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アメリカンドリーム栄枯盛衰ドキュメンタリー「クイーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落」

クイーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落(字幕版)

アメリカン・ドリームの体現者シーゲル夫妻は、野望の頂点であるアメリカ最大の自宅「ベルサイユ」の建設に着手していた。この夢の宮殿の建設が6割ほど進んだころ事件は起こった。リーマン・ショックとそれに続く世界的金融危機。もちろんふたりも難を逃れることはできず、あっという間に1,200億円の借金を抱える身に。金策に奔走し次第に追い詰められていくデヴィッドとそれを知ってか知らずか、相変わらず浪費を繰り返すジャッキー。ふたりの間の溝は深まるばかり。もちろん、彼らのベルサイユ宮殿の建設も中断されたままになり…。

 



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アメリカンドリームを手にしたオッサンが豊胸で金髪の嫁さんをもらい、子供をたくさん作って、ベルサイユ宮殿ばりの自宅を建造してたらいわゆるリーマンショックの影響で一気に没落し、それでも豊かな生活水準に狂わされた金銭感覚は治るわけもなく、ひたすら没落してゆく姿を捉えたドキュメンタリー。

面白いのが前半は、シーゲル氏が若い嫁さんをグヘグヘと多少の「まだまだ現役だぞ」感を出しまくってるのに、没落してからは「(妻を指して)子どもが一人増えたようなもんだ」「電気代を節約しろ!」と叫んで家族がない方がいいわってな感じで、消費しまくりの家族に辟易してみせる。
とはいえ金を儲けたら今度はまた「思う存分金を使いたい」と叫んでしまうシーゲル氏。
マネーってのはいったいなんなのか、と考えさせられる。
金も一定以上を越えると、金そのものが目的になる。
金ってのは資本主義社会において何かしら“モノ”の代替えの筈なんですが。

金融危機が、シーゲル夫妻の計画や人生、財産に与えた影響は、撮影開始時には予想もしていなかった形で、映画の語り口にとって極めて重要なものとなりました。
この映画はアメリカンドリームの研究として始まりました。しかし次第に、アメリカンドリームと、私たちが、国として、個人として、アメリカンドリームを追い求め、道を失っていく様を、深く探求するものへと変わっていきました。
しかし、私はそれを「笑える」ことだと言いたくはありません。この映画は、ベルサイユ建設計画についてのコメディとして始まりますが、デヴィッドとジャッキーが金融危機の圧力に対処していくにつれて、悲劇へと変化していきます。それは、家や夢を失うという現実に直面した、あらゆる社会経済レベルの家族たちと同じなのです。
名誉毀損で監督訴えられていた!『クィーン・オブ・ベルサイユ』が描く大富豪の転落人生|リーマン・ショックにより頓挫、アメリカ最大の邸宅建設を構想した夫妻を追うドキュメンタリー - 骰子の眼 - webDICE

シーゲル夫妻の子どもの一人が養子で、貧乏生活をたっぷり味わってるもんだから
「貧乏なころはお金持ちの生活って毎日幸せで笑顔で過ごすんだろうって思ってたわ。でも実際お金持ちになってみたらもっとお金が欲しくなるの」
なのだそうだ。


単なるアメリカンドリームな金持ちの(悪趣味な)自慢映画に終わらず、たまたま起きたリーマンショックによって没落してゆくことで変化せざるを得ない家族の姿が、このドキュメンタリーを「マネーとは、いったい何なのか?」と考えさせるレベルに引き上げた。


とはいえ貧乏とはいえ日本の貧乏とは桁が違うし、たとえばホストクラブのオーナーが落ちぶれ、ワンルームに引っ越して河童のキグルミに入って風呂の垢取りを売るのとは違う。

azanaerunawano5to4.hatenablog.com


落ちぶれたからってトレーラーハウスで暮らさなきゃならないわけでもなく、ウチの家より遥かに大きな家に済み、メイドを雇って生活しているし、借金抱えてようがそれなりに投資を行い回収しようとあがける。
なんだかんだ今はそれなりに復興したらしく(金持ち同士のつてもあるので)、持ち直してるんだそうで。
同じレベルに戻すのは難しそうですが、また景気が良くなってそれなりの金持ちにはなるんでしょう。
 
 
ところで、たまたまテレ東で録画してあった「未来世紀ジパング」観てたらシェールガス革命で億単位の金を手に入れた60~70くらいのオッサンが、これまた金髪の若い嫁を貰って、しかしこちらもシェールガスブームの終了ですっかり金を無くして破産寸前。
こちらもアメリカンドリームから転落の典型。

アメリカの物質文明においての頂点というのは、そういう金髪、プール付きの豪華な家、高級車みたいな物欲&性欲テンプレートを満たす何かしらなんだろうな、としみじみ思った。

映画『クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落』予告篇 - YouTube