おっさんと若者は繋がってる

p-shirokuma.hatenadiary.com
いやー、これはすごいわ。
この横綱相撲では、そこらの大学生メディアクリエイターは転がされるしかない。

安生洋二vs長州力を見るかのような試合展開。



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Mr.210%

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高田延彦に次ぐUWFインターNo.2として長州力、蝶野正洋、佐々木健介といった大物と対戦した。長州、佐々木には完敗したが(特に「10・9」の長州戦に関しては、この試合が決まるや「210%勝てる」と発言したが、試合はバックドロップ→リキラリアット→サソリ固めの連携でわずか4分05秒で敗れ、実況の辻義就アナから「問題になりません!」などと言われるほどの負けっぷりであった)
安生洋二 - Wikipedia

「ブロガーよりメディアクリエイターって新しい造語を名乗ろう」といった大学生氏に対しダサイと声が挙がり、それに対して「そういう批判をするんっておっさんだよね」と決めつけたあざといレトリックを用いた半径3m氏のタックル。
クマー先生はそのレトリックを逆手に取って自分がおっさんとしての立場から若者への提言といった風を装い、タックルを受け止めつつグラウンドへ引きずり込みレトリックを展開する。
倒れこむと見せかけて下から三角締めを狙いに行く手法で元来の文脈をうっちゃり、自コンテクストに引きずり込んでしまう。

いやはや、これはとてもじゃないが釈迦の掌の孫悟空。
恐れ入谷の鬼子母神。
感傷的な感想より、このコンボの手管に戦慄しますわ。

YOUNG&PRETTY

YOUNG AND PRETTY(デジタル・リマスター・バージョン)

ところで小さいころは早く大人になりたいと思うのに、ある程度成長するとおっさんになりたくないとのたまう。
若者にとって、おっさんは忌むべき存在。

マーシーが、

満員電車の中、くたびれた顔をして夕刊フジを読みながら老いぼれてくのは御免だ
THE BLUEHEARTS/ラインを越えて

と歌ってた頃から変わっていない。
若者のおっさん嫌悪。

でもおっさんって若者と何が違うかね。
単に身体が年老いていくだけでしかないのに。
中身まで別の生き物になるわけじゃないのにまるで別の生物のごとく嫌悪される。
でも、そこに境界線はない。

「クリエイティビティを謳う若者」と「酸いも甘いも噛みしめたおっさん」
そこに境界はない。
クラスチェンジも変身も資格試験も必要ない。
誰でもおっさんおばはんになることができる/なってしまう。

大学生だろうが数年もすれば学生からおっさん呼ばわりされ違和感を覚え始めることだってあるし、それはもう遠くない。
おっさんをおっさん呼ばわりするのは、数年後の自分を嫌悪してるのにも近い。
つ鏡


電車に揺られるおっさんは死んだ魚の目をしているというけれど、満員電車の中、くたびれてるのは渋谷で降りるアパレル関係者も、品川で降りる会社員も、新宿で降りる学生も、巣鴨で降りる老人も皆同じなんですけどね。電車に乗ってる人は、大概みんな疲れてる。
死んだ魚の目をしてるとすればそれはインスマス面ですよ、きっと。

人生は繋がっている


The Straight Story (1999) HQ Trailer

映画「ストレイトストーリー」の主人公アルヴィンはトラクターに乗り、人生最後の旅に出る。
途中若者に遭い、そこで「年をとっていいことは?」と聞かれ、こう答える。

年をとって実と殻の区別がつくようになったこと。最悪のことは若い時のことを覚えていることだ

若いころは成長、成熟と呼び、やがて老化、劣化と呼び方が変化する。
老いるというのは、特別なことではない。
誰でも経験すること。

ストレイト・ストーリー

肉体が老いたからといって、精神も老いるとは限らない。
精神の成熟度は、必ずしも年齢と比例しない。
その精神は若いころと地続きで、幼かったころも、若かったころも覚えているし、今からすれば未熟な思考だって覚えている。
今、この思考だって数十年後の自分からすれば黒歴史にしたいくらい未熟かもしれない。

若者のおっさん嫌悪っていうのは同族嫌悪なんだろう。
いずれ自分があぁなるかも知れないという己の中の可能性に対する嫌悪。
おっさんを覗くとき、おっさんの中にいる自分の可能性に見返されている。

若いころは、若いということはそれだけで可能性があることであり、おっさんということはそれだけで可能性がないということと同意に感じる。でも自分がおっさんになってみれば、可能性なんて幾つになってもないわけじゃあないし(若くなければできないことは当然あるが、同時に若くてできないこともあるわけで)死んだ魚の目になるかどうかは本人次第としか言いようがないという当たり前のことに気づいてしまう。

若いからってクリエイティビティが備わっているわけではないし、おっさんだからってクリエイティビティがないわけでもないし、そう思っているなら、それこそ頭の固い決めつけ。
若い人は思考が柔軟だ、とよく言うけれどそれって「関西人はみんな面白いんだ」とか「日本人はみんな空手ができる」並みの都市伝説感があるんですよ。
だって柔軟じゃないもの。
少なくとも自称「メディアクリエイター」に柔軟で斬新なクリエイティビティは一切感じないけどなぁ。

紋切型

最近の若者は~などと言うつもりはないけれど、ただ一つ言えるのは大学生ブロガーみたいな人の方が何だか考え方が窮屈というか「○○でなければならない」みたいな固い考え方を根本でしている気がしてならない。

柔軟な発想で、自由に、新しいことを。
言うことは立派なんだけどやってることは既視感アリアリで、どこぞのノマドとかどっかのセミナーとかで言ってることをなぞったり、誰ぞの名言を自分のモノみたいにドヤ顔で紹介するような方々の惨状。
「若者を否定するおっさんは老害だ、敵だ」みたいなのもありがち。
もう何度このサンドバッグが殴られてきたかわからない。
高知のトマトがどれだけ「年上で偉そうな奴は許せない」と殴りつけてきたことかよ。

何かしらのテンプレートでもあるかのように、いわゆる意識の高い若者は紋切り型な、クリエイティブを叫ぶ若者も類型的な方が多く見られるのってなんだろう?
クリエイティブなはずなのに。

クリエイティビティがなくたってクリエイティブを叫ぶことはできるし、クリエイティブってのはまずモノや行動ありきのはずなんだけれども、なぜかクリエイターを名乗ってから何かを作り始めるらしい。
卵が先なんだか鶏が先なんだか。

クマ先生の力任せでストレートな説教がどこまで通じるんだか知りませんが、自分が若いころなら余計なお世話って思ってたろうなぁ。
パンクだったもんですから。
メディアクリエイターの方々がどれだけメディアをクリエイトするのか、生暖かい目で見守りたいと思います。

では1980年代のパンク、ハードコアバンド愛すべきMINOR THREAT「GOOD GUYS」でお別れしましょう(fadeout)


Minor Threat - Good Guys (Don't Wear White)

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