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美少年探偵は美しく謎を暴く 西尾維新「美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星」

読書 ミステリ

 
 
美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 (講談社タイガ)

十年前に一度だけ見た星を探す少女――私立指輪学園中等部二年の瞳島眉美。彼女の探し物は、学園のトラブルを非公式非公開非営利に解決すると噂される謎の集団「美少年探偵団」が請け負うことに。個性が豊かすぎる五人の「美少年」に翻弄される、賑やかで危険な日々が幕を開ける。青春ミステリーの新機軸!

新しく創刊された講談社タイガ文庫。

第一回配本は、野村美月、野﨑まど、森博嗣、そして西尾維新のこれ。




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何度も言うが西尾維新の文章というのは冗長。
キャラクター小説の場合、その冗長さがキャラクターの輪郭を構成したり深みになったりもするのだが、それをそのまま映像化するならアニメ化された「○○物語」の非現実的なセリフ量のようになる。
西尾維新作品というのはそんな戯言遣いを楽しむ作品であって、今作もそんな西尾維新らしい言葉遊びが横溢してる。

つまり無駄に遊びが多い。
 
 

美少年探偵団

先日、赤塚不二夫の「おそ松くん」の続編にあたる新作アニメ「おそ松さん」が始まった。

その一話目。
久々のアニメ化ということではりきるおそ松ら。
イマドキのアニメっぽいことをやろうと早々にメタ展開を開始。
おそ松らがツンデレ系イケメンや母性本能くすぐり系、クール系、生徒会長系などさまざまなイケメンになり、アニメを開始しようとするが無理が生じて破たんする、という回。
 
あのメタ展開なイケメンをそのままやったらこの「美少年探偵団」になると考えていただいて丁度いい。
ただ西尾維新らしく外見は美少年でも、ひとしく中身はそれなりにこじらせてるが。
 
 

美しき謎

語り手 瞳島眉美が依頼人となり美少年で結成された謎の美少年探偵団に依頼が持ち込まれる。
内容は「昔、見た星を探して欲しい」
この依頼が美しいからという理由でさっそく動き始めた美少年探偵団。
面堂終太郎ばりの財力に任せヘリを使い現場に向かい、星を探そうとするが見つからず、しかし捜査するうちに意外な展開が……。


という感じなんだけれど、ここからの展開が「ほへ?」と呆気にとられる。
非現実的というならそもそも美少年探偵団という存在そのものが非現実的であって、その行動も終始非現実的であり、展開が非現実的なくらいは大したことがないのかもしれないが、それにしても非現実的な謎と非現実的な動機で事件が展開していく。

美少年探偵団だが、大それた推理や謎などはない。
どちらかと言うと乱歩の少年探偵団みたいなものを連想するといいかもしれない。
キャラクター寄りのミステリー風味と言ったところ。

西尾維新好きでキャラクター小説を読みたいならサクッと読めてちょうどいいかもしれないが、ミステリ小説を求めるなら掟上シリーズを読む方がいい。

掟上今日子の遺言書 忘却探偵
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