衣料品業界の売り上げ推移なんて興味ない

www.yutorism.jp
“ファッションなんて興味ない”と題し、服飾業界の市場規模のデータ出しをしたらくかちゃ氏の記事。

言及されているので一応書きますが。
いや……。

そもそもわたし、あんまり服とか靴とか興味無いんですよね。学生時代は、ユニクロを高級服、MUJIをハイブランドと呼んで過ごしておりました。妻と同棲生活を始めてからは、おもに妻が服を選んでくれているのですが、いまだに身なりに無頓着なことに呆れられております。

だって、興味ないんだもーん。

思うんだけど、服に興味がないことって胸を張って言えることなのかな?



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ファッションに興味がない

服は何故音楽を必要とするのか? ---「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽たちについての考察 (河出文庫)

たとえば芸術作品を見て「芸術とか興味ねーから」とか言うような、そういう文化的な事物に対して興味がないことって己の文化的資本がいかに低いか開陳してる露悪趣味なわけで、本来恥ずべきことだと思うんですよ。
音楽とか芸術とか、そういうものに興味がないって胸を張って言われても、そういうものが人間の社会を成長させてきた重要な要素なんで、それを一切解さないことは胸を張れない。

ジョン・ローがバブル起こして踊らせてたマネーよりもよほどね。

わたしが興味あるのは、どれだけ長く着ることができ、どれだけ安くあげることが出来るかの二点だけ。妻と一緒に買い物に行くと、『これ、GUで同じようなものが半値ぐらいで売ってなかったっけ?』と小言を言い、ため息をつかれる日々です。

んーだから、そういう「ツールとしての衣料を語る記事は溢れてるからもういらないし、ファッション文化を誰か語れないか?」という記事だったし、ツールとしての服しか知らないのにファッションを「語る」ことへの疑問だったんだがね。


ウチが非言及記事で書いたのは、買い物レベルや衣料業界の売上高推移などというマクロ話ではなく、「ファッション」という概念やミクロの文化レベル話を語れる語り手はいないものかなと書いたんですけどね。

ファッションというのは己を単に着飾るだけではない。
価値の解体、再構築や絵画などをサンプリングし、落とし込むことによるコンテクストの引用。
【参考】
azanaerunawano5to4.hatenablog.com

文化的背景、コード、デザイン性。

そういう値段や実用性だけではない価値もファッションという文化に含まれるのに、ほとんど顧みられない。
「ユニクロで充分だわー」とかまったくレイヤーの違う話にしかならない。
結果、ファッションクラスタ内だけに終始せざるをえない。

「ファッション」の耐えられない軽さ

「ファッション」というときに、なぜかしら「日常衣料」も「ファッション文化」も「衣料品売上」もすべてひっくるめて「ファッション」と言われてしまう。でも芸術っていうときにアート作品の売上だなんて話にはならなくね?
アート業界の売り上げ推移なんて考えない。

映画なら映画作品の内容や演出や演技や、アカデミー賞の賞レースについて語るひともとても多いのに、ファッションだけはこうやって売上高だの景気だの、モテ服だのセレショでオシャレ気取りだの、日常品レベルの話に落とさなきゃ「ファッション」を具体的に連想できない。
しかも「ファッションに興味なんてない」と胸を張れてしまう。
無知や好奇心のなさは美徳ではないよ。

ファッションという語彙が単にツールの服を指すためにしか機能していない。
だからファッション文化は想像だにできない。
触れることもなく、タイトル通り興味もないんでしょう。
データは、繊維新聞読んでるんで充分なんですが。
www.senken.co.jp

ツール

確かにファッションは、絵画と同じで余暇で楽しむものだろう。
一家そろって美男美女なので全身ユニクロでもいいけど、それはファッションという文化ではなく、単に社会的なツールとして服を着なければならないから着てるだけの話なんですよ。
で?ユニクロのその服を選んでるのはどういう???
着てる服にこだわりがある?
そのデザインやそのディテールやコードや背景にあるのかしら??
雑誌をそのまま参考に??
だってモテるって?これが流行???
あぁ、そっすか。


コンゴのサプールのような集団からすればある種のイデオロギーを担っていることだってある。
【参考】
azanaerunawano5to4.hatenablog.com

コンゴで貧しい生活を送るサプールの方がよほどファッションについて本気で考えているし、語ってくれるだろう。
それこそ「衣料品業界の売り上げとかどーでもいい。興味ない」と言うだろう。

服とモテはイコールじゃないのにこれも一緒に語られがち。
女子ウケとかね。
……そんなことは、どうでもいいんだが。


必ずしもマクロでそんなミクロを捉えられるわけじゃあない。
数字で見て分かった気になるなら、そこには必ず誤謬がある。

美術品を金額だけで語ってその価値を正当に評価できないのと同様。
市場価値は相対的で当時の相場は出ても、だからってその絵の価値がわかるわけじゃあない。
そもそも絵画の価値って何ですかね?

ファッションも同じですよ。
マクロな市場規模とファッション文化は違う。

衣料品と言う日常のツールに、美しさやこだわりと言う付加価値が付いたものがファッションですぜ?
モノをモノとしてしか語れないなら、そこにはファッションのディテールが見えてない。
業界の店員や社長が気にすることだよ、それは。

109

んで、あとはこれか。

一緒に渋谷109メンズ館に行ってみました

そこには、社会的、日常のツールとしての衣料品しか売ってねー。
いやいや。
行くところがー。

渋谷だったら古着屋も多いし、代官山まで旧新南口からすぐだってのに。
109って……だったらエリミネーター行けよ。
【参考】
azanaerunawano5to4.hatenablog.com
※記事にあるREADY STEADY GOは、閉店してた……。

109服の文化はモードじゃなく、ヤンキーイズムの延長だろうなぁ。
「ヤンキー人類学」でも読まなきゃダメだろう、それは(積読)。

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とりあえずhitode99は、新宿とか代官山の古着屋巡りでもする方がよほど得るものがあると思うけれど。
カインドとかRINKANとか、RAGTAGとか。
RAGTAGは(駅からBEAMS過ぎてディスクユニオンの前ね)エレベーターが狭いのが難だけど、エディ時代のDIOR HOMMEデニム買ったことあるわ。
どーせアフィリエイトで儲かってんだろうに。

もしくはどっかのコレクション見に行ってみるとか(そこそこ買えばランウェイのインビテーション送ってくれる)。
守形レイジの中の人の方がよほど知識はあるよなぁ……。

セレショだのマルイとか109だのでファッションを「語る」って、おま……。
毎週ファッション通信観るところから始めたらどーですかね。
もう大内順子はいないけれど。

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※メンツがアレだけど貼っておくか……