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水素水スレイヤー

伊藤園 進化する水 水素水 (ボトル缶) 410ml×24本


はぁはぁ……。

もうこれ以上は走れない。
僕は、人気のない住宅街の中をひたすら走っていた。窓に明かりはなく、薄暗い街灯で照らされた道路だけが延々と伸びている。

まるで廃墟のようだ。



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僕は何も悪いことなんてしていない。
ただ某メーカーが作っている水素水について調べてみたところ、謳っている健康効果があまりにでたらめだとブログに書いただけだ。
ただそれだけなのに。

真暗闇に溶けそうな上下黒の衣装、額には「水」「殺」と書かれた額当、背中には日本刀を背負っている影が僕が来た道を走ってくる。
水素水を販売しているハイパーウォーターメーカー、イトーエンに仕える暗殺専門のニンジャだろう。

水素水は、今やあらゆるところで見かけるようになった。

今や水素が入っていない水は、日本にはほとんど存在しない。
先日、東京都知事になった橋下徹は水道水に水素を混ぜることを掲げ、見事に当選したくらいだ。

爆発的なブームのきっかけは、今から数年前、美のカリスマタレントと歌舞伎俳優との結婚式で水素水を振る舞ったことらしい。
翌日から若い女性や主婦を中心に水素水は食べるラー油なんで比べ物にならないくらい飛ぶように売れ、一般に浸透し、今やトレンドになんてまったく興味のない加齢臭を撒き散らす新橋のサラリーマンですら食後にはアイコス片手に水素水を飲むのが定番らしい。
あらゆるタレントがブログで水素水を絶賛し、水素吸入器を買ったことを堂々と掲げる。
まるでプロパガンダだ。

なんということだろうか。

水素水産業は、今や日本の一大事業になりつつある。

アメリカ大統領ドナルド・トランプが「日本は水素水を作り続ける限りアメリカの庇護下にある」とテレビで演説したのを観た人も多いだろう。今や水素水は日本だけではなく世界にまで広がりつつある。
ODAの主力も水素水製造機だと聞く。

迫る東京オリンピックの中心にも水素水を販売するメーカーがトップ企業として名前を掲げ、テレビCMでも水素水を観ない日はない。

もはや水素水の効果を誰も疑うべきではない。
一企業の問題ではない。
水素水はもはや国策なのだ。

美しき国日本。
今や水の豊かな国ではなく、欺瞞に満ちた水素水で覆われた国になってしまった。


だから僕は今、最後になるかもしれないブログを更新している。

誰でもいい。
これを読んだ人がいたら警告して欲しい。


今度発売されるEM菌入り水素水の健康g

うわなにするやめ


※この記事はフィクションですが、水素水の効果がノンフィクションかどうかは知りません