読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

また近々日本が不景気になったら観直したい 映画「予告犯」

映画

筒井哲也の同名漫画を生田斗真と戸田恵梨香の共演で実写映画化したクライムサスペンス。新聞紙の頭巾を被り、ネット上に現れた“シンブンシ”と名乗る「彼」は、法では裁かれず、見過ごされがちな罪を犯した者たちを暴露しては制裁を繰り返す。

夜中にやってたので録画して観てみた。
こういう作品の場合、エンタメ的なカタルシスが最終的にないから評価が別れる。



【スポンサーリンク】



派遣切り→ネットカフェ難民。
不景気の真っ只中、山ほど産まれたネットカフェ難民はホームレスになったり、あるいは職を得ているのかもしれない。

「予告犯」の原作漫画が描かれたのが2011年から13年。
2008年にリーマンショックが起き、日本は先の見えない不景気に突入。
企業は、一斉に派遣切りを始めた。

予告犯 コミック 全3巻完結セット (ヤングジャンプコミックス)
筒井 哲也
集英社
売り上げランキング: 21,039

そういう時代背景があった上で書かれた「予告犯」が映画化されたのは2015年。
少し遅かったかもしれない。

どうしようもなくどこまでもどん底だった不景気の中で日雇い労働者まで落ちた派遣プログラマー役が生田斗真。
ネットで炎上した連中を、動画配信の予告通りに次々と私刑にかける「予告犯」シンブンシ。
そして、そんなシンブンシを追うサイバー犯罪対策室の刑事役に戸田恵梨香。

突っ込みどころは多いし、そもそも漫画チックに過剰な演出や演技も多い。
考えてみれば殺した悪人がほとんどいないのは、なかなか珍しい(流れで殺したのが一人いるが)。
何せシンブンシ名義でやったことはどれもこれもいたずらレベル。

そしてエンタメとしては、たしかに最後に待ち受けるオチでのカタルシスが小さい。
あの「小ささ」と観客を泣かせにかかる構造をどう受け取るかによって評価が変わる。

その小さいことをあえて最後に持ってきたのは、エンタメ的な終わりよりも社会問題とかメッセージ性を優先した結果なんだろう。
……ただ、だったらもう少し早く映画化しないとダメじゃないかとも思うんだが。
考えてみればネカフェ難民が集まって計画を立てて実行するわけだしそりゃああぁ言った大きさの・意味合いのものになるんだろうが。

今は景気が良いらしく、先日も億単位で設けた投資家がテレビに出演していたし、書店に行けば投資だの株だのの本が平積みされていてまるでライブドアショック前の書店みたいなので、今この映画を見てもあの当時のことを知らない人はしっくりこないかもしれない。
喉元過ぎれば熱さ忘れるのが人間なので。

もう一度バブルが弾けて、また不景気に突入したら、この映画を観ましょう。
その時なら、しみじみ心にしみると思う。03

映画 「予告犯」  (通常版) [DVD]
TCエンタテインメント (2015-12-04)
売り上げランキング: 7,646