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生物の進化に「欲求」や感情は必要ない

進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義

www.rekishiwales.com

歴史を振り返ってみると、中世の歴史だけじゃなく地球の歴史も振り返ってみると、進化できなかった生物や組織は生き延びてこなかったと思います。
進化できなかった場合は、これらの欲求が満たされなかった、もしくは持たなかったと思います。

面白い話ではあるけど、欲求により生物の進化が行われるなら欲求のない生物は進化をしないということになる。
欲求や欲望(どのレベルのものか不明だが)がなければ進化できないとすれば意識や感情を持てない生物は進化ができないということになる。
というかダーウィン的な進化とは根本的に合致しない。

書いている本人も「アホな戯言と軽く流してください」と書いているが、こういうことも「なるほどそのとおりですね!」「同感です!」などと反応があるとドーキンスマンセーな自分的にはやはり気になる。



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ダーウィニズム

まず基本的な遺伝の話。

親から子へと情報が伝わり形質が受け継がれる。
遺伝というが、これを伝える設計図がDNA。
しかしそんな形質が受け継がれて行く中でイレギュラーな突然変異が起きる。
この突然変異によって生物はこれまでと違う形質を身につけた個体が産まれる。

ところが形質は環境に適しているとは限らない。
いわゆる約5億5千年前のカンブリア大爆発で様々な生物が産まれ、そして消えていった。
この生き残った・消えた差は欲求の強さに比例したわけではない。

突然変異として産まれた形質が環境に適していれば生き残り、適していなければ淘汰される。
そんな「自然選択」が行われた結果が生物の進化。
言ってみれば生物の進化は欲求や欲望や渇望ではなく「たまたま」「偶然」「運よく」

「キリンの首が何故長いのか?」
この疑問に対して元記事のひとのように「高いところの葉を食べたいと思い(欲求)徐々に首が伸びた」という説を唱えたのがジャン=バティスト・ラマルクの用不用説
しかしこの用不用説は「親の獲得した形質は遺伝されない」などと否定される*1

しかしダーウィニズムはこれに対して「首の短いキリンの中から突然変異で首の長いキリンが産まれそれらが生き残った」という自然選択の進化論が主流になる。

ちなみに個人的に好きなリチャード・ドーキンスもまたそんなダーウィニズムに連なる。
けれど、神の存在を否定したりセルフィッシュジーン(利己的な遺伝子)を唱えたりするので神学者などから目の敵にされる。
「生物は遺伝子の乗り物でしか無い」という説がキリスト教圏において非常にショッキングなのは当然。
ただセルフィッシュジーンを用いれば様々な人間の感情も説明できたりするんですよね……。
だからこそマンセーなんですが。

さて欲求ではなく、生物は環境や外的、病気などにより淘汰され、適した形質を備え生き残った生物が次世代の種になる*2
アニメ「機動戦士ガンダム」で人間が宇宙に進出してニュータイプに進化するのは欲求ではなく、宇宙という環境に適応した人間の新たな革新なのよ、アムロ

関連書籍

進化とは意思の力ではなく、DNAのミスプリントが引き起こした。
欲求や欲望と進化が果たして一致するのかどうか。
なにせ欲望というのはあくまでも意思の中に生まれる一つの考え、感情であって考えや感情というのは脳内のシナプスを流れる電気パルスが生み出す幻想に過ぎない。それが生物進化の形質に対して影響するというのは意思や自我を過大に評価し過ぎているのではないだろうか、と思うのだが。

もちろんどれも「これが正しい」と言い切るのは難しい。
進化を確認するには時間が必要。
ひとつの仮説であれどれだけの年月をもって適切な確証実験と捉えるのか。

もし進化に関してご興味があるなら講談社ブルーバックスから出ている「感覚器の進化」と「内臓の進化」をオススメしたい。
図版も多くて理解しやすい名著。
ただKINDLEより紙の本がいいと思う(もちろん紙の本で持ってる)。

あとはドーキンスが子供向けに行った講義を書籍化した「進化とは何か」も。
こちらも図盤やドーキンスが行ったスタジオ写真が多い。
ちょうど12月20日に文庫版が出ます。

ドーキンス VS グールド (ちくま学芸文庫)
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筑摩書房
売り上げランキング: 85,427

あとはグールドの断続平衡説に関しては「ダーウィン以来―進化論への招待」も。
上記に書いた進化論とはまた異なる進化論が展開されてますが……。
グールドとドーキンスと言えば論争が有名。

元記事には他にも宇宙論なんかに関してもいろいろと突っ込みどころがありますが、あまり広げるとまた「あざなわの記事は広げすぎて本人がわからなくなってる」と言われるので、今日はこのへんに。
以上、短めのマジレスでした。

ダーウィン以来―進化論への招待 (ハヤカワ文庫NF)
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カラー図解 進化の教科書 第1巻 進化の歴史 (ブルーバックス)
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*1:とはいえ用不用説を完全に否定するのも難しく現代でもラマルクのあとを行くような進化論は存在する

*2:病気で思い出したがウイルス進化説もある。これに関してはハヤカワ文庫から出ている「破壊する創造者 ウイルスがひとを進化させた」を御覧ください