【電子書籍】電子書籍なんて無くなってもいい

電子書籍ならではの付加価値って色々あると思う。
集英社のジャンプ系コミックは、既存のモノクロのコミックに彩色しカラー版として展開中。
ジョジョの奇妙な冒険 第7部 カラー版 1

Kindleストアでは展開が無くって紀伊国屋のBookwebとかBookLive!、ニコニコ静画では配信されてる。
個人的には、ジョジョのカラー版は安っぽくなってしまっていたので、あえてKindleのモノクロ版で揃えてみたり。
アニメのフィルムコミックぽくなってしまうと言うか..。



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集英社人気コミックのリマスター版・カラー版を配信開始/公式発表pdf
リマスター版と言うのもあって、これは雑誌掲載時を再現したって感じの作り
(リンク先pdfに詳細)
青の祓魔師 リマスター版 1

これまたAmazon(Kindle)つまはじきの様相。
既得権益、既得権益。
紙の書籍の方が既存の方法論が通用するし、世間のニーズはあったとしてもなかなか本気になれない。
音楽と同じで「リマスター」って名付けて抱えた在庫で再度稼ごうという手管なのかな。




ではどういったモノが電子書籍ならではの「付加価値」になるんだろうか。
村上龍は、電子書籍の展開にかなり意欲的で紙をスキャンしただけの電子書籍では無くって、当時の原稿をスキャンして付けてみたり、坂本龍一氏書下ろしのオリジナル曲まで付いてたりする。
作家が付ける付加価値と言えばこんな感じかも知れない。
活字だけでは思い通りに展開できない小説の世界に別のベクトルや広がりを付け足す。
電子書籍の制作秘話と利益配分の仕組み -村上龍の電子書籍『歌うクジラ』
つまり定価1500円ですから、内訳(アプリでの販売)はリンク先によれば

40%:村上龍 
30%:Apple
20%:G2010 
10%:坂本龍一 
制作費:150万円
※プログラマーやデザイナーなど
※売り上げが発生してから150万円が回収されるまでは村上氏には印税は入らず、150万円を超えてから配分される

という事になったらしい。
電子書籍は紙代も流通も費用がかからないんだから安くしろ、って言ってる人は今でもいたりするが無料奉仕のボランティアで電子書籍化が進むならまだしも、容易に安く出来るなら世話は無い。

販売当時は話題になったこの小説、その後ぱったり何も聞きませんが...。



Vogueはかなり先鋭的で、服のページでタップすると価格と詳細説明の表示が切り替わったり、ムービーが仕込まれていたり、縦にスライドしたり、と電子書籍ならではの仕掛けが満載になっている。書籍のVogueは大きくて重いし、電子書籍ならではの付加価値もあるんだが、ファストファッションに押される今、Vogue Homme Japanが休刊したりなかなかに厳しいけれど(Hommeは精細も今一つだったし、あまり仕掛けも無かったけど)。


例えば「マンチェスタームーブメント」ハシェンダ全盛の当時をニューオーダーの(元)ベーシスト フッキーが描いた「ハシエンダ マンチェスター・ムーヴメントの裏側」

例えばこの「文化系のためのヒップホップ入門」。
中には多くのCDやバンド、ミュージシャンが紹介されていたりする。
これらに音楽のムービーやPVや音源へのリンク、もしくは音源そのものが仕込まれていたらどうだろう。
スクラッチ出来る仕掛けが有ったり、リミックス出来たり。
勿論、ハードもソフトも限界はあるけど、そのスペックの限界まで追求した電子書籍が今、存在しているとはとても思えない。


京極夏彦氏ら、電子書籍ビジネスを斬る/togetter


まさにこのまとめの京極氏の発言通り「スマホやKindleで読めればいいんでしょ?」なんて商売をしてながらどや顔で電子書籍元年だなんてバカバカしい。
出版社がウェブ屋のスキルを学んで(手を組んで)見せ方から考え直さないとダメなんじゃないだろうか。
電子書籍だから出来る事。
それをやらないで既得権益を守るための「出版社がやる自炊」が電子書籍の正体でしかないなら、そんなもの無くなってもいい。出版社は淘汰されてどこからか始まる今までとは違った意味での「電子書籍」にとってかわられるかも知れないし、個人的にはそれを望む。