ、よしもとよしとも、松本大洋の初期作、大友の短編、宮崎夏次系、御茶漬海苔の惨劇館、ハッピーピープルなんて並べてあればそれなりに評価もされるかもしれないが、そんなものはまず見ない。

こういうヌルいランキングを支える層というのが一程度いて、

この評価とこの面子を並べるだけでいろいろ理解できてしまう辺りが素晴らしい。

この人たちは少なくともしりあがり寿の「方舟」がベスト10に入るような記事は書かないし書く必要もない。
「すごい」「素晴らしい」「濃い」
そういう評価からかなり遠いのが、マンガ読みの正直な反応でしょうが。

濃いランキングがあってもブックマークもツイートもしない、読まない。
だって理解できない世界ですからね。
メジャーな作品を並べて何が悪いんだ?としか思ってない。
ま、クッソ面白いどころかクソなランキングですが。
にしても、すごいメンツだなー。いやー

えー、一部不快な表現がありました。
失礼しました。
さて、そこそこマニアな漫画クラスタが、こういうランキングや高評価を与える連中に対し不快感やヌルさを感じるのはラノベ天狗のそれに近しい。

マニアックじゃない、ヌルいものは許せない。
バカか。今さら書くな。アホか。
詳しくないのに何書いてんだ?

ギークの箱庭という幻想

絶対安全剃刀―高野文子作品集

残念ながらマニアックなものは支持されない。
なぜならマニアックなものは支える人間が少ないからこそマニアック。
それはインターネットだって変わらない。
ひと昔前のギークの箱庭時代ならまだしも今はそうじゃない。
ヌルさこそがマジョリティ。

高野文子や近藤和久を入れたランキングを誰が支持するのか。
「高野文子といえば名作"田辺のツル"が掲載された"絶対安全カミソリ"を支持する人が多いんですが、ここはあえて」
「近藤和久のデビュー作”血を吸うマンション”が掲載されたボンボンで”すげー奴が現れた!”と興奮して、そんな近藤和久が始めた連載がMS戦記でした。あの表面上それっぽく見せるディテールは後進のデザイナーに大きな影響を与え」

そんなランキングがバズるわけがない。
だって100人読んで何人がわかるのか。
ワンピースならみんなわかる。
でも高野文子や近藤和久の凄さを理解できるのは何割?

だから薄っぺらい、今更教えてもらわなくても知ってる、メジャーすぎる、そういうランキングばかりが注目を浴びる。
残念ですが、まぁ、そんなもんですよ。
ネットってのは。
期待するほどのもんじゃあない。
はてなブックマークなんて単に数なんだから。
質を期待してどーする。
そりゃあウヒョー系?(あれ?ど忘れした)とか内輪の記事だって上がってくるわな。

いいか悪いかではなく。
ヌルければヌルいほど評価される。
そういうところなんですよ、ここは。

ウチのブログもどんどんヌルい感じになっていくかもしれませんね。 

 
ところで浅野いにおのデデデデを今更読み始めたんですよ。
え?ヌルい?
そーですねー、確かに。
そりゃあ自分が濃いなんて言ってないですから。
また別途記事にでもしますが、浅野いにお自体はデビュー作の「素晴らしい世界」からリアルタイムで読んでたんですが、あまりにもよしもとよしともフォロワーすぎて、「ひかりのまち」だって結構まんまだしその辺気に入らなかったんですが、「デデデデ」はかなり経験も蓄積してよしもとの影響下からすっかり抜けていてなかなか面白いんですよね。
「虹が原ホログラフ」の時系列を入れ替え複数の物語を絡ませた複雑な構造は(昔、mixiで解析記事を書い(ry

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