容疑者:掟上今日子 西尾維新「掟上今日子の裏表紙」

掟上今日子の裏表紙 忘却探偵

強盗殺人事件の容疑者として逮捕された忘却探偵・掟上今日子。現場で血まみれの凶器を握りしめて眠っていたところを発見された彼女は、事件の記憶を忘れていた。檻の中から事件の調査をしたいと申し出た今日子さんに対峙するのは、「冤罪製造器」の異名をもつ強面の警察官・日怠井。警察官の矜持と葛藤しながら彼が選択したのは、「忘却探偵の専門家」隠館厄介に協力を仰ぐことで…?



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今日子さんシリーズ最新刊は今日子ざんが強盗殺人で逮捕され、その(前日の自分の)容疑を晴らすと言った内容。
密室の中、狂気を握りしめ死体と共に発見された今日子さんを助けるため、今日子さん信者 厄介が走り回る。

今回は、昨日の自分が容疑者という特殊な状況。
とはいえトリック自体は短編~中編くらいに使うような強度のものを西尾維新お馴染みの冗長さで引き伸ばして作り上げた作品なのでキャラ小説として読むには面白く、純ミステリとしては少し弱い。
今日子さんは、一日ごとにリセットされる探偵装置である以上、キャラクターが進化したい進歩したり成長したりしない。
サザエさんと同じ。
いつもと変わらない世界をグルグルと繰り返すループ構造。
ただその周囲に信者が集まり、お馴染みのキャラクターが増えていくことでシリーズは変化を見せる。
今作ではいつもは揃わないワトソン役が揃ったり、旧作のキャラクターが登場したり。
そういった扱いでシリーズの進歩を見せるのは、なかなか面白い。

もう忘却探偵シリーズも9冊目。
これまでの積み重ねがあったからこその一冊とも言える。

掟上今日子の裏表紙 忘却探偵
講談社 (2017-05-24)
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