【音楽】初音ミクはアイドルを殺すか?


SMAP中居、北野武、伊集院静が『初音ミク』について語る
この手の記事って揚げ足取りに終始するしか無いんだけどもw

中居「なんか…CGで出来てる。ま、アニメですよね。アニメで…あの出来てる歌手の方が居ると。その人のライヴがあって」
伊集院「初音」
中居「初音!あ、よくご存知。初音ちゃんっていうんですけど」
たけし「初音ちゃん」
中居「その子のライヴに一万人集まるんですよ」
たけし「CGを観に来るの?」
中居「CGを観に行くんですよ…これは(腕を組みながら)で、握手会はあるのか無いのか?無いですよね。幻想の世界ですから。それも行列が並んでチケットが取れないんですって」
中居・たけし「初音ちゃんライヴに?」
中居「これはどう…?ちょっとボクの中では理解出来なかったりするんですけど」
「若い男は女性と付き合うのがめんどくさい」の流れからこの初音ミクの流れになって「ヴァーチャルなアイドル」という一元的な考え方のモチーフとして登場しているのでかなり歪んでるってのはよく解る。
中居が「これは…」と言う度に腕を組むのも心理的に受け入れがたいと言う無意識の仕草だろうし(表情が物語っているが)、元々よく知識も無く、理解しようともしないで語ろうとしているし、想像力の欠如した偏見で終始しているのでこの人の意見は仕方無い。
中居「なんか…CGで出来てる。ま、アニメですよね。アニメで…」
この言い換えもw
この人の中の価値観って旧時代然としてて今どきステキ過ぎるなぁww
アイドル=握手会、っていう連想も「アイドルとは」っていう先入観の狭さから来てるんだろう。
とりあえずギブスンの「あいどる」でも読んどけ。

はじまり

この手のヴァーチャルアイドルの始祖って何だろう。
マックスヘッドルームなんか結構古いけど、もっと始祖が居るかも知れない。
正確には「アイドル」じゃなくって「司会」だけれど。

Max Headroom

メガゾーン23内に登場するヴァーチャルアイドル「イヴ」

[AMV][Megazone 23][メガゾーン23 I][背中ごしにセンチメンタル](宫里久美)

近年だったらGorillazとかが思い浮かぶ。

gorillaz live
Gorillazの場合、後ろにデーモン・アルバーン*1がいるのは最初から解っていたし、最近はGorillaz名義のライヴでも堂々と姿を現して歌ってたりするので、すっかりキャラがないがしろですけどw

ヴァーチャルなキャラクターが姿を現さず人の似姿で歌を歌う。
CGとぬいぐるみの差はあっても、Gorillazジゴロウ(現 白井ヴィンセント)は実は類似の存在だったりする。黒幕の方が姿を現してない分だけ(一部にバレてたとしても)貫いてる。

【sakusaku】戸塚区のうた DVD Ver
これまで多くあった
「(物理的な)人間以外のビジュアル(アニメ/CG/キグルミ)に人間の歌」
って言う組み合わせから
「(物理的な)人間以外のビジュアルと人間以外の声」
っていう完全に「バーチャルなアイドル」

勿論、そう言う存在もこれまでに色々居たんだけど、その音声と映像のクオリティが技術と共に向上し、現実の物理的な人間の姿と声に類似し始めたからこういう「ヴァーチャルと現実の境目」って言う話が出て来る。
とは言えミクは声は人現に近づいていても、姿は人間では無く「アニメ的な存在が物理世界に存在したら」の拡張(延長)なのでそれはそれで語る部分があるのかも知れない(人間に近づけて描く必要が無い)。

存在の耐えられない軽さ

かつてTVが登場したとき、誰か「こんなモノがあれば旅行に行かなくても遠いところの様子が分かるし、旅行に行く人がいなくなるんじゃないか」と思ったかも知れない。
かつてAVが登場したとき、誰か「こんなモノがあれば本物の女性と付き合わなくても良いって男が増えてしまう世の中になるんじゃないか」と思ったかも知れない。
かつてイビザ島でレイヴが登場したとき、誰か「レコードをDJが回すだけで済むなら、バンドなんて必要無くなる」と思ったかも知れない。
でも実際はどうだろうか。

ヴォカロの声は一種の楽器であって、それはいわば「クラシックを聴きに行く観客」と変わらない。
「歌」のようであって「楽器」だけのコンサート。
この手の話になると「ぬくもり、人の暖かさ」みたいなよく解らないクラシックな幻想がセンテンスとして登場するんだけども、そもそも人と人のぬくもりの距離なんてとっくに失われている。
テクノ、ハウス、アンビエント、サンプリングだらけのダブステップ。
新しい音やその価値観が生まれる度に、無駄な「生音信仰」っていう旧態然な価値観も生まれる。

この街では誰もが神様みたいなもんさ。
いながらにしてその目で見、その手で触れることのできぬあらゆる現実を知る。何一つしない神様だ

PATLABOR2THEMOVIE

かつて人は自分の手が届く範囲の情報しか手にしていなかった。
時は経ち、手紙によって情報が届けられ、ラジオの電波と音声が取って代わり、電波は音声から映像へと変わった。
その仕組みは複雑化し、今や端末によって様々な情報を操ったり、ヴォコーダーみたいだった音声も表現力を得て今の初音ミクまで来る事が出来た。
これから先、たわごとみたいな「声のぬくもり」や微細な機微も付与されて行くかも知れない。
だからって歌手の存在が無くなるのか。
人間の歌が存在しなくなるのか。
もし「歌う事」が必要無くなり「歌う事のへの欲求」が無くなり、「歌を聴きたい気持ち」が無くればそうなるのかも知れない。
でも「人間の歌に取って代わるか」といえば果たしてどうだろう。
そんな短絡的な発想しか浮かばない人間は、いずれいなくなるだろうけど。
必要があれば残るし、必要がなければ無くなる。
ただそれだけの話。

それが可能であればどんな技術でも実現せずにはいられない
人間の本能みたいなものよ
代謝の制御、知覚の鋭敏化、運動能力や反射の飛躍的な向上、情報処理の高速化と拡大・・・
電脳と義体によって、より高度な能力の獲得を追求した挙げ句、最高度のメンテナンスなしには生存できなくなったとしても、文句を言う筋合いじゃないわ

攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL



Mana / SUPERNATURAL(PV Short ver.)

*1:英国バンドBLURのヴォーカル