暗殺の波状攻撃 VS 早すぎる名探偵 井上真偽「探偵が早すぎる(下)」

探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)

「俺はまだ、トリックを仕掛けてすらいないんだぞ!?」完全犯罪を企み、実行する前に、探偵に見抜かれてしまった犯人の悲鳴が響く。父から莫大な遺産を相続した女子高生の一華。四十九日の法要で、彼女を暗殺するチャンスは、寺での読経時、墓での納骨時、ホテルでの会食時の三回! 犯人たちは、今度こそ彼女を亡き者にできるのか!?百花繚乱の完全犯罪トリックvs.事件を起こさせない探偵!

「事件が起きる前に、未然に防ぐ」後期クイーン的問題を否定するような井上真偽「探偵が早すぎる」下巻。
これで終わってしまうのが惜しい面白さ。



【スポンサーリンク】



父親を亡くし突然、莫大な財産を受け取ることになった娘 一華。
財産を狙う親族は一華を事故に見せかけて殺害しようとあの手この手を仕掛ける。
下巻では、一華の父の葬式で命を狙おうとする親族vs事件を未然に防ぐ探偵の攻防が繰り広げられる。
なにせリミットは、この葬式。
だから親族はなりふり構わず襲いかかる。

葬式、納骨、ホテル。
この三箇所で波状攻撃のごとく暗殺が計画されては、次々潰される。

案外この「未然の計画」というのはいわゆるミステリのトリックほど難解ではなく、要はどんなトラップで事故死に見せかけるか?というアイデア勝負。
それがこれでもかと物量で押し寄せてくるのはある種、アンチミステリ的でもある。

井上真偽の小説は「その可能性はすでに考えた」に登場する殺し屋などでもそうだが、個性的なキャラ小説としてのクオリティが高いのもお馴染みだが、これが講談社タイガというラノベmeetsミステリ=ライトミステリなこのレーベルと相性がとてもいい。
この内容では多分これで終わってしまうと思うけれど、久々に終わるのが少しさみしいミステリ。
大変面白かった。

探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)
講談社 (2017-07-20)
売り上げランキング: 493