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戦場の日常系アニメとしてのオルフェンズ

アニメ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 1 (特装限定版) [Blu-ray]

三話目を見た。

もう「面白かったー!」みたいな感想記事は飽き飽きかと思うので。
ミニ考察を少し。
オルフェンズの世界観について。





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デクスター・キュラスター

p-shirokuma.hatenadiary.com
クマ先生はオルフェンズの「バンバン簡単に殺すこと」に注目したらしいのだけれど、個人的にはデクスター・キュラスターを鉄華団に残したことがとても興味深かった。
脇役デクスター・キュラスターの存在が、このオルフェンズの特異性を示してる。
 
 
オルガ・イツカは、参番組を率い一軍に対しクーデターを起こす。
睡眠薬を盛って眠らせ、拘束。
リーダーを殺すことで逆撃の意思を削ぎ指揮・統制を無くす。
個人の集まりになった一軍は、鉄華団として残るか退職金を受け取り辞めるかの二択を迫られる。

そんな中、オルガが唯一指定して鉄華団に残したのがデクスター・キュラスター。

デクスターは経理。
傭兵部隊であろうが、独立採算の組織である以上、経理は必要になる。
ガンダム作品の多くの物語世界では、戦争を行っていて部隊の背景に国が存在するため兵站の心配だけでいい。
財務はどこかがやってくれるし、部隊はヘッドクォーターの指揮に従えばいい。
弾の代金を考えながら戦う兵隊はいない。兵站は成立してることになってる。

しかし鉄華団は、戦力を売り資金を得る商業活動が必要になる。
弾を買うにも、修理をするにも、飯を買うにも。

何につけても行動するには、ともかく金がいる。
必然的に経理も必要。
オルガにP/Lや複式簿記は無理。
だからこそのデクスター。
あえてデクスターというキャラを描くことで、傭兵の行動原理が金であることを強調してる。
 
経理の存在をがっちり描いたガンダムはあまりない。
通常であれば、経理は陰。
わざわざ描かなくても、なんとなくうまくやってる。
 

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戦場の日常系アニメ

さて、クマ先生のいう命の取り扱い描写だが、これに関しても少し。

まず図を
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ギャラルホルンは何かしらの政治目的により活動をしている組織。
そして今回はクーデリア・藍那・バーンスタイン王女の奪取。
対してクーデリア・藍那・バーンスタインはCGSに護衛を依頼。
鉄華団が引き続きその任を担う。

クランク・ゼントは、名誉を動機に決闘を申し込む。
だが相手の三日月からすれば戦いは日常行為。
飯を食うために行うお仕事。
そして行動原理はオルガが担う。
オーガスは何も考えずオルガに言われたから戦うだけ。
 
 
戦闘を対価に日常を送る傭兵という組織にとって、味方の命と敵の命は等価じゃない。
敵が名誉で決闘を挑んでこようとそんなことは関係ない。
命の価値は限りなく低いし、金にならない戦いは燃料の無駄使い。
降りかかる火の粉を払うだけ。

名誉だ介錯だ、ブシドーで腹はふくれない。
だから喋ってる最中に引き金だって引く。
個人の感傷に価値はない。
姫の護衛は、あくまで経済活動。
共通認識として持つ行動原理が異なる。
 
バーンスタイン王女は戦災孤児による少年兵の問題を意識していて、だからこそCGSに依頼した。
殺人に禁忌感のない少年兵にとって戦場は普段の場所。
戦いも学生が学校に行ったり、会社員が仕事するのと同じ。
鉄華団は、金を稼ぐために戦ってるだけ。
 
何も特別なことはない。
今のところ主人公らがやってることには大義はないただの生活。
生きるためにやってるだけ。
単なる戦場における日常を描いてる。
 
 

最後に

経営に関しては上層部に任せていた社員らが立ち上がり、上層部を追いだし、会社を乗っ取った。
乗っ取ったら、代わりに会社経営をやらなきゃならない。
そんな中、上得意の取引先が揉めて、処理したら引き続き仕事を依頼してくれた。
そういう話。
 
 
税金対策もしなきゃならないのか。
領収書なしで経費バカ遣いしそうな面々ばかり。
デクスター大変そう。

デクスター「三日月くんの経費申請なんですが、領収書なしで接待交際費にこの額は」
オルガ  「あぁ、テキトーによろしく」
デクスター「……」
 

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※クーデリア・藍那・バーンスタインは、独立自治区代表ノーマン・バーンスタインの娘ですから王女ではないですね。失礼しました