「燃える」ハ○ト戦記

かつてモーセは「主よ、あなたは、なぜこの民を酷い目にあわされるのですか?何のためにわたしを遣わされたのですか?」と主に問いかけたと言う。

私も同じ事を言いたくなった。
どうして私を酷い目にあわせるのですか?
何のために私にこんな状況を...。


かつては私も大きな部隊に所属する一兵士だった。
その部隊に居た...上司の不条理な、年上である、経験が長いと言う、ただそれだけの理由でのわかったような口ぶりでの説教と上から目線での私を見下した意見。
私はそれに耐えられず新たな世界へと飛び出した。
私には力があった。
そんな上司に見下される理由など何もなかった。

選ばれた存在である私は他人からは確かに理解されにくいかも知れない。
誰もが口を閉ざして言えない事を私は大声で叫ぶ勇気がある。
ライターとしての高い能力、勇気、そして他人からの批判に対抗できる意志と見識。
それが私の武器だった。

縦横無尽にそれを振るい私は戦った。
「社畜と家畜を比較する!」「誤読を恐れるな!」
「年収15○万円で自由に生きるんだ!!」
「プロブロガーとして生きる方法」「ノマドに栄光を!!」

言いたい事を我慢している大勢の若者、私はその代弁者だった。
私の書きなぐる言説は話題となり、各所で絶賛された。
軽やかな言葉で編み出す私の隙のない論理と斬新な意見。
辛辣な目線や人々を驚嘆させる価値観。
それは今までに無い新しい生き方・考え方の提案だった。
確かにごく一部で抵抗はあったがそれは大した障害にもならなかった。
ごく一部の反乱分子なんて歯牙にもかけない程度の存在でしかない。
私が記事を書けばアクセスは集まった。
ホットエントリーとして認識され、最も熱く燃え上がった。
それが私の力だ。
あの観察者として有名な某氏すら私と直接対決をして敗北を認めた。
言説で私に勝てるものなど居る筈が無い。
私への侮辱など許さない。
アイスアメリカーノが口の中に広がって行くのも心地よかった。
かつてはそうだった。


どこで道を誤ったのだろうか。
今やその燃え盛った炎が尽きようとしている。
以前は熱く拳を交えたたゴトウ氏も映画と西友のポスター中心になってしまった。
バスプラ*1などどうでもいい!
もっと私を見てくれ!!!
言いたかったが遅かった。何がいけなかったんだ...問いかけても答えはでない。
「アンチの皆様ご苦労さまです」
「悪口に負けずにブログを続ける方法」

ウィットに富んだ私の言葉で何度煽っても反応は無かった。
しかし私を信奉してくれる仲間たちと共に私は戦わねばならない。
私が負けるという事は全ての希望の終焉を意味するのだから。
私こそが見本となって後に続く者たちへ道を切り開かねばならないのだから。

「意識が高い学生にならないために」
私を信じそして信奉してくれる若者のこの記事は、私のところへブーメランとして必ず帰って来る筈だ。
そして私はふたたび燃え上がるだろう。
燃え上がる事で私は輝ける。
パンダ*2だろうが恐れるものではない。
だからこそこの記事は読まれなければならない。
さぁ、読んでくれ。
そしてブクマしてくれ。
人気エントリーに登場して「お前のブログに載ってるだけでブーメラン」だとコメントをするんだ!
「意識が高くならない?あなたみたいにならないって事ですね?」
燃やしてくれ!
PVを!もっとPVを!!
身を焼き尽くすような大きな炎を!!!


打ち捨てられ、見放されたインターネットの片隅。
キーボードを打つ指は既に凍りついていた。
...薄れていく意識の中、ハヤトは思った。
もっと、もっと燃やしてくれ、と。

※この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称は架空のものです
※ゴトウ氏名前使用許可確認済です。快く許可頂きありがとうございました

*1:バスケットプライス

*2:Googleが実施する検索アルゴリズムアップデート。パンダアップデートの事