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映画の力を見せつける映画「アルゴ」

映画

全世界を震撼させた歴史に残る大事件が起きたのは、1979年11月。革命が吹き荒れるイランで、過激派がアメリカ大使館員を人質にとる。混乱のなか裏口から6人が脱出、カナダ大使の家に身を隠す中、CIAのトニー・メンデスが提案した人質奪還作戦とは…?アメリカが封印した最高機密情報を基にした衝撃の実話!



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なぜかスルーしてた「アルゴ」を今さらながら観てみた。
当時は各所で絶賛されていたが。

イランでCIAとMI6の後ろ盾により成立したパーレビ(パフラヴィー)政権。
しかしパーレビの独裁と豪遊、経済格差に対する不満が爆発しデモやストライキで国内は混乱。
そんな中パーレビはアメリカに逃亡。
イランでは群衆がバーレビの身柄を要求し、アメリカ大使館を占拠することになる。
この占拠事件のさなか、6人のアメリカ人がカナダ大使館に退避。
この6人の救出を描いたのが、この「アルゴ」という作品。

エンドロールのあたりで当時の写真と劇中のシーンが対比で出てくる。
つまり当時の実際の写真をもとに映画の幾つかのシーンを組み立てており、出てくる人物に関して実際の人物にかなり似せている。
とはいえどれも一般の人物だから多少違っても判らないだろうに、わざわざ似せた上で最後に「実際はこんな感じで映画ではこんな風にしてみました」と並べて見せられると感心せざるを得ない。

アカデミー賞を受賞した作品としては小粒な印象だけれど、この映画のポイントはこの「アルゴ」という偽作品を作り上げ、その虚構の作品をベースに救出を行った部分にある。
「映画の力によって現実にも人の命を救える」
この部分が評価されたことは大きい(アカデミーのアメリカマンセーは当然として)。

現実が人間の妄想を具現化したように、映画もまた妄想の映像化にある。
映画は虚構の具現化で社会とは一線を画する。
社会や現実と映画は似ていて非なる世界。
政情が不安定なイランであれ「映画」というコンテクストは特権的に通用し、救出作戦に利用されることにもなる。
映画という存在によって目に見える形で人が救われ、しかもそれが実話なんだから。
さらに映画的な盛り上げ馬もキチンとあるしその辺はさすがベン・アフレックわかってる感じ。単に実話の映画化ってだけじゃなぬ映画としてのクオリティも追及してる。
そりゃあ評価も余計に上がる。

アルゴ (字幕版)
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