アニメ・漫画とファッションの融合

脱ヲタはファッションを気にしなきゃいけないらしい。
実際付け焼き刃のファッションなんて上っ面ですぐにバレるもんだが、それでも服を気にしないよりはマシなのか。
それにしてもファッションって言うのは簡単に捉えられてて、最近無難な着こなしをすればそれで脱ヲタのファッション完成。服を気にしてる、オシャレだみたいなことになってる。ふざけんな。
それはファッションじゃない。
ただ服に気を使い始めただけ。
ファッションってのはそーいうもんじゃない。


無難はオシャレじゃないしファッションでもない


無難な格好したければユニクロ行って上から下まで揃えればそれっぽくなる。
冒険しないで色は無難な組み合わせで。
サイズ感だけ気にして少しタイト目にすれば良い。
ダブついて楽な服を選ぶからオタクっぽく見える。
変にファッション雑誌に感化されて
「スキニージーンズが良いのか?!」
っていきなりスキニーを履いたらタイツ履いてるみたいにヒドい事になったり、だからって極太のデニムも、裾をだらだらアスファルトに引きずって糸を垂らしまくったデニムで街を歩いてるのも痛々しい。
ダメージのデニムは良いけど、ダメージの具合やエージングがわざとらしかったりダメージがヒド過ぎて裏布も無しで膝が見えまくってるのに上はキレイ目を着て完全におかしな事になってたり、尖った靴とかスタッズのベルトとか危険球ギリギリなアイテムを格好良いって勘違いしてみたり、クロスの付いたネックレスを下げてたり。

冒険はしない。判ったら、そう言う冒険をしてみれば良いんじゃないの。
徐々に一つづつ。
一点豪華主義で他はユニクロでも夏ならシャツだけ気合い入れて高めのヤツにするとか、冬ならコートに気合い入れてみるとか。
それも変なドメブラじゃなくって、バーバリーブラックでもなくって、グローバーオールとかマッキントッシュとか。
半端なところで手は打たない。妥協はしない。
そうやって、今度は足下をジャランスリワヤ辺りの安くて堅実なとこから始めて、トリッカーズとかチーニーとか色々広げて行けばバリエーションも出来てくる。リジットのデニム買って育ててみても面白い。

(ジャラン・スリウァヤ) Jalan Sriwijaya BEYES別注スウェード・チャッカブーツ/16088 トープ 26.0/7(ジャラン・スリウァヤ) Jalan Sriwijaya BEYES別注スウェード・チャッカブーツ/16088 トープ 26.0/7



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手塚治虫xLACOSTE Live!


この前ラコステが手塚治虫作品とコラボしたとかでTシャツやポロシャツに手塚漫画をテクスチャみたいに貼り付ける作品を出すんだそうだ。
なんかサンローランがアート作品を服で表現したり、ラフシモンズがブライアン・カルヴァンの作品をTシャツにしたりしたのを連想したが、随分とレイヤーの違う話だと思う。

あれって誰が着るんだろう?
昔、大竹伸朗の『ニューシャネル』Tシャツを着てた事があったが、あれにしたって大竹信朗ってわかってるならまだしもわかんなければ、変な書体のただのネタシャツに見えるし、リリーフランキーとかYOUとかいわゆる「ファッション的にオシャレとされる芸能人」が着てたからオシャレっていう変な認知のされ方をしてた気がする。


アートとファッション


アートはそれ自体が完成している。
それをTシャツにはめ込んでもそれはTシャツがオシャレなわけでは無くて完成されたアート作品とTシャツの相性が良かっただけだろう。オシャレとはアイテム単体でも無くて、色とデザインの組み合わせと体格とのバランス、サイジング、あとは他人にはどうでもいい小さなこだわりだと思う。

丁度、フランシスベーコンの特集を観ながらこれを書いてるが、フランシスベーコンの画は幾つもの写真や絵画から引用して、組み合わせて独自の世界を作り出してる。
服もそういう足し算や引き算をする事で一つのアイテムのデザインを昇華させなきゃいけない。そしてアイテムとして完成したものを組み合わせて更に完成させる。引用してそれを貼付ければ完成、それはファッションとしては三流だろう。

美術手帖 2013年 03月号 [雑誌]美術手帖 2013年 03月号 [雑誌]
美術手帖編集部

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ラコステもデザイナーがルメール*1の頃は、随分と洗練されたものが多かったのに。
80周年記念ポロも今ひとつ惹かれない。
ブラックジャックとラコステLive!のコラボポロ
デザインは大矢寛朗。
確かに漫画とファッションのコラボとしてよく出来上がってるけど、これって誰を意図してデザインされてるんだろう?多分アニヲタが着るにはデザインが凝り過ぎているし、あえてこれを選ぶ理由に欠ける。ファッション好きはわざわざこれを選ばなくてもL1212の日本企画*2でもSHIPSとのコラボでも買えばいいんだし。
こだわる人はフレラコ*3買えば良い。
今年は確かどこかでやってんじゃなかったっけ?


融合?競合?妥協?


アニメ・漫画とファッションの融合。
ヲタならもっとイタい感じのヤツの方が良いだろうし、服を気にするなら手は出さない。
聞こえは良いが完成するものは洗練されて普通に「着れる」モノに仕上がってる。
だからってあえて選ぶ理由がどこにあるのか今ひつと判らない。
フランシス・ベーコンが好きだからフランシス・ベーコンがプリントされたシャツを着る?
なんか違う。
それってミュージシャンが好きだからバンドTを着るのと同じ発想だろう。
やっぱりファッションじゃない。
村上隆がヲタク文化をアートに昇華出来たんだか、単にヲタク文化に疎い評論家を騙し切ったんだか知らんけど、マーク・ジェイコブスも気に入ってヴィトンのモノグラムに取り入れたのは有名な話*4だけれど、だからってあれがヲタク文化とファッションの融合とは思えなかった。
どちらかがどちらかに寄せないとやはり成立しないのか。
どちらもそれなりに主張し合って、それなりに成立する。
マルジェラはアートとファッションの融合をかなり成功させてたように思うけど。

まぁ、今のところアニメや漫画とファッションが融合しているものは見かけない。
ごろごろしてるのは服の上にテクスチャとして単に貼付けただけのもの。
つまらない。

ちぐはぐな身体―ファッションって何? (ちくま文庫)ちぐはぐな身体―ファッションって何? (ちくま文庫)
鷲田 清一

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*1:http://www.fashion-press.net/brands/16

*2:身幅が細めになってる

*3:フランス製ラコステポロシャツ

*4:http://allabout.co.jp/gm/gc/191088/