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ファッション界の空白

※以下、散漫な雑感です

ファッションが面白くなくなった。

エディの退任が決まりラフシモンズがディオールを去った。
マルジェラは消え、代わりにガリアーノが就任した。
しかしガリアーノはガリアーノでしかない、マルジェラを変えた。



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空白

マルジェラは、ファッション界において特異な存在だった。
モノの時間や概念、既存の価値観すら解体して新たに構築する、ある種哲学的なリーチこそがマルジェラという人間の考える美でありファッション。
ガリアーノのファッションは美しいが、美しいという概念の中の美しさ。
いくら絢爛豪華できらびやかでも、その美しさは美という軸の中。
ファッションデザイナーと素晴らしいが、ただデザイナー以上でも以下でもない。
そもそもデザイナーにデザイン以上の何かを求めても仕方ないのかもしれないが。

単純に美しいファッションならガリアーノの才能は素晴らしい。
ただガリアーノからすればマルジェラという単純な美しさ以上のものを追求したラボのようなブランドは彼の能力を縛り付けているようにも感じる。やはりディオールの頃のガリアーノは思う存分、その下品なくらいの下品な華美さを発揮していた。
マルジェラがガリアーノに染まっていくのか、それともガリアーノが出ていくのかはわからないが相性はよくないように思える。


2000年からのファション界を牽引したのはエディの存在だった。
わかりやすいくらいわかりやすいロックンロールなファッション。
カリカチュアライズされたかのようにシルエットは極端に細い。

そしてそんなエディがディオールオムを退任し、代わりに就任したクリス・ヴァン・アッシュはそれまでのボーイッシュなラインから大人の提案をしたが果たしてどうだったか(シルエットがマッチョになる)。
その後のディオールオムの凋落は語るまでもない。


そんなエディの空白に入りこんだのがラッパーであるカニエ・ウエストだった。
カニエ・ウエストはリカルドティッシのジバンシィを衣装として着ていたが、ファッションに目覚め、まずブランドとコラボ。
ヴィトンとコラボしスニーカーを発表(当時はマーク・ジェイコブス)、ついでナイキ、そしてアディダス。
どれも今や数十万~のプレミアが付き取引されている。

別冊サイゾーvol.4 ファッションタブー大全

菊地成孔氏がこんな風に書いている。

07年にスリマンがディオール・オムを退任し、10年にマックイーンが自殺したことで、パリコレからロックファッションが一時的に消えた。その間にパリコレ側とヒップホップ側が手探りで接近を図り、ビッグメゾンがヒップホップに手を出していく
ジャズメン・菊地成孔が証言!パリコレ化する21世紀ヒップホップ/ファッションタブー大全

ここで菊地氏が語るようにヒップホップとファッションの蜜月が開始。
ファレル・ウィリアムスもファッションブランドとコラボ、次はエイサップ・ロッキーあたりが台頭しそうな雰囲気もある。
カニエは自分のブランドを展開。
またもやロックファッションが空隙となりこれからヒップホップ界が侵食を始めるのかもしれない。

SNBN

これまでは半年前にコレクションがランウェイやインスタレーションで発表され、それが実際に販売されるのは半年後、というのが主流だった。しかし今やネットが普及し、ランウェイの中継も各ブランドが始めた。
そしてランウェイショーが終わった直後にアイテムの販売を開始する。
いわゆるSEE NOW BUY NOW。
東京ガールズコレクションなどでランウェイを見ている観客がケータイからそのアイテムを買えるということをやっているが、アレが世界的に本格化したようなもの。
ファッション界の販売の流れも変わりつつある。


どちらにしろマルジェラの退任でひとつの時代は終わったように感じる。
イヴ・サンローランの衣鉢を継ぐエディは再びファッション界を去り、マルジェラのショーに影響を受けフッションを志したラフも自分のコレクションに専念。ランバンからはアルベール・エルバスが去った。
ブランドのデザイナー交代はよくある話だが、これほどビッグネームがファッション界を後にし、果たして次に何が来るのかわからないが、時代を牽引するほどの天才は今のところいないように思える(知らないだけかもしれないが)。
キムジョーンズ......いや...。

まるで物語が終わった後の舞台のよう。
舞台の上には主役が居ない。
さらに日本のファッション界は輪をかけてひど(ry

最近、ドリス・ヴァン・ノッテンのシャツが欲しいが、買おうか迷いつつこの記事を終わる。

【関連過去記事】
azanaerunawano5to4.hatenablog.com