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非合理的なニヒリストの恋 映画「マジック・イン・ムーンライト」

ウディ・アレン監督が、南仏を舞台に描くロマンティックコメディ。友人の依頼を受け、コート・ダジュールの豪邸へ赴いたマジシャンのスタンリーは、アメリカ人占い師・ソフィに魅了されてしまうのだが…。

若いころのウディアレンは、サブカル好きなインテリスノッブにばかり好かれそうな作品を撮る印象だけれど、ここ数年の作品を見るととてもロマンチックだったりエンタメとしての完成度が高い。
今作も非常にクラシックだが、ロマンティックなラブコメディに仕上がってる。
iTunesでウディ・アレン作品を安くレンタルしてるので観てみた。



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皮肉屋でニヒリストの手品師スタンリー(コリン・ファース)は、友人に「偽霊媒師のトリックを暴いて欲しい」と依頼され、英国の富豪の家庭に入りこんだ霊媒師ソフィー(エマ・ストーン)の元を訪れる。
しかしどれだけ目の前でソフィーの霊現象を見てもトリックが分からないスタンリーはニヒリズムな自分の価値観を捨て、霊現象を認めることになり……。


現実的でニヒリズムに満ちたスタンリーの価値観は理性や幸せと一致しない。
この映画においてのトリック、理性/スピリチュアル、感情は同じところに存在していて、スタンリーは理性と合理的判断を信じる限り婚約者と結婚する方が正しく、ソフィーと恋に落ちるのは感情的で理性的ではない非合理的判断。
スピリチュアルを暴くはずのニヒリズムな手品師が、スピリチュアルを信じることを切っ掛けに世界が美しく見えるというのは皮肉なもの。
だからこそ非合理な恋愛感情なんてものに振り回されてしまう。

恋愛感情は理性とは異なる。
どれだけ理性的に間違っていても感情の高ぶりは抑えられない。


英国出身50代コリン・ファースが20代アメリカ娘エマ・ストーンに恋をするという図式は、これまでと同様。
ウディ・アレンは自身が主演の作品でも恋する相手はいつも年下の娘。
養女から性的虐待と言われていたけれど……。


エンタメとしても前振りがキチンと生きていて、起承転結も綺麗な仕上がり。
どんなひとにもオススメできる娯楽作品。
デートムービーもこのくらいがちょうどいい。

マジック・イン・ムーンライト(字幕版)
(2015-10-23)
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