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ロック&ボーイ・ミーツ・ガールな必見級の名作「シングストリート」

映画 音楽

立川で爆音上映すると知って行こうと思ったまますっかり忘れ、気づいたらレンタル開始。
しくじった。

素晴らしいボーイミーツガール&ロック。
これは劇場で観るべきだった。



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SINGSTREET

1985年、不況の真っ只中にあるアイルランド。
家庭の事情で三流の公立校シングストリートへ通わなければならなくなった主人公コニー。
校門をくぐって早々生徒が喧嘩、タバコを吸っているが教師は見て見ないふり。
授業中も暴れる生徒を叱ることは無い。
転校早々、MA-1着たスキンヘッド予備軍のいじめっ子に目をつけられる。

そんな最低の毎日の中、校門の前に立つ少女ラフィナをナンパする口実にコニーはバンドをやっていると嘘をつく。
「PV撮影のモデルに起用したい、連絡先を教えて欲しい」
彼女の番号を聞き出す。
そしてコニーは、友人らとともに本当にバンドを結成することになる。

BOOY MEETS GIRL

まずサントラに使われている当時のロック〜デュランデュラン、ジョイディヴィジョン、ザジャム、キュアーなど音楽はニューウェーブやポストパンクの時代。
時代はPV黎明期。


Rio/Duran Duran


In Between Days/The Cure

コニーはテレビで流れるPVを見ながらそんなミュージシャンに影響されて、化粧をしたり髪を染めたりファッションが変わったり、すぐに感化されるのも若い証拠、黒歴史。

ロックサウンド&甘酸っぱい青春の思い出と監督の半自伝的ストーリーというと「あの頃ペニーレインと」を思い出す。
どちらもメインはボーイミーツガール。

あの頃ペニー・レインと (字幕版)
(2013-11-26)
売り上げランキング: 16,534

少し大人びた少女に主人公は憧れ背伸びをしようとするがなかなか追いつかない。
しかし少年も物語の中で様々な経験をして徐々に成長する。

大人びて見えた彼女も、大人の男性に憧れ大人びて見せているだけ。
やがてそんな憧れの彼女に成長した主人公は追いつく。

社会は不況の最中、両親は不仲で離婚の話が進んでいる。
兄は弟のメンターとなって、ロックの手ほどき。
カバーをやるな、このレコードを聴け。

しかし兄もまた悩んでいる、両親の不仲に心を痛める一人。
音楽を聴くことで現実から逃避し、音楽によって救われる。

ROCK AND ROLL

この映画においての音楽という存在は希望の象徴や、自由の象徴として機能してる。
イケてないコニーはイケてないメンバーとバンドを組み、人間として成長しイケてる青年へと成長していく。

主人公らは、イケてない割に学校でのいじめ要素(目をつけられた割に、実際的な暴力は2エピソードくらいしかない)や排他されてる描写が薄いのも見やすい要素のひとつ。
そこは重要ではないということなんだろう。

神様がお前にロックンロールを与えてくれたんだ
God Gave Rock'N' Roll To You/KISS

どこもかしこも素晴らしい。
劇中で使われているオリジナルソングのクオリティも全体的に高い。
ポストロック時代だけにシンセサイザーサウンドはとても重要な要素。
ロックといえばギター、ベース、ドラムが揃うスリーピースのロックものが多い中、シングストリートはドラム、キーボードにツインギター、ベースと言った編成も面白い。

ジョン・カーニー監督は前作「はじまりのうた」も良かったが、あちらがストイックな友愛のようなものだったのに対してこちらはストレートに男女の恋愛なのでわかりやすい王道ど真ん中のキラキラまぶしい青春物語。

こんな青春なかったわ―。
ライブハウスで暴れてただけだわ―、いいなー、いいなー。

青春のその貴重さ、大切さは、遠く過ぎ去り思い返して初めて理解できる。