データを観れば、NHKが圧倒的に面白いのではなくテレビを支える層が高齢化してるとわかる

bylines.news.yahoo.co.jp
この記事の主は「高齢化時代の現れとしてNHKがゴールデンの視聴率一位を取ってる」なんだが、記事へのコメントを見ていると高齢化より「民放よりNHKのほうが面白い番組が多いから当然」のようなものが多く見られる。
しかしそれって本当だろうか?

少なくとも全時間帯で言えば、深夜バラエテイは民放の方が面白いと感じるが。



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視聴率

では、具体的なデータを。
同じ視聴率でも期間や切り取り方が異なれば見え方も異なる。

視聴率はデータリサーチ。
週間高世帯視聴率番組10(最新) | ビデオリサーチ
以下のデータは上記リンク(2016年 10月24日(月) ~ 10月30日(日))のデータから一部抜粋。

まずドラマの視聴率。
これは興味深い。

番組名 視聴率 時間帯
ドクターX 24.3 22:00
べっぴんさん 20.9 8:00
相棒 14.6 21:00
真田丸 14.5 20:00
逃げ恥 12.5 22:00
校閲ガール 11.2 22:00
IQ246 10.1 21:00
ラストコップ 9.8 23:00
カインとアベル 8.6 21:00
相棒 8.6 16:00

まずドクターXの異様な視聴率。
あれが今の20%超えドラマ。
そして相棒は再放送も含め視聴率が固い。
新シーズン初回は、かなり微妙だったがな……。

つまり固定ファンがついているドラマが安定して強いのがわかる。

ドラマは、昔であれば「月9」など若者が支える枠だったが、今や高齢化によって視聴率を稼ぐドラマはそれなりの年齢層からなる固定ファンを抱えるシリーズモノになった。
ここ数年のドラマのヒットも「下町ロケット」や「半沢直樹」など中高年が観る恋愛以外のジャンル。

NHKからは、定番の朝枠と大河ドラマ枠。
これまた固定ファン。
もし「NHKのほうが面白いコンテンツを作っているんだ」というなら他のドラマももっとランクインしていいはずだがそうでもない。
大河や朝ドラは固定ファンがいるのでそのシーズン面白ければ観るという視聴スタイルが確立してる。

一昔前なら「逃げ恥」がもっと上位に行ってもおかしくなかった。
なのに今は5位に入るかどうかのラインにいるのも視聴者層の変化が現れてる。
恋愛をテーマにしたものが圧倒的に少ないのは、そういうドラマがもう視聴率を取れないからだというのもわかる。
今や恋愛ドラマ自体かなり数が少ないんですよね……逃げ恥は、ストレートな恋愛ドラマではないので、おじさん世代でも観やすい。

ゴールデンを支える層

次に「その他の娯楽番組」

ここはゴールデン番組が多い。

番組名 視聴率 時間帯
笑点 21.3 17:30
鉄腕DASH 18.7 19:00
イッテQ 17.4 20:00
行列 16.6 21:00
爆報THE 16.3 19:00
キンスマ 15.4 20:00
有吉ゼミSP 13.5 19:00
おしゃれイズム 13.0 22:00
深イイ話 12.7 21:00
特番(日テレ) 12.2 19:00

笑点→DASH→イッテQ→行列→おしゃれイズムまでのダラ見。
日曜は、日テレかけっぱなしという家が多そうな視聴率。
でもゴールデンでNHK一強ってわけではない。

NHKは面白いが民放はつまらない」と感じるひと相手にもう民放の番組は作られてない。
民放などテレビの視聴率を支えているメインターゲットは「ドクターX」や日曜の日テレを延々見るような人々なんだろう。


音楽番組ランキングも興味深い。
一位が日テレののど自慢THEワールド、
二位がMステ、
三位にうたコン。
次がチカラウタ(日テレ17時なので……)、NHKのど自慢が続く。
うたコンを観てるひとはわかると思うが、かなり渋い。
和服姿の歌手が山ほど出てくる。
上位に若者が観そうな音楽番組がMステしかないのもいろいろ現してる。
昔ならHEY3とかうたばんとかあったが、そもそも番組自体少ない……。

ちなみに23時台なのにランクインしてる「関ジャム完全燃SHOW」は音楽を分析したり、魅力について語る良番組なので関ジャニ∞ファンでなくてもオススメ。
来週は「コワくは無いよラップの世界」と称してラップの分析。
www.tv-asahi.co.jp


高齢化

NHK一強なのは報道のジャンル。
そりゃあそうとしか。
他のジャンルではやっぱり日テレが安定して強い。

ただ一昔前のフジテレビが強かった頃のような若年層視聴者の影がとても薄い。
高齢化が、こうやってデータに現れるくらい露骨になってきた。
民放の番組が面白くないというコメントが多いのは「面白くないと感じる自分の感性の高齢化」の疑惑があるんだが、なかなか自分のことは見えない。

なにせはじめしゃちょーがCMに出てきて「なんでテレビでユーチューバー見せられなきゃならんのや」と思ってツイッターでリアルタイム検索したら「はじめしゃちょースキー!」みたいなツイートばっかりですから。
あぁ、つまりCMに起用するのはこういう層に訴えるためなんですね、と。
そりゃあ自分みたいな年齢で面白いわけがない。

今のゴールデンの番組は自分も面白いと感じないが、これは自分のような年齢層以外をターゲットにしてるんだろうと思うし、相変わらず深夜のバラエティは楽しく観てる。

先日の「そんなバカなマン」のアシスタントオーディション企画は久々に面白かった。
深夜から21:00台に移って成功した「マツコの知らない世界」は深夜のノリをキープしてる。
黒い十人の女」「脱力タイムズ」も「ゴッドタン」も面白いし、NHKではやれない。
先週の「勇者ヨシヒコ」は攻めてたねぇ。

NHKしか観ないってひとは、藤井健太郎の秀逸な演出センスを観ることはないんだろう。
「クイズ☆スター名鑑」「水曜日のダウンタウン」は今の大人しいバラエティの中でエッジィなことをやってるから時折怒られるのは仕方がないんだろうなぁ。
スーパー素人が寝てしまったときは、さすがに年齢を実感してしまった……。

ウチもNHKのドキュメンタリーは好んで観るが、だからってどれもこれもNHKにはかなわないとは思わない。
面白さと視聴率がイコールじゃないなんて昔からの常識。

民放が面白くないってひとは、単に面白いものを観ようと思ってないんだろうし、テレビに面白さを求めてない。
それはそれでいい。
テレビを観なくても生きていけるし、わざわざ無理して観る必要もない。
「テレビを観てない(どやっ)」って時代じゃないが、もっと娯楽は他に山ほどある。

ただテレビを観てないと声を大にして主張するくせに「今のテレビ番組は面白くない」だの何だの言う、あーいうのはなんなんだろうねぇ……観てないなら面白いかどうか言えないだろうに。

観てないやつの「雑感」に信憑性があるのかは永遠の謎。

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