この早川ノンフィクションが面白い2016SS

フィルターバブル──インターネットが隠していること (ハヤカワ文庫NF)

最近、あまりフィクションを読まなくなった。
今週は文庫になったイーライ・パリサー「フィルターバブル──インターネットが隠していること」*1を読んでる。
ネットに仕掛けられた情報フィルターによる影響を考えさせる一冊。

この早川NF(ノンフィクション)には、海外の名著がとても多い。
(田舎で消耗してるとかなんとかいう程度のしょーもない本がない)。
以下、そんな早川NFの中で読んだもの、オススメ、気になるものを選んでみた。



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1.行動経済学

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ずる――?とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ずる――?とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

早川NFは、なぜか行動経済学関連が手厚い。

ウチでも定番のダン・アリエリー「予想通りに不合理」「ずる」
「不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」」も早川NFから出版済。

【関連過去記事】
azanaerunawano5to4.hatenablog.com

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ダン・アリエリーのほうがリーダビリティは高いと思うが、定番ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」も当然押さえておきたい一冊。

「小飼弾氏絶賛!」とダン・アリエリーの帯につられて読んだ認知学や社会学について書かれたダンカン・ワッツ「偶然の科学」も多角的で面白い。

とまれ、どれも読んで損なし。
今さら勧めるまでもない名著も多数ある。

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

2.ウォール街と経済

ウォール街の物理学者 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ウォール街の物理学者 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

ウォール街における電子取引の道程を書いた本は幾つかある*2
中でもジェイムズ・オーウェン・ウェザーオール「ウォール街の物理学者」マイケル・ルイス「フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち」は一読の価値がある。
というかどちらも必読。

「ウォール街の物理学者」は、数学者ルイ・バシュリエや物理学者オズボーンのランダムウォーク仮説。
そして数学者エド・ソープを取り上げる。
「フラッシュ・ボーイズ」では、自動化されたウォール街とそこで行われるコンマ時間レベルの高速取引とそれが生み出す闇について。

【関連過去記事】
azanaerunawano5to4.hatenablog.com

ちなみにダン・アリエリーと同じくマイケル・ルイス作品を追うと早川NFが中心になる。

映画化した「マネーボール」にウォール街の内幕もの「ライアーズ・ポーカー」(未電子書籍化)
そして「マネーショート」として映画化された「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」も早川NF。
(20Pくらい読んで積んでる……)

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)

マイケル・ルイスのフィクション作品はあまり読まないが、ノンフィクションではハズレのない印象。

お金の成り立ちや過去のバブルなど金にまつわる歴史を紐解くニーアル・ファーガソン「マネーの進化史」もなかなか重厚な情報量。
株式市場の歴史から保険や不動産などマネーについて。
情報量が多く、重厚すぎて進まないったら……半分は読んだんですけどね。

マネーの進化史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

マネーの進化史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)


気になるのがリーマン・ショックの関係者に取材したアンドリュー・ロスソーキン「リーマン・ショック・コンフィデンシャル」
《フィナンシャル・タイムズ》紙の年間ベストに選ばれた本だそうで。
映画「インサイド・ジョブ」と合わせるのにちょうど良さそう。

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ルチル・シャルマ「ブレイクアウト・ネーションズ 大停滞を打ち破る新興諸国」は、早く読まなきゃならないのに後回しになってしまってる。
世界経済の流れは早く、情報はすぐ風化する。
なので次はこれの予定。

ブレイクアウト・ネーションズ:「これから来る国」はどこか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ブレイクアウト・ネーションズ:「これから来る国」はどこか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

3.数理を愉しむシリーズ

リスクにあなたは騙される (数理を愉しむ)

リスクにあなたは騙される (数理を愉しむ)

はじめての現代数学 (数理を愉しむ)シリーズ (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

はじめての現代数学 (数理を愉しむ)シリーズ (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

早川から定期的に出している「数理を愉しむシリーズ」
どうにも数学に苦手意識があるので避けがちだが、こういう辺りから手を出していきたい。

4.生命科学

かたち――自然が創り出す美しいパターン1 (ハヤカワ文庫NF)

かたち――自然が創り出す美しいパターン1 (ハヤカワ文庫NF)

表紙になっているロマネスコのようなフラクタルの不思議。
動物、植物などの自然で奇妙な「形状」に関して科学からアプローチしようという本らしい(4/7発売)。
こういう観ているだけでも面白そうな本は多分買う(そして一読してから積む)。

小川一水「天冥の標」を連想させるウイルス進化論を中心に「ウイルスとは果たして何か?」を考えるフランク・ライアン「破壊する創造者――ウイルスがヒトを進化させた」
電子書籍で出たら買おうと狙ってる一冊(いったいいつだろう……)。

破壊する創造者――ウイルスがヒトを進化させた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

破壊する創造者――ウイルスがヒトを進化させた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 
 

5.気になる数冊

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
さらにド定番マイケル・サンデルの「これからの「正義」の話をしよう」やフィクションを読むなら必読のジョーゼフ・キャンベル「千の顔をもつ英雄」も早川。


まだ未読だが気になるもの一覧。
面白そうなタイトルが多いのに時間がないって言う(誰か養ってくれないかしら)。

シャーロック・ホームズの思考術 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

シャーロック・ホームズの思考術 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

マリア・コニコヴァ「シャーロック・ホームズの思考術」は、脳科学や心理学など多面的な視点からシャーロック・ホームズ流思考にアプローチしようと言うミステリクラスタ的にも気になる一冊。
これはぜひ読みたい。

そして同様、脳科学などにより人間の成長にアプローチするデイヴィッド・ブルックス「あなたの人生の科学」は失業したら絶対読む。
評判もいい。
いや、失業したらそれどころじゃ(ry

あなたの人生の科学(上)誕生・成長・出会い (ハヤカワ文庫NF)

あなたの人生の科学(上)誕生・成長・出会い (ハヤカワ文庫NF)

あなたの人生の科学(下)結婚・仕事・旅立ち (ハヤカワ文庫NF)

あなたの人生の科学(下)結婚・仕事・旅立ち (ハヤカワ文庫NF)


民間軍事警備会社の内幕もの(つまりマージナルオペレーションな)スティーヴ・ファイナル「戦場の掟」も読むので少し待ってください(これも積んでる)。
マーク・マゼッティ「CIAの秘密戦争」にまでは手が回らない。

戦場の掟 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

戦場の掟 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

CIAの秘密戦争――「テロとの戦い」の知られざる内幕 (ハヤカワ・ノンフィクション)

CIAの秘密戦争――「テロとの戦い」の知られざる内幕 (ハヤカワ・ノンフィクション)

  • 作者: マークマゼッティ,Mark Mazzetti,小谷賢,池田美紀
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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……という感じで、早川NFだけでも全然追いつけてない。
たまに「どんな本を読んだらいいかわからない」ってひとがいるが……羨ましい。
密度の濃い読書体験がしたいなら早川NF一択で。
(そして息抜きに早川SFやミステリに手を出す)

こうなったら速読勉強すっかね(ため息をつきつつfadeout……)。

【追記】

グッド・フライト、グッド・ナイト──パイロットが誘う最高の空旅 (ハヤカワ・ノンフィクション)

グッド・フライト、グッド・ナイト──パイロットが誘う最高の空旅 (ハヤカワ・ノンフィクション)

  • 作者: マーク・ヴァンホーナッカー,岡本由香子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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※マーク・ヴァンホーナッカー「グッド・ナイト、グッド・フライト──パイロットが誘う最高の空旅」の一部を無料公開中だそうです↓
興味のある方はどうぞ参考に。
cakes.mu

*1:旧題:閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

*2:クリストファー・スタイナー「アルゴリズムが世界を支配する」など