菅原道真は名探偵? 灰原薬「応天の門」

応天の門 1巻

時は平安、藤原家が宮廷の権力を掌握せんと目論んでいたその頃、都で突如起きた女官の行方不明事件。「鬼の仕業」と心配する帝から命を受けた・在原業平は、ひとりの青年と出会う。その少年の名は――菅原道真。ひきこもり学生の菅原道真と京で噂の艶男・在原業平――身分も生まれも違う、およそ20歳差のふたりが京で起こる怪奇を解決!? 「回游の森」「SP」の気鋭・灰原薬がおくる、平安クライム・サスペンス!

平安クライムサスペンス!は言い過ぎとしても、中身はミステリ仕立て。




【スポンサーリンク】


いわゆるバディもの。
在原業平→亀山薫、菅原道真→杉下右京な相棒と考えれば。
推理力はあるがまだまだ子供の菅原道真と、大人だが権謀術策渦巻く中で浮いている在原業平。

そんな二人が、平安の街を舞台に奇怪な事件が起きる。
菅原道真は毎回巻き込まれ(業平に引きずり込まれ)、合理的推理で解決をする。

ミステリの仕掛けで言うとホームズ辺りを連想するとよさそうなベーシックなもの。
犯人が複雑な機械トリックを仕掛けたり、何重にもなったメタミステリだったりするわけではない。

本筋は、権力の中枢で思うまま専横をふるう藤原家と道真、業平コンビが立ち向かう流れ。
在原業平の影が薄いというか、肉体派とはいえ刀で斬り合う時代ではないのでアクション要素などは少ない。

これが戦国時代なんかだと大立ち回りも多いのでしょうが、舞台が平安なので。
夜の闇は深く、まだ妖怪、怪異などが信じられていた時代に合理的、現実的な解釈を持ち込むのはホームズの「バスカヴィルの犬」「悪魔の足」なんかでも見られる構造。
どんな風に転がっていくのかまだまだ先が見えない。


で、最新4巻はやっぱりKindle版がない。
やっぱりね(この遅さ。電子書籍の現状を現してる)。

応天の門 4 (BUNCH COMICS)
応天の門 4 (BUNCH COMICS)
posted with amazlet at 15.10.16
灰原 薬
新潮社 (2015-10-09)
売り上げランキング: 179