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“年間200本観るボクのオススメ”に権威を感じない

anond.hatelabo.jp

映画会社社員A「このまえ公開された◯◯なんですけど〜ネットにひどいこと書かれてて〜見て下さいよこのブログ〜」
広告会社社員B「ん〜???ああ、このブログね。これは「紫の服の人」だから気にしなくていいよ」

まぁ、増田の話は置いといてこういう「年間200本の映画を観るぼくがオススメする映画」とか「年間○○冊読んだオレがオススメする自己啓発書」とかタイトルに入っていると、その数を権威化しようとしているのがモロに見えて、中身がどうであれ非常にあざといなぁと思えてしまう。

好きな映画監督を並べるだけなら何の文句も出ないだろうに。



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年に200本はすごいか?

ウチの場合、学生時代は月に最高60本観ていたころがある。
通して年間で数えていないけど、そんなことを数か月やってたから当然200は優に超えている。
学生なんてヒマなんだから観る時間はあった。
その本数を権威化しても仕方がないし、暇だったのは自慢にならない。
映画ヲタでない自分ですら200本くらい時間さえあれば観れる。

以前、映画ヲタのオフ会というものに参加したことがあるんだけれど、そのとき映画ヲタは延々と「○○の撮影監督やってた○○のデビュー作がインディーズなんだけど……」「○○監督のデビュー作の○○で衣装デザインをしていた……」みたいな話を延々していて、でも200本観てようが300本観ていようが助監督だの撮影監督だの衣装デザインだのの名前なんて知ったこっちゃあないし、自分の場合は映画を作品として観て「この作品はどう面白かったのか」「何を描いていたのか」を観ているだけなので、裏方の名前や映画の製作年まで覚えて、お互いに知識を披露しあい、本数自慢するようなサブカル的コミュニケーションの応酬は無理だなと感じ、自慢げに「オレって月に60本観るからこそ、オレが選んだ作品は面白いんだぜー!」ということは書きたくないなーと思っている。

美術作品を山ほど見なければ美術の鑑賞眼が鍛えられないか?といえばそんなこともない。
たとえ美大出でも教科書通りの見方しかできない方も見掛ける。
映画も同じこと。

押井守は年間1,000本観てたんですから。
年に200本なんて普通に平日1本観れば達成できるでしょう。
今でもやろうと思えばできるんじゃない?

だから数として200はすごくない。
映画を観た数なんて上には上が幾らでもいる。
 
 

認知バイアス


『GARM WARS The Last Druid』 Trailer

こういった数は、いわゆる「後光効果(ハロー効果)」という認知バイアスの一種。

ハロー効果(ハローこうか、英:halo effect)とは、心理学者エドワード・ソーンダイクによって名づけられた造語で、心理的効果の一つ。ある対象を評価をする時に顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。認知バイアスの一種である。
ハロー効果 - Wikipedia

・年に10本観たボクがおすすめする
・年に100本観たボクがおすすめする
・年に1000本観たボクがおすすめする

「数を観ている=経験、知識が多い=正しい目を持っている」

この単純な思考によって数は権威化する。
でも超映画批評みたいに何本観てたってダメな人もいるわけですよ。
審美眼というのは数をこなせばいいというものでもない。

映画という星の数ほどもあるようなエンタメで200本は権威にならない。
無数にある映画の中で観ていない映画は山ほど存在する。
もし数を提示されて権威に感じてしまうなら、そのことに対して少し自覚を持つ方がいい。

有村昆だって同時に3本観て自称“年に500本”ですから。
聖徳太子ライクなマルチタスクで消化するやり口でドヤ顔されても……。
浜村淳の方がよほど信頼性あるわ。
 
 

ぼくがえらぶさいきょうのえいがかんとく7

Le Transperceneige

名監督選ぶなら周防正行より矢口史靖の方がいいと思うけどなー。
パク・チャヌクの「スノーピアサー」にしたって、あれはフランスのバンド・デシネが原作なんだから「列車を社会の縮図として描いたのがすごい!」というのなら原作の方だろうし、その辺判ってない感じもなんか。
自分なら個人的偏愛として

・デヴィッド・リンチ(次はツインピークスですかね)
・キム・ギドク(サマリア、うつせみ、ブレス)
・デヴィッド・フィンチャー(映画も好きだけどハウス・オブ・カードも期待してる)
・押井守(新作ガルムは評判いい)
・ジョニー・トー(エレクション!)
・ダニー・ボイル(スティーブ・ジョブズ観に行く)
・王家衛(グランドマスターのディレクターズカット出せよ……)

今ならこんな感じかなぁ。

次点でガイ・リッチーも悩ましい。
でも「リボルバー」が引っかかる……。
あとアレハンドロ・G・イニャリトゥは「レヴェナント」が良かったら王家衛と入れ替わり。
エドガー・ライトも入れたいところだが。

ジャームッシュは好きだけど選ぶとなると入れないか。
ウッディ・アレンも好きだけどこういうときには選ばない。

韓国だとパク・フンジュンの二作目に期待したいんだが全然聞こえてこない。
パク・チャヌクとポン・ジュノもいいけど……。

日本の監督枠が押井だけど、異論は大いに認める。

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