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新ガンダム「鉄血のオルフェンズ」は面白いけど「ガンダム」じゃなくてもいい

g-tekketsu.com
ガンダムの新作「鉄血のオルフェンズ」の評判がいい。
たしかに面白い。

とはいえ、「ガンダム」じゃなくてもいいのでは?、という感想。




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少年が戦争をする

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アムロ・レイは開発者テム・レイの息子。
シャアがサイド7に斥候を行い、状況に流されるままガンダムに乗り込むことになる。
少年が兵器に乗り込み、地球侵略を狙う悪と闘うのではなく「同じ人間と戦争をしなければならない状況」を作り出したのがガンダムだった。

ガンダムという機体はオンリーワンのスペシヤリティ。
ジオン側で言えば、ブラウ=ブロやエルメスなどオンリーワンのカスタム実験機であるMAと同じ異形の兵器がガンダム(アムロがガンキャノンを操縦したら強くなるなんてエピソードもありましたが)。
そしてそんなスペシャリティに乗るパイロットに与えられる「特権」としての「ニュータイプ」や「血族」というステータス。
あるいはガンダムを操るのにふさわしい血統。
物語には、関係者の子供だったり、あるいは王子や王女など高貴な血統が毎回登場する。


機体がスペシャリティだからこそ子供が「戦争」をして大人を殺すことができる。
アムロが乗ったのがガンダムではなくボールでは撃破されてる。
ただアムロが「僕が1番ガンダムをうまく使えるんだ」というのは驕りではなく、だからこそ戦争をやれてる。
 

「その声!貴様まさか……子供か?」
「そうだよ。あんたらが殺しまくったのも……これからあんたらを殺すのも……」
第二話「バルバトス」

今回は「成長期の子どもにしか定着しない」阿頼耶識システム(脊髄に端子を埋め込み機械に直結する)という特殊なシステムによって「少年でなければ戦えない」理由が造られてる。
ただ、この理由は、後天的。
特別であるということは現在示されてない。
先天的な「血族」でもない。

オルフェンスは、血統の物語から離れた。
「三日月・オーガスでなければならない」理由は、それほど感じない。

リアルロボット系からのアプローチでガンダムを冠した物語は「ボトムズ」「ダグラム」「ガサラキ」を思わせる血と鉄の戦い。
 
 

ツーマンセル

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グレンラガンのシモンとカミナように、役割分担をするキャラを並べるのは最近の傾向。
旧来的なトリガーハッピーで才能任せ、狭窄視野で主人公が目の前の敵をひたすらバンバン撃つだけではない。

アルドノア・ゼロでは、寺沢武一「ゴクウ」みたいな神の目を持つ主人公が、パイロット兼、戦術レベル指揮者の兼任という役割をやって見せたが(能力者バトルに近い構造だが)、コードギアスのようにルルーシュが戦術を担当し、紅月カレンが戦場でバーサークする分担スタイルもある。
今作では、今のところ三日月・オーガスが戦闘を、オルガ・イツカが戦術を担うツーマンセルの関係性に見える。

この「戦術担当」を設定すれば、勝つ理由として「単に戦闘をして勝った」だけではなく、戦場において無数の兵士がいる中で主人公らが「戦術で勝った」理由づけを増やすことができる。
しかしこれもガンダム的ではない。
ニュータイプは戦場を把握し、自身で突破口を見つける。
カミーユだってハンブラビのコクピットの死角を自力で見つけ出した。
追記:ギャプランでしたね(汗
 

ボーイ・ミーツ・ガール

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「少年と少女が出会い、彼らと彼らを取り巻く人々がやがては世界を変えていく冒険譚」
機動新世紀ガンダムX - Wikipedia

ガンダムは、高松信司のいうボーイ・ミーツ・ガール要素もある。
アムロとララァ、カミーユとフォウ、ジュドーとエルピー・プル。

とはいえこの構造はいわゆる“セカイ系”が踏襲し、必ずしもガンダム的な要素ではなくなってしまった。

今作ならクーデリア・藍那・バーンスタインと三日月・オーガス、オルガ・イツカという感じになるんで、員数が多いツーマンセル主人公の弊害。
この辺もグレンラガン的というかどういう組み合わせのボーイ・ミーツ・ガールになるんだか。
  
  

非ビーム兵器のリアル系

なにせ近接専用兵器が、ビーム兵器じゃない。
ビームトマホークでも、ビームサーベルでもなく、鉄ですよ、鉄。

「それは剣というにはあまりにも大きすぎた。大きく、分厚く、重く、そして大雑把過ぎた。それは 正に鉄塊だった*1
敵装甲は溶解して切れず、ぶつけ、押し潰し、敵機は圧壊し、パイロットは中で圧死する。

この非ビーム兵器という非日常はビーム兵器より「リアルさ」が現実に近しい*2

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バルバトスのデザインは、胴のフレーム剥き出し。
ガンダムというよりメタスとかアッシマー、エルガイム(MkI)を思わせる(このあと装甲や装備が増えブラッシュアップされていく予想)。
もちろん宇宙に行けば、相対距離が広がり、近接戦闘が減るのでビーム兵器にシフトせざるをえないでしょうが(仕込み銃器だらけのアレックスですらサーベルはビーム)。
最初は“ひのきのぼう”と“ぬののふく”ってことで。 
 
 

「ガンダム」という名前


たしかに。

日野ガンダムの発進と比べれば「ガンダムって名前だけで評価されるわけでもない」ってのはあるんですが、とまれガンダムがガンダムであるべき理由というか、今のところオルフェンスを見ていてガンダムでなきゃならない要素はあまりなくて、その辺はこれからかな、と思いつつ観ているのが実際。
玖足さんとこほど、評価低くはないですが。

オルフェンズは、ガンダムという前作の要素は踏襲しつつ、やってることはリアルロボット系のそれ。
そもそも
「ガンダムという物語はいったい何の物語なのか」
ってことなんですが。
差別化に旧作の名前を乗っけるだけだったら、何だっていいわけで。
新ガリアンでも新ボトムズでも新ダグラムでも新ザブングルでも新オーガスでも新レイズナーでも新ガサラキでも続ガサラキでも。
 
 
今作に果たして「ガンダムでなければならない」という何かしらがあるのかどーなのか。
現状「これぞガンダムだ!」って言ってる人は、なにをガンダムと思ってるんだろう?
よくわからない。
 
 
まだ二話、情報もそろってないんでいろいろ言えないんですが、とりま言えるのは富野由悠季より高橋良輔味濃厚ってところ。
あとMISIAの歌ってるエンディングテーマが非常にいい。
作品にがっちり合ってる。

ガンダムかどーかは置いといて面白い。

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*1:ベルセルク

*2:ここでいう「リアルさ」は「現実的」ではなく「現実感覚として想起出来る距離」に近いニュアンス