筋肉少女帯の「公式セルフカバーベスト 4半世紀」聴いた


筋肉少女帯の「公式セルフカバーベスト 4半世紀」
四半世紀、って言われてしまうと大槻ケンヂオールナイトニッポンを聴いてたり、チェリオのCMで「オレにチェリオを飲ませろ」ってタイアップやったかと思えばアルバムに「タイアップ」って曲を入れて自虐して見せて尖がったりしてたのに、気付けばオーケンは小説家でSFの賞まで獲ってすっかりサブカルで食ってて、顔のヒビ割れも書かなくなって、同じナゴムのケラはフランクブラックみたくなっても緒川たまきと結婚してすっかり舞台の人で「え?あの人バンドやってたの?」なんて世代もすっかり大人になってて、電気グルーブはテクノ界で権威になってて、ホント時代を感じるし歳をとったもんだよ。

ロックってやっぱりユースカルチャーだろう。
オヤジを自覚して否定したい人はすぐに
「オレはまだまだ若いんだ!ステイヤングだ!」
バカな発言をしちゃって、それがすっかり勘違いで寒々しいと気づかない。
歳とか関係なくいつまでもロックはロックなんだよ、って言えるニールヤングみたいのは素敵だろう。

That keep me searching for a heart of gold And I'm getting old

Heart of Gold/Neil Young


「オレはまだまだ若い」なんて言わない。
若い頃に鳴らせなかった音を鳴らせる。
着実に経てきた時間が刻んだ年輪がそこにあって、若い頃は勢いやテクでごまかしてた部分が徐々に誤魔化せなくなって、でもそういう部分を受け入れて新しい表現に繋がる。そういうレイヤーもあるんだ、と。

そうですね。いまの筋肉少女帯に関しては、橘高(文彦、ギター)さんが引っ張ってくれてるところが大きいんですよ。彼はもう、ハード・ロック原理主義者ですから。今回のアルバムね、完全にハード・ロック・バンドの音作りだと思うんですよね。バスドラが細かく聴こえてくる感じとか。それを聴いて〈あ、いまはそういうふうになってるんだな〉って知ってるっていう。音的な部分に関しては、あんまり関与してないんです。メンバーを信頼してるので

INTERVIEW マスタリングは超能力の世界/bounce


インタビューで答えてるようにかなり橘高氏の超絶ギターが鳴りまくってて、そもそも筋少ってハードロックだなーって再確認。
大槻の声はやっぱり若い頃ほど出なくなってて、特に高音域がきついのかな、少し抑えめ。
セルフカバーと言うよりもアレンジもそれほど無いし再録の方が近いんだろうけど、一度解散もしてるし、だから解散前は別のバンドとしての「カバー」って認識なのかも知れない。
新曲「中2病の神ドロシー」は、これまで聴いていたバンドが全て虚構だったら?というまるで押井守みたいな歌詞世界。
ハードロックバリバリのリフに大槻の星雲賞までとった世界観が筋少の持ち味。


筋少のメンツは歴代技術的に高いんだけど、その中でも橘高の超絶変態ギターは一番好きなんすよね。
あの髪でお父さんやってる私生活も面白い。


四半世紀~25年を経て来たバンドのベスト盤的内容。
すべて新録で「今の筋少だからこそこういう音になる」現在進行形のベテランバンドの味が詰まった一枚。
入門編としてもバランスが良いし、これまで25年間筋少を聴かずに過ごしてきた人が聴きはじめるのに丁度良いし、25年間聴いてきた人にも「オレと同じだけ時間を過ごしてきたんだものな」としみじみなれる一枚。
ロックって面白い。
若い時より、年を取ってからの方が面白いのかも知れない、最近そう思う。

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筋肉少女帯

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