VHSビデオの栄枯盛衰ドキュメンタリー 映画「VHSテープを巻き戻せ!」

消えゆくメディア「VHS」がなぜいまも多くの映画ファンを魅了するのか。ビデオが築いた功績を辿り、新たな視点で再燃するVHSブームをひも解く。

今の30代40代~には懐かしく、10~20代には見知らぬ話。
そんなビデオ文化を追うドキュメンタリー。



【スポンサーリンク】



ビデオメディアの隆盛

VHSvsベータ戦争、予約録画によるテレビ視聴の変化、レンタルビデオの始まり。
インディーメーカーによるB旧作品の乱立、アダルトビデオ、Vシネマ、ホームビデオ。

ビデオフォーマットは長く続き、大手の参入が遅れたため、インディー映画会社が大量の作品を輩出。
多彩なタイトルが多く生み出された。
そんなビデオ文化を様々な関係者が語るドキュメンタリー。

通常、当時を知る数人が時代背景について語る構成が多いが、今作では関係者が次々登場し様々な側面から語り、アトム・エゴヤンからトロマのロイド・カウフマン、日本からもバクシーシ山下や押井守まで登場する(初のOVAとして「ダロス」が紹介される)。

バスケットケース [DVD]
ハピネット・ピクチャーズ (2000-01-25)
売り上げランキング: 191,266

どこのレンタル屋にも大抵置いてあったホラー映画「バスケットケース」
あんなヒットしたわけでもないタイトルがどこのレンタル屋にも並んでるのが当時、不思議で仕方なかった。
「バスケットケース」の製作者が当時の事情を語ってみせる。

ビデオ撮影のB級作品も多く登場。
「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」並みの低予算映画といえばいいか。
「悪魔のアリ」↓のB級どころかC級のぬる~い映像(そもそもこの映画に時間を割く構成バランスがおかしい)が流れ、デヴィッド・ネルソンが熱弁を振るい、腕立て伏せをしたり。

レンタルビデオあるある

「ビデオに細長いノイズが流れると2秒後にヌードシーンが登場」レンタルビデオあるあるは世界共通。
何度も巻き戻すせいでレンタルビデオのフィルムが一部分だけ劣化する。


大手の参入が遅れたからこそビデオの初期には、低予算映画の花が開いた。
短編ドキュメンタリー「ヘヴィーメタルパーキングロット」はジューダス・プリーストのライヴ会場の駐車場でファンを撮影した低予算カルト・ドキュメンタリー。

こういうぬる~い作品もDVDメディアには対応しているがブルーレイにはどうだろうか。
動画配信でどこかのサーバーに保存され、一部のマニアがアーカイヴとしてたまに見るくらいか。

ビデオの海賊版業者が登場して当時を語り、現在の動画配信やYoutubeについても語る。
大手が参入してからコピーガードなんかも登場した記憶がある。それまでは普通に電気屋で「ダビングします」なんてやってたっけ(著作権意識薄かったな)。


今や動画配信やDVDレンタルに取って代わられつつあるビデオレンタル。
町のそこにしかないようなレンタルビデオ屋はなくなり、みんなTSUTAYAに代わり、そうでなければ100円ショップやコンビニに姿を変えた。

近所の電気屋の一角でビデオレンタルやってたなぁ...。

ビデオでは存在しているのにDVDやブルーレイ、配信に対応していない作品が多くある。
Vシネマなんてほとんどがそうだろう。
鳥海永行(押井守の師匠)監督のOVA「LILY-CAT」なんて国内向けのDVDになってない(北米盤はある)。
エ○リアンまんまの作品だが、変異物の隠れた名作。

Lily C.a.T. [DVD] [Import]
Lily C.a.T. [DVD] [Import]
posted with amazlet at 16.06.02

売り上げランキング: 165,791


磁気テープの寿命は20年程度。
多くのテープは朽ちていき、ビデオにしかないタイトルはメディアの消失と共にそのまま失われてしまうかもしれない。

テレビを録画し、タイムシフト視聴したり、一時停止や巻き戻しをして何度も見ることができるようになったのはビデオデッキが一般家庭に普及して以降の話。
予約録画も昔は曜日や時間を手入力してり、バーコードを読み込ませる仕組みのモノもあった(ナショナルだったか)。

見ているうちについついノスタルジーにハマってしまうドキュメンタリー。なかなか面白かった。
おっさんホイホイとして懐かしく、若いひとには異文化の勉強になるかもしれない。
モザイク入ったAV映像もちょこちょこ流れるのでその辺だけ気をつけて見ましょう。

VHSテープを巻き戻せ!
(2016-05-25)
売り上げランキング: 10,702