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「SMAPと平成」とアイドル時代の終わりの始まりと

SMAPと平成 (朝日新書)
中川右介SMAPと平成」を読んでる。
同時代に生きたヒトラースターリン毛沢東を並べ比較した「悪の出世学」と同じく、今作ではSMAPと平成という時代の政治や社会情勢などを並べ、そこから何が見えてくるのか?という一冊。
淡々としているが知らないことも多く、この土日で読み切ってしまった。



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SMAP

SMAPは1988年に結成。
そして1989年に平成が始まる。
ジャニーズ事務所からは光GENJIがブレイクを果たし、しかし自粛ムードが日本を覆うそんな時代。

この本では触れられていないが同じ1989年から翌90年まで「三宅裕司いかすバンド天国」が開始される。
いわゆるイカ天の放送開始。
アイドルブームの終焉が始まるのも1998年だったのだと思う。
フライングキッズ、JITTERIN'JINN、たま、BLANKEY JET CITY
中でもJITTERIN'JINNは1990年に「夏祭り」「プレゼント」など立て続けにヒットを飛ばし、たまは「さよなら人類」で紅白に出場した。
ここからバンドブームが始まり多くのバンドがメジャーデビューをし、消えていった。
そして小室哲哉によるプロデュースが始まりチャートを賑わせるのが94年のこと。
チャートを小室サウンドとエイベックス系ミュージシャンが賑わす。

多くのアイドルが消えていく中でSMAPだけは大ヒットを飛ばすこともなく、しかし着実に人気を確立していった。
80年代的なアイドルと違いSMAPはドラマやバラエティなどテレビを中心に活動。
歌番組が減った、ということもあったが、このバラエティ能力の高さと必要性はそれ以降のジャニーズアイドルに引き継がれるテンプレートになる。
「歌謡に比重を置く」アイドルから「タレントに比重を置く」アイドルへシフトしたからこそ、どれだけアイドルが冬の時代を迎えても小室サウンドに支配されてもSMAPは生き延びたんじゃないだろうか、とも思える。

1993年、木村拓哉の出演した「あすなろ白書」がヒット。
一気に知名度を上げる。
当時のanan好きな男ランキングでキムタクは圏外。
しかし翌年のランキングでキムタクは「好きな男」5位、「カッコいい男」で1位。
以降、キムタクは常に1位を獲得し続け、1996年「ロングバケーション」のヒット、同年「青いイナズマ」が過去最高のヒットとなり、さらに他のメンバーのドラマやバラエティの活躍もあって、そのグループとしての人気は不動のものになる。

「平成アイドル戦国時代」の終わり

そんなSMAPが2016年末での解散を宣言した。
SMAPが生まれ、解散するまでの間に音楽シーンは80年代アイドルの終わりとバンドブーム、小室サウンドに現代のアイドルブームへと変化したが、SMAPは96年以降一線で活躍し続けてきた。


2016年を振り返ってみて、今年の後半思いつく大ヒット曲は星野源RADWIMPSじゃないだろうか*1
ソロミュージシャンとバンドサウンド。

もちろんAKBや乃木坂、欅坂は一定のファンを獲得しそれなりの売上を確保しているが「今年アイドルソングが大ヒットした」と呼べるほどのヒットとは思えない。

どんな音楽シーンであってもテレビタレントとしてSMAPは生き延びたが、今から他のアイドルがそれを模倣してもテレビというメディアの凋落はもう止まらない。CDも売れず、テレビも見ない。
そういう時代に生き延びヒットを作るには新しい戦略が必要なのかもしれない。

ここ数年はアイドル戦国時代と呼ばれた。そんな中でAKBは勢力を増し、姉妹グループも追従、EXILEなどもファンを囲い込む中、多くのアイドルが生まれ、消えていった。
SMAPは現代のアイドルを代表する存在ではないが*2「国民的アイドル」と呼ばれるグループの解散は、もしかするとアイドル隆盛の終焉を示しているのかもしれない、と考えると何か腑に落ちた。

2017年の音楽シーンがどういう様相を見せるのかわからない。
だがエンターテイメントを主戦場にする巨大な業界が新たな局面に突入したのは間違いないと思うのだが、どうだろう?

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中川右介
朝日新聞出版 (2016-12-13)
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*1:あとはRADIOFISHや古坂大魔王なんかもいたが

*2:SMAPSMAPというオンリーワンの稀有な存在なので