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“2015年を象徴する今年の1曲”を選んでみた

音楽 まとめ

今年最高の一曲を選ぼうという企画だそうで。
dulbywork.hatenablog.com

love.music-magazin.com

1.曲のタイトル

2.アーティスト名

3.曲にまつわる、ちょっとしたエピソード※短くても長くてもO.Kです♪

4.ブログをお持ちの方は、言及がO.KかN.Gか教えて下さい

とはいえ1曲選ぶのは、かなり難しい。

なにせ聴くジャンルがバラバラなんでそれぞれ評価軸が異なる。
そもそも音楽ブログじゃない。

そこで最高というか
“2015年を象徴する1曲”
を選びたいなぁ、と考えた次第(企画意図からズレるのでカウントはどちらでも)。
 
ちょっと今年の各音楽シーンを観測範囲でざっくり振り返ってみる。
 
 



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前置きが長いので目次をどうぞ。

 

RAP

To Pimp a Butterfly
なにせ今年は、3月にいきなりケンドリック・ラマーが「To Pimp a Butterfly」を発表。
ラップ文脈の方は、この時点で2015年の1位が確定してしまったんじゃなかろうか。


Little Simz - Dead Body - YouTube


Migos - Pipe It Up [Official Video] - YouTube

英国の新人女性ラッパーであるリトル・シムズも1st「A Curious Tale of Trials + Persons」を出して一部で話題になったり。
あとMIGOSの「Yung Rich Nation」も外せない一枚か。
国内だとOMSB(ex.SIMI-LAB)がソロ「THINK GOOD」発表。
技巧凝らしまくった天才的(いい意味の)変態トラックは(個人的)今年前半のヘビロテ。


OMSB "黒帯 (Black Belt Remix)" - YouTube

THE OTOGIBANASHI'Sも「BUSINESS CLASS」をドロップ。
DAOKOが顔出しをして、Charisma.comがミニアルバム「OLest」をリリースしたのも2015年。
術ノ穴絡みで泉まくらは変わらぬアンニュイな「愛ならば知っている」「P.S.」の二枚。
DOTAMAは「ニューアルバム」というニューアルバムを発売したり。

THA BLUE HERBのMCであるtha BOSSがソロ「IN THE NAME OF HIPHOP」を発表。円熟味を見せつける。


tha BOSS [THA BLUE HERB] "WE WERE, WE ARE ...

ROCK

Music Complete[ボーナストラック収録 / 国内盤] (TRCP200)

プロディジーは新作「THE DAY OF MY ENEMY」で相変わらずキレッキレのサウンドを響かせ、ニューオーダーはフッキー抜きの新作「ミュージック・コンプリート」発表。
相も変わらぬニューオーダーっぽいサウンドにファンがわき立つ。


The Prodigy - Nasty - YouTube


ブルージーなアラバマシェイクスは、2nd「SOUND & COLOR」を発表。
日本では、アラバマシェイクス並みにブルージーなT字路'sがカバーアルバム「Tの賛歌」を発表。
地味なバンドながらも全曲カバーの筈なのにオリジナルに聞こえる迫力を見せつける。
セールスに差があるとはいえ、渋すぎるルックスと声質はいい勝負。


Alabama Shakes - Don't Wanna Fight (Official ...


T字路s 「これさえあれば」 - YouTube

ROCK/POPS/JAZZ

金八
JKロックバンドthe peggiesはアルバム「NEW KINGDOM」を発表。
この前「世界ふしぎ発見」でレポーターやってた藤岡みなみのバンド藤岡みなみ&ザ・モローンズはEP「はじき」「S.N.S.」を出して期待のフルアルバムにリーチ状態。


the peggies / LOVE in the TOKYO(Music Video ...

あと忘れてはいけない藤井隆の「CAFE BAR COWBOY」は、もっと評価されていい一枚。
このPVだけでも充分良さがわかると思いますが。さすが西寺郷太。

アイドルに目を向けると私立恵比寿中学は2ndアルバム「金八」を発表し、“金八DanceMusic”の歌詞に登場するMステに登場しある意味爪痕を残し、ベルハーは技術的な向上はないままに「13 WEEKS LATER EP」をリリース。

ゆるめるモ!は「YOU ARE THE WORLD」を先日リリースして楽曲派のニューウェーブ好きオヤジを転がしにかかり、独りハーレム状態な清竜人25は「PROPOSE」でトマパイ以来のファンクネスな楽曲のアイドルを提示して見せる。
この「アイドルという名義でトラックメイカーが好き放題自分の好きなジャンルの楽曲をやらせる」構造は常に変わらないが、アイドルブームも徐々に下火になりつつある今次のシーンがどうなるのか非常に興味がある。
それにしても清竜人25は、異端過ぎて面白いし、この才能をこっち方向に向けてるのも上手い。

テディロイドの新しいアルバムを見てもそういうことがよくわかる。
あーりんも近田春夫も同じ素材。
 
 
フランツ・カフカのサウスアメリカ

そしてジャズからは、菊地成孔がDCPRG名義で「フランツ・カフカのサウスアメリカ」
これまた素晴らしい個人的ヘビロテ。


……といった具合で、引っ掛かる楽曲が多すぎる一年だったり。
狭い観測範囲、印象的なヤツだけでこんだけある。
APPLE MUSICに入っていれば、気になったものをすぐに聴けてしまうというのは大きいかもしれない。

では、長い前置きはこの辺にして今年の一曲を。
 
 

今年の一曲


水曜日のカンパネラ『ラー』 - YouTube

水曜日のカンパネラ「ジパング」
曲はどれでもいいですが、特に打ち込みが面白い「ラー」
はい、そこ。
「Born ○lippyじゃねーか」とか言わないの。

えー!?そんだけ挙げといてこれかよ、という声が聞こえそうですが。
今年を象徴するのが、水曜日のカンパネラなのは間違いない。

この意味なし女性ラップが今のシーンで売れること自体が非常に面白い。
 
 
もともと日本では意味のない歌が売れることはよくある。
たとえば「踊るポンポコリン」「ダンゴ三兄弟」「さよなら人類」なんかもそう。
最近ならきゃりーぱみゅぱみゅは、どれもこれも意味なしソングばかり。
実に日本的だったりする。


さよなら人類 - YouTube

ドラマにも見られるけれど、日本のエンタメの多くは構造的に“空洞”。
もしくは見た目だけ愛だの恋だのといった個人の日常風景のテクスチャを貼り付ければマジョリティに受け入れられる。
が、そこに政治的なメッセージや強い指向性の中身があると途端に売れない。
意味性の排除されたジャンクフードこそが日本的エンタメ。

ジパング

日本においてラップが売れづらいのはそういった意味性の強さによる。
アンダーグラウンドで“リアル”なラップは一部のコアなファンしか支えることがない。

意味性を排除し、パーティーサウンドの方向に割りきるとブレイクスルーがあるし、そんなもの相手にアングラ/インディーズからビーフをしかけたって仕方がない
メジャーの売れたラップを見れば「DA.YO.NE.」「今夜はブギーバック」などの空洞な楽曲が並ぶ。
 
DA.YO.NE - EAST END×YURI - YouTube

水曜日のカンパネラは、リリックの文字から意味性を排し、しかし排しすぎると何も伝わらずシュールになってしまうために、文字情報的には何かしら意味がありそうで、しかし無さそうというスラップスティックな辺りを突くコムアイのリリックが素晴らしい。
人間は、二つ単語が並べばそこに意味を見てしまう。
だから言葉が並べば自然に繋ぎ合わせそこに風景を浮かべてしまうが、単に意匠と化した記号としての機能しか持たないリリックは、文脈が断絶しているから情景だけが断片的に重なるパッチワークとして再現される。

このイマドキっぽいアーカイヴを掘りまくったようなアンダーワールドも真っ青なダンスサウンドに日本的な空洞、漠然としたイメージ。
そして美形の女性ラッパーという要素が揃ったうえで久々にラップ文脈に属する楽曲がメジャーで売れたのだと思う。
たとえネタラップでも。
今どきのアイドルブームに見られる空洞ムーブメントと相似形な水曜日のカンパネラは、2015年という年の日本の音楽の実情を非常に象徴してるように思うし、この一曲を選んだ。
 
 
といった感じ。
年末にベスト記事は(多分)やりますが、水曜日のカンパネラが入るかどうかは別の話。
それはそれこれはこれ。
こんな感じでした〜。