果たして多くの人が「ラ・ラ・ランド」を貶しているのか?

ラ・ラ・ランド-オリジナル・サウンドトラック

もう「ラ・ラ・ランド」は飽き飽きでしょうが、ひとつ気になったので最後に。

なんだかここ数日、「ラ・ラ・ランドを批判する人が多すぎる」とか「ラ・ラ・ランドを絶賛する人が多すぎる」と真逆のことが書かれているのを見て、どっちが多いのかよく分からなくなった。

そもそもこの映画は批判されているのか、絶賛されているのか。
どちらがマイノリティ(少数派)でどちらがマジョリティ(多数派)なのか。
軽く調べてみた。



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アメリカでの評価

まずアカデミーへのノミニー数が14。
これは、既に充分な、評価がされている。
受賞結果を見ても、主演女優賞、監督賞、撮影賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞。
6冠ですからこれも評価として高い。
ただ脚本賞や、作品賞は、獲れなかった。
少なくとも賛否あろうが、既に映画の名誉は確保されている。

主に英語圏の、映画好きが評価を投稿するIMDB(インターネットムービーデータベース)の評価も8.4(評価数200,012)
ちなみに作品賞を受賞したムーンライトですら7.7(評価数92,781)
評価してる人の数が倍近く違うのもこの映画のヒットを表わしている。

La La Land Reviews & Ratings - IMDb
ただレビューの詳細を見てみると、ここまで極端な評価もなかなか珍しい。
10 or 1
賛辞と酷評が入り乱れてる。
最近、この映画の評価をめぐりネットでよく見る風景の縮図がここにもある。

ブログ(個人)

では、はてなブックマークではどうか。
個人ブログを中心にピックアップしてみると、
【賛】
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【そこそこ】
超映画批評「ラ・ラ・ランド」55点(100点満点中)

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ラ・ラ・ランドはベタなミュージカル!ネタバレと感想

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【その他】
観客やファンを馬鹿にするのはタブーなのか? - Hagex-day info

……やり始めたらきりがなくなったのでこんなものですが、比率としては圧倒的に賛が多い。
当たり前というか、そりゃあ、あの多幸感と多幸感を繋ぎ合わせてシニカルさを振り掛け出来上がったミュージカルの隙間を縫って、物語の薄さを批判するのはなかなかのこだわり。
「痛んだ物体」のひとが酷評してたのにはさすがというか、やはりというか。

観てみてわかるのが、どちらかと言えば映画マニア的、ジャズ知識ある人が辛口評価でそれ以外が甘口評価。
柳下氏もかなり酷評だったらしいと聞くし。
まぁ……だろうなぁ。
基本的に、ディズニーランドとかエレクトリカル・パレードみたいな映画ですから。

今のところ映画批評家を名乗りつつ手放しで賛辞してるのは、目に付くところだと町山氏くらいですかね。
アリコンとかLiLiCoは割愛しますが。


褒めるのが商売だから……。

マジョリティ・マイノリティ

「ラ・ラ・ランドを酷評する人が多すぎるから全力で対抗するネタバレ考察」という記事の「多すぎる」が物理的な周辺の人間かもしれないが、少なくともネット上を見ればわかるように賛辞こそがマジョリティでスタンダード。
そりゃあれだけキラキラしてる映画を「けっ!薄っぺらいわ!」と言ってしまうのって性格が歪んでるとか仲良くなれないとか言われそうなものだし、みんなハッピーハッピーな映画は好きですから。
でもキラキラしてる映画だから誉めると性格いいとか、友だちになれそうとか、その方が気持ち悪いと思うけど。
映画評は、数が多いから正しいとか、少ないから間違っているということではもちろんない。
意見は多様性があっていいし、その意見に対して意見するのもまた多様性。

ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの器用さは素晴らしいしミュージカルシーンも楽しめたが、それと映画の物語自体の出来は別。
ストーリーは正直、貧弱に感じる。

作品が徹底してダメではないからこそ、ダメな要素をジャッジするか、いい要素をジャッジするかで大きく分かれるし、どこに比重を置くのかが映画を観るときの視点の違いの気もする。

菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね | Real Sound|リアルサウンド 映画部
話題になった菊地成孔氏の批評も(さすがに書き方が悪いが)指摘してる内容は首肯できる内容も多く、映画自体に対しての見方や評価そのものはそれほど的外れではなかった。
全方位に喧嘩売りすぎだとは思ったが。
ラース・フォン・トリアー*1嫌いの菊地氏に「似てる」と言わしめるチャゼル監督の手腕たるや……。

あと「感動する!」って人もいたが、さすがにそれはまったく理解できなかった。
申し訳ないですが、感情の一部が欠落してるので……理解が及ばずすみません。

試金石

この映画をまだ観ていなくて観ようかどうしようか迷っている人がいるなら、「セッション」が一つの試金石になるんじゃないだろうか。
物語の構造は、ほぼ同じ。
塩味かハニーマスタードかの差くらいのもの。
セッションがハマったなら同じ構造にテクスチャを代えた物語が展開されるのを楽しめるかと思うし、見終わったら安心して絶賛すればいい。
「セッション」がそこそこだと思って「ラ・ラ・ランド」を観たらそこそこだった。

ともかく褒める方がマジョリティ。酷評する人は多すぎない。
※上記の数字は2017/3/9時点


【余談】ちなみにエマ・ストーン出演作ならウディ・アレン監督のロマンティックコメディ「マジック・イン・ムーンライト」やホラーコメディ「ゾンビランド」も是非どうぞ。こちらは何も考えず絶賛していただいていい。

マジック・イン・ムーンライト(字幕版)
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ゾンビランド (字幕版)
(2013-11-26)
売り上げランキング: 4,369

*1:代表作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」