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ミステリとしての完成度高め 西尾維新「掟上今日子の退職願」

ミステリ 読書

掟上今日子の退職願 忘却探偵

退職願を胸ポケットに忍ばせ、波止場警部は揺れていた。彼女の最後の事件は、公園の噴水に浮かび上がった水死体。しかしその不可解さゆえ、名高い忘却探偵・掟上今日子と協力捜査することになり……。辞めたがりの刑事と仕事中毒の名探偵。奇妙なタッグが謎に挑む!

西尾維新 掟上シリーズ新作は短編4本。
17日に発売されたものを毎度ながら超速で読破。
このシリーズだけはサクサク読める。

では各話についてネタバレなしでざっくり。




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ミステリにはハウダニット、フーダニット、ホワイダニットという分類がある。

ハウダニット(Howdunit:How done it?)どうやってやったのか?
フーダニット(Whodunit:Who done it?)犯人は誰なのか?
ホワイダニット(Whydunit :Why done it?)なぜやったのか?

これらは、事件のどの部分が謎なのか?に主眼を置く分類。
今回の短編集では、フーダニット(犯人は誰?)の話はない。


第一話 掟上今日子のバラバラ死体
第二話 掟上今日子の飛び降り死体
第三話 掟上今日子の絞殺死体
第四話 掟上今日子の水死体

十何分割された殺人事件を扱った「~のバラバラ死体」では、かなりトリッキーな犯行方法から犯人像へ肉薄する展開を見せ、グラウンドの真ん中で墜落死した野球選手の死体の謎を描く「~の飛び降り死体」で、チェスタトン「ブラウン神父」の奇想を思わせるような逆説的な推理が展開される。
「~の絞殺死体」では、間もなく死ぬだろう老人を誰が殺したのか?というパラドクスを扱い、「~の水死体」では犯人も犯行方法も分かった状態で「なぜ犯人は自宅の近くの浅い池に死体を遺棄したのか?」の謎を探る。

これまで何作も掟上シリーズを読んできたが、キャラクターがこなれてきたのかミステリ短編としての完成度がかなり高い仕上がりになっている。
キャラモノとしても掟上さんのキャラクターがしっかり確立しつつあって、題になっている”退職願”というワードも、掟上今日子という存在を退職……まぁ、読んでみていただければ。
表紙の湯船は「~のバラバラ死体」のかな。湯は入って無かったですが。
「~の水死体」に出てくる水のイメージもある。

もし既刊を未読ならこの短編集から読むのもアリかもしれない。
共通するレギュラーキャラクターは掟上だけですし、他のキャラはセミレギュラー。
(ドラマはそのあたり、かなり改編されてましたが)
今回は全員刑事に統一してあります。

ちなみにガッキー主演のドラマ版を観るまでは「ガッキーが掟上ってコスプレにしか見えないんじゃあ……」と思っていたのに、今回本を読んだら脳内でガッキー主演で再生されて驚いた。
ビジュアルのインパクトってこわいわ……。
もう刷り込まれてる。

【掟上関連 過去記事】
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