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俺TUEEEEが逆効果、チートでハマる地獄の戦争「幼女戦記」

幼女戦記(3)<幼女戦記> (角川コミックス・エース)

幼女戦記の3巻が出た。
「異世界転生チートで俺TSUEEE」要素に加え「おっさんが愛らしい幼女に生まれ変わる」設定まで盛り込まれ、軍服はヘルシングや欅坂の衣装で燃えたナチス風のそれ、。
第二次大戦ヨーロッパ風の異世界を舞台に「帝国軍人」として活躍する元人事課のサラリーマン、転生後は天才幼女ターニャ・デグレチャフとして戦場を駆けることになる数奇な魂の航路を描く。



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俺TSUEEE

創作物において「完全無欠な最強主人公」や「一方的に力を誇示して戦う主人公」を差す言葉としても使われるようになった。
(中略)
あまりにも設定を強くし過ぎると「最初からお前が動けよ!」というツッコミが出たり、爽快感もクソも無い展開が出来上がってしまう可能性がある為、主人公の“最強”を強調しつつ、読んでいて面白い作品にするには色々な工夫が必要になってくるだろう。
http://dic.nicovideo.jp/t/a/俺tueeee

この幼女戦記、最近よくある「異世界転生チートで俺TSUEEE」をベースにしつつ、そんな無敵チートが裏目に出るところが別格でだからこそ面白い。

なにせ時代は戦争の真っ只中。
大戦に突入する状況において有能な人材を放置するわけにはいかない。
軍としては優秀であればあるほど重宝するし重用される……つまり、あえてハードな戦線に送り込まれる。

しかし俺TSUEEEなチートアイテムであり神から授けられたエレニウム九十五式を使い、そんなハードな戦線を乗り切るターニャ・デグレチャフは華麗なる戦績を築き上げ→さらにハードな戦線に送り込まれ→戦功を挙げる→最前線へ……、という悪循環が止まらない転生人生ハードモードなスパイラルに突入せざるを得ない。
生き残れば生き残るほど、戦えば戦うほど立身出世は叶うが、戦場も比例してレベルアップしていく。

本人は、後方でのんびり、立身出世したいと願っても、国家総動員の戦争下にあってはそれも叶わず。
こちらもチートである優秀な現代サラリーマンとしての処世術を用い出世コース&閑職を狙えば狙うほど、周囲からは優秀な軍人として評価され、出世コースは辿りつつも閑職どころか「意欲旺盛で戦意盛んな軍人」として最前線へ放り込まれる皮肉。
キュゥべえ並みにロジカルでシニカルなターニャ・デグレチャフの判断が、なぜか事態を予想外の方向に転ばせてしまう。

ズレ

全編に張り巡らされたアンジャッシュばりの「ズレ」の感覚。
ターニャ・デグレチャフの現代的で保身優先、合理的なサラリーマンとしての判断と戦争下において評価される軍人としてのそれが一致してしまうのは皮肉というかなんと言うか。

神は全知全能のはずだが、残念ながら人間一人の気持ちを変えることすらできない。現代のサラリーマンの魂を弄び幼女に転生させる力はあるのに。
信仰は自発的であるべき、と言うのが神のポリシーなのかもしれない。
確かにバベルの塔はがっつり壊しても、津波で大勢を押し流しても「我を崇めよ」とは言わないのが神なのかも知れない。

もちろんフィクションとして神が全てを司りコントロールできるのであればこんな話自体成立しないわけで、全ては神のみ心にあるのだろう。アーメン。

現在マンガ版が3巻、小説が7巻。
そしてアニメが今週4話。

まだまだ先は長いですが、幼女だわ、ナチ◯スだわ、戦争だわ、チートだわ、みんな大好きなコード満載てんこ盛り。
これがウケるのは当然。
とても面白い。