オタ芸とMIXの難しい境界

アニメロサマーライブ、「コール」などオタ芸禁止を発表 - ITmedia NEWS
ライブのノリって、難しい。

たとえばスタンディングが基本のフェスみたいに、同じステージに順繰りに幾つものミュージシャンが登場するので、最前列を場所取りして、目の前で演奏してても興味が無いからと微動だにしない「ミスチル地蔵」みたいなものもそれはそれで邪魔。
一切コールもせず、踊りもせず、ひたすら突っ立ったまま聞いてるってのも、スタンディングのライブでは異物感がすごい。
椅子があるなら別ですがね。

会場内で蜂蜜やキムチを頭からかぶったり、酒の一升瓶を持ち込んで座席で割ったり、エアガンを発砲するなどの迷惑行為がネットで報告されていたほか、16年のライブでは、会場にゴキブリ数十匹をばらまいたとして、17年3月、33歳の調理師の男が威力業務妨害の容疑で埼玉県警に逮捕されている。

それに、ここまで行くと別問題。
ライブどころかこんなものは日常でもアウト。
33歳にもなって何をやってんのか。

ロックバンドの場合は過去に無法の時代があり、猫の死体をチェーンソーで切り刻んだり、ユンボでライブハウスに突っ込んだハナタラシってハードコアバンドもおりましたが、あーいうのは特殊。
線引きというか、ここまでならオッケーみたいのがある(ハナタラシはアウト)。
アイドルとコールについて、以下。



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アイドルイズデッド

アイドル・イズ・デッド

もちろん「静かに歌を楽しみたい勢」もいるでしょうが、アイドルが微妙な文化になってしまったのは間違いがない。
たとえば売れていないアイドルなんかはコールも何もなく、ファンが単に棒立ちで聴いてるなんてのは、非常にさみしい。
数少ないファンが頑張って盛り上げようとする。
アイドルの方も応援があるから頑張れる。

ところがファンが一定数になってくると今度はコールだとかオタ芸みたいのをウザいと言い出す人も出てくる。
静かに聞かせろーとか。
いやいや、静かに聞くような歌唱力で売ってないから。

もともとアイドルってのは歌唱力を問われないフォーマットだというのが昔からの定番。
だからこそコール文化なんてのも発達したと言える。

いわゆるオタ芸の発祥は近年のハロプロやAKBなどですが、どちらも歌唱力が売りではない(今のハロプロのクオリティはさておき)。
どちらかといえはももクロのように、ドキュメント的な背後のストーリー受容……完成されたエンタメではなく、未熟なアイドルが懸命に成長して行く過程を楽しむのが本質に思える。
だからライブにおいてファンは、単純に、一方的な観客として提供されるパフォーマンスを鑑賞し消費するのではなく、参加する意識が強い。
(それを逆手に取ったのが総選挙ですが)

完成されたステージを見たいのではなく、未熟でも懸命に頑張るステージを応援し、盛り上げることに意義を感じる。
その意識が歪んだ結果としてオタ芸という本末転倒な文化が生まれ、それが発展する。
しかし当然ながら、ステージと観客の関係性において主従が逆転したオタ芸に賛否が生まれるのもまた必然。

ロックンロール・イズ・デッド


※RATMなんて歌って暴れてなんぼ

ロックだって本来ならギター鳴らしてファンは暴れてるようなイメージだけれど、トップチャートにいるようなロックミュージシャンは立ったまんま聞くような「ロック」が多い。
ミスチルやスピッツ、バンプ・オブ・チキンでダイブするファンはいない。
もちろんビートルズがロックと言われながらファンにはアイドルみたいに受容された歴史もあって、それが間違いではない。

同じロックにカテゴライズされてもかなり雰囲気が異なる両者。
この辺「アイドル」にも通じる。

一概に「アイドル」と言ってもそのノリは千差万別。
どこかのアイドルにおいてのパラダイム(特定アイドルにおいての常識)が他のアイドルで通じるとは限らない。
暴れるのが前提のBiSやBiSHと言ったWACK系の、「楽器を持たないパンク」を称する激しいロック系アイドルの会場であれば、MIXやオタ芸どころか、振りコピ、コール、モッシュ、ダイブ(最近禁止されましたが)までわんさかある。

そもそもペンライト持ってない、あっても邪魔だし危ない。
たとえばBiSHのライブに行けば振りコピ、コールをしないほうが少数派。
黙って立って聞く音楽をやってない。
でも「アイドル」のフォーマットで、「アイドル」と呼ばれ、名乗ってる。
自己紹介もやるんですから。

曖昧な境界

新生BiSはファンへのお知らせとして先日、

5/29を持ちまして、

リフト・ダイヴ・サーフ・脱衣の行為を禁止させていただきます。

この行為が発見された場合は、

即座にライブ終了となります。
今後のBiSに関しまして重要なお知らせ | BiS OFFICIAL SITE

こんな発表をした。
裏を返せば「これまではこういう行為があった」ということですね。

コールの有無、フリコピで調教されてるか否かという差はあるけれど、この激しい音学もまたアイドル。
アイドルというジャンルは広義になり、そのファンを取り巻くパラダイム(応援のフォーマット)も共に広くなった。
シンガーとしてのアイドル、パンクなアイドル、テクノアイドル、ラップアイドル。

だからこそコール問題、オタ芸問題というのは一概に「全面禁止しろ」とも言いづらく、だからといって「全面解禁しろ」も難しい。
現場ごとに「MIXはあり」「オタ芸はなし」「ダイブはなし」などこまめに決めなきゃならない。
まぁ、喉がやられそうなくらい叫んでるやつは正直ウザいが。


※この特殊シチュエーション……

今回問題になってるアニメロは、出演者と客層を考えればオタ芸とかMIX禁止するのは、それはそれでありだと思いますがね。
メンツ見ても暴れる要素もないのに無理やりやるのはパラダイムが違う。
まぁ、水樹奈々のライブでダイブとか脱衣の心配は、そもそもなさそうですが(そういうファンは行かないのか)。

楽曲や会場の雰囲気と合わないMIXだのオタ芸打ちたいなら他に行ってやれ。
BiSの現場なら歓迎される。
↑こんなんですから、別世界。

アニメロは、とりま立てないくらいみっちり椅子を置くとか、スタンディング禁止の全員正座で聞けば解決。

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