ウォーキング・デッドが描くのは「どんな世界であれ生きなければならない人間の日常」である

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それぐらいの恐怖度では驚かないんだよ。実際に出演者が謎の死を遂げたホラー映画は奇異な出来事として怖かった。

人間不信なわけではないんだけどね。人間心理を語る上で、一番人間が怖いと思うんだよ。怖いからこそ、対応ひとつで相手が鬼にも仏にもなる場合だってある。

極限の状況に追い込まれた人間どもがどのような行動をするのか。ウォーキング・デッドにはたくさんの人間心理がつまっているような気がします。

そうかな?



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暴力性

ゾンビ映画の系譜において「人間の暴力性や残酷さ」はジョージ・A・ロメロが1978年に「ゾンビ(ドーン・オブ・ザ・デッド)」を撮った時代から描いている。
この裏には当時のベトナム戦争への批判が根付いてる。

ゾンビというクリーチャーは、単体では怖い存在ではない。
だからこそ集団で襲い掛かってくる。
ダニー・ボイルの撮った「28日後…」や続編「28週後…」に見られる走るゾンビのようにクリーチャーとしてゾンビを進化させることで恐怖を増すことはあっても、ゾンビという存在自体は単体なら動く死体以上でもそれ以下でもない。

中には「ランド・オブ・ザ・デッド」のように思考するゾンビもあるが、ゾンビが思考を持ってしまうなら、それは病原体を持つ人間と大差ない。
人間の姿を残したまま、人間性のない死体が闊歩し襲ってくる。
それがゾンビの怖さ。

そして社会が崩壊し、人間の暴力性がむき出しになるところを描くのはゾンビ映画の定番。
 
 

日常

ゾンビ映画の多くの展開は一致している。

まずゾンビが発生し、初期の社会混乱を引き起こす。
混乱した世界で数人が生き残り協力しどこかへ立てこもる。
そして脱出するために行動を起こす。

これを2時間ほどで描く。
しかしここからさきは映画で描かれない。


保安官ニックは捜査中、意識を失い入院。
気づけば世界は崩壊し、ニックは家族を求め街をさまよい歩く。

「ウォーキング・デッド」の導入は「28日後…」を思わせるゾンビ映画の定番。
しかし連続ドラマだからこそ、ウォーキングデッドではその先を描く。
極限状態の人間性や暴力性を描くのは2時間で済む。
いくら異常な状況であれ、その世界で生きなければならないならそれが日常になる。


ウォーキング・デッドで主人公ニックらはショッピングモールではなく刑務所に立てこもる。
朝起きれば外に集まったゾンビ(ウォーキング・デッドでは“ウォーカー”)を金網越しに杭で刺し、金網が弱っていれば支え棒をして補修し、入り口にはバリケードを張り、門を閉じ、見張り台に人を立て、水を確保し、畑を作り家畜を育てる。
仲間の中には子供もいるから育てなければならない。
洗濯も必要だし、衛生は保たなきゃあならない。
妊娠しているならこの崩壊した社会で子供を生むことを考えなければならない。
生まれた時からソンビがいる世代は幼い頃から戦闘訓練を受け、拳銃の扱いやサバイバル術を学び、命に関しての教育も変わってしまう。
神父も登場するが、ウォーキングデッドの世界で神は機能しない。
死人が闊歩する地上は地獄そのもの、神にすがっても誰も救ってくれない

「ウォーキング・デッド」が描くのは、この混乱した世界で生きる人間の力強い姿。
シーズン1しか観ていないなら「極限状態の人間の残酷さ」がテーマだと思ってしまうかもしれないが。

最後に

現在は、最新シーズン6
最後の最後に危機に陥り「どうなるっ?!」ってところで引っ張るアメドラお馴染みの展開。

シーズンを振り返るとやはりシーズン3のメルルのアレが一番好きなシーン。
メルルと総督(ガバナー)が好きなもんですから。

シーズン5での、グレンの扱いはなんだかなぁ、と。
せっかく復帰してなんで雑処理なんだろう。
「古き友よ」であのキャラが登場したところはキター!と盛り上がったが。

で、シーズン6の鉄線バット被害者は誰か?で引っ張ってるけれどアレは……。
あまり書くといろいろネタバレ。


最新シーズン見たさにHuluに入ったが、アマゾンならプライム会員でシーズン1から見れる。
まだ観てないならそちらで観るほうがお得じゃないだろうか。
最新シーズン6はないけれど。

あとアマゾンには、オリジナルドラマとしてスピンオフの「フィアーザ・ウォーキング・デッド」もある。
(こちらはドーンオブザデッド的な展開をしていく)
現在シーズン2まで配信中。

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