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AR世界の戦術 VS 戦略 芝村裕吏「エレメンタル・ローズ」

読書

エレメンタル・ローズ<エレメンタル・ローズ>

稀代のゲームデザイナー、芝村裕吏が仕掛けるAR(拡張現実)バトルゲームファンタジー!アイドル巫女からツンデレハーフ、仮面の美少年にオタク眼鏡までみんなまとめて、史上最強の青春国盗りラブバトル、開戦!!

サクッと読了。
イマドキのゲーム小説。



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地水火風の四勢力に分かれて陣を取り合う位置情報を活かしたARゲーム“エレメンタルローズ”
イングレスにファンタジーゲーム的な戦闘要素を足したようなシステム。

その開発者の息子 宮林忠義は火の軍勢の一人として渋谷に攻め込んできた水の軍勢を見つめていた。
水の軍勢を率いるミカ・ハミルトンと柳。
渋谷を拠点にする火の軍勢に対し数で劣る水の軍勢。
雨の中、拠点攻防戦が始まろうとしていた。


水の宮林忠義 VS 火の柳智雄
超美形だがモテない忠義と普通なのにやけにモテる柳はこれまた対照的。
忠義柳は水と油。
英伝だとヤンとラインハルト。

エレメンタル・ローズ開発者の息子 忠義からしてみると現在のエレメンタルローズが単なる数の戦いになってしまっているのが面白くない。
数ではなく運動やスキルで戦う数ではなく工夫で戦えるゲームへと回帰させたい。
だから忠義は戦術レベルが得意。
対する柳は、数や配置による今主流の戦略が得意。
戦術vs戦略。

芝村氏のゲーム小説というと最近は「セルフ・クラフト・ワールド」三部作があったが、こちらはもっと現実寄り。
イングレスやポケモンGOなど現実世界を舞台にしたAR。
現実の関係性とゲームの世界が二重写しになる。
理想的なARゲームというか、現実で批判的な報道もされず大規模にゲームを遊べるのはどうであれ楽しそう。

ただ基本的に終わりのない位置情報ゲームがテーマなので導入エピソードだけで終わってしまう。
現実に侵食していった「セルフクラフトワールド」と違いあくまで現実的な物語に終止。
仮にここから先を考えてもゲームで覇権を握り、クリアーしてもそれはそれで現実に戻るだけ、というのはなんか寂しい。
日本を制圧しても今やスマフォゲームは世界レベル。
完全クリアー(一勢力による完全支配)は絶望的。

父親が開発していたのがARの陣取りゲーム。
スマフォゲームの寿命の短さを考えると仕方ないが。
クリアーすると父親からのメッセージが……あ、その展開はダサい。


にしても柳はモテすぎ……。