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大量連続殺人を阻止できるのか?! 西尾維新「掟上今日子の家計簿」

掟上今日子の家計簿

眠るたび記憶がリセットされる名探偵・掟上今日子。
引き受けた事件は即日解決の彼女のもとに、今日も悩める刑事からの難題が舞い込んだ。
呼び出されたのはなぜか、事件現場ではなく遊園地。依頼は、ある事件の容疑者より速く、巨大な脱出ゲームをクリアすることで……?
美人でおしゃれでお金が大好き。忘却探偵・今日子さんのタイムリミット・ミステリー!

ネタバレ無しで書くのは難しいがネタバレ無しで。



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掟上シリーズをリアルタイムで読んで、もう七冊目。
西尾維新作品の中で唯一読んでるシリーズになってしまった。

今回は、掟上今日子&刑事コンビで
・掟上今日子の誰がためにクイボノ
・掟上今日子の叙述トリック
・掟上今日子の心理実験
・掟上今日子の筆跡鑑定

の四話。

掟上今日子の誰がためにクイボノでは雪のロッジで起きた殺人事件を動機面から推理。

~叙述トリックでは、ミステリマニアが殺された事件に際して叙述トリック講義を披露。
この講義がいろいろ波及する。
類型を読みつつ幾つも既存タイトルを思い出すんだけれど、それを書いてしまうと挙げること自体がネタバレになってしまうのが叙述トリックの悩ましいところ。
(同様のことは映画のどんでん返しでも言えるが「アナタも驚く!どんでん返し映画10選!」というまとめをありがたがる思考の持ち主もいるんだから世界は広い)

~心理実験では密室殺人を。
~筆跡鑑定ではアリバイ破りを。


今回は「~叙述トリック」がキモで、特に犯人について最後まで書かれていないので「犯人は○○○なのであのひとだ!」という推理も出ていたりするんだけれど、果たしてそこまでシンプルなのかしら。
あれが指すものが必ずしもそれとは限らない気が(ネタバレ無しで書くのは難しいわ)。

あと、この記述が引っかかった。

カメラもついていますし、このスマートフォンなら、それもできそうですけれどね――と、今日子さんは液晶画面をこちら側に向けた。
42x17の、標準的な文字の表示で『XYZの悲劇』の文面が映しだされている

iPhoneのKindleアプリでの最小表示が15行、47文字。
縦に長いので。
Kindleでも最小表示でようやく17行。
とてもじゃないけれど「標準的な文字の表示」ではないんですよね。
ただ42x17が紙の本であれば「標準的な」が当てはまることもある。
ただスマフォでは、かなり小さい。
これが意図的なのかそれとも実際試さずに書いてしまったのかわからないけれど、叙述トリックの回答が単純な「アレ」であれば全く関係なかったってことで。

個人的には恋愛要素とかキャラ小説的な部分はあまり欲しくないので掟上シリーズの相棒が刑事パターンはあっさりしていて読みやすく感じる。
特に今回は本書の根っこになるトリックがキレイに決まったのでシリーズ中でもなかなか上位に入るのではないかな、と。


※「大量連続殺人」という記事のタイトルでありながら一切記事にも本編にも大量連続殺人がないのも叙述トリックだそうで、というメタ

掟上今日子の家計簿
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