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「掟上今日子のアリバイ証言」原作とドラマとの違いと限界

掟上今日子の挑戦状 忘却探偵

ドラマ「掟上今日子の備忘録」
二話目は原作「掟上今日子のアリバイ証言」(第三短編集「掟上今日子の挑戦状」掲載)を基にしたお話。
実はこの話は掟上シリーズでも少し異端の話でもあるのでどう料理するのか楽しみにしていた。




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掟上今日子の水着

誰あろう、まばゆいくらいに真っ白いワンピースの水着を着た、しかしそれ以上に白い総白髪の忘却探偵----掟上今日子だった。
掟上今日子のアリバイ証言

白い水着回ですよ。
ガッキーの水着ですよ。
全然エロい気持ちなんてないですけど気になりますがな。

もし今日子さんがプールサイドで水着をにもならずにプールを覗き込む描写に変更してたら「そこを変えるんじゃねぇよ!」と記事にしてたでしょうが、蓋を開けたら


え、いや、そら、確かに、おま、水着ですけど、そこまで本格的な...。
なんつー、斜め方向の処理をしてんだか。事務所的にその辺が限界ってことで。
オシャレな筈の今日子さんが……。
  
 

隠館厄介の恋

そして恋愛要素(厄介の一方的な片思い)を異様に強調していた。
隠館がシリーズキャラとして、ドラマオリジナルの恋愛要素を付け足している。
これはもちろん短編である原作を1時間のドラマとして成立させるために加えた要素の部分で広げるしかないからこそ。

前回は、二話で一話だったので尺的にちょうどいい感じだったのが、今回は(これからは)一話で一話をやらなきゃいけない。
そこで新しいキャラで水増し→今回は、恋愛要素を増やした。


例えば50m競泳のシーンも、今日子さんは潜水をして、

「勝ちっ!」
そんなかけ声と共に、彼女は水面下から現れた----そしてコースの壁にタッチした。まだ泳いでいたレーンの真ん中あたりにいた鯨井は、その様子をただ見ているしかできなかった。

と言った感じ。
プールの半ばに立っている鯨井は圧倒されて(反則の潜水に)呆れる。

ところがドラマ版では鯨井が今日子さんに駆け寄り呼吸に苦しむ今日子さんを背中から抱く。
これは恋愛要素強めの演出。


 
 

リセットの無効

原作だと掟上さんが、鯨井に感情移入してしまうせいか推理がうまく進まない。
鯨井のアリバイ工作に巻き込まれてる上に、微妙な関係性になってる。

そこで一度寝て記憶をリセットする。
自分が関係者であることを知らない状態で(隠して)、改めて全く無関係な立場から事件を推理し直すことで真相に辿り着くという、自分の記憶喪失を利用するんですよね。

ところが今回の場合、最後の鯨井と今日子さんの淡い恋みたいなものを描くほうを優先したために原作のリセットを飛ばした。
今日子さんの記憶が飛んでしまうと最後の別れのシーンが成立しなくなる。
これが良かったのか悪かったのかはわからないけれど、恋愛要素を入れ込みたい演出意図からすればリセットはない方がいいのかもしれない。

最後に

そしてシャフト演出がかなり抑え目になってたのも気になった。
一話目では多用されたタイポグラフィも控えめでオーソドックスなドラマ的な印象。
演出は、どちらも同じ佐藤東弥。

さらに原作ではドライヤーの線長がかなり問題になっていたんだけれど、ポイントは線長よりアリバイ工作の方に重点が置かれていてその辺りの印象もかなり違っていた。
「アリバイ証言」ですからドラマの方が一層アリバイ工作を重視した印象と言えばそうかもしれない。


二話目の印象は、一話目よりもかなり普通っぽいドラマになった感じ。
次回は、第二短編集「掟上今日子の推薦文」から「鑑定する今日子さん」のドラマ化。

【過去記事】
azanaerunawano5to4.hatenablog.com


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