TGCは何故ミクと迎合するのか?



たまごまごさんのツイート。
北海道のファッションショーに云々は札幌コレクション2013ですかね。
http://www.sapporo-collection.jp/
LIVE ACTの欄に初音ミクの名前がある。
清水翔太とか初音ミクゴーリキーなんかも歌ったりしてたらしい。
TOKYO GIRLS COLLECTIONの延長線上にある。
ちょっとこの辺をネタに記事を一つ。


でもそれ以上にケンドーコバヤシが出ていて、それの方がびひった。ファッションショーだぜよ?
TOKYO GIRLS COLLECTIONの同軸線上なら許される事ですよね。
ファッションショーであってランウェイショーでは無いファッションショー。


服は何故音楽を必要とするのか?


まず音楽とファッションに関してもTOKYO GIRLS COLLECTION(以下TGC)とその他の近しいショーは異色で、その辺りの詳細は菊地成孔氏の「服は何故音楽を必要とするのか?」を読んで頂くと少し判る。
服は何故音楽を必要とするのか? ---「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽たちについての考察 (河出文庫)服は何故音楽を必要とするのか? ---「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽たちについての考察 (河出文庫)
菊地 成孔

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ランウェイの上を歩くモデルは、流れる音楽とリズムを無視して、そのリズムからズレたレイヤーでウォーキングをする。

色々なコレクションを見てても散見できると思うんですが、TGCは違う。
音楽に合わせてモデルが歩き、バラエティ番組で見るような司会者が出てきて、お馴染みのタレントがモデルをやって、観客に向かって手を振る。


理想化自己対象


動きと音楽がばっちりシンクロしている、ディズニー映画のような状態はとても幼児的でエレガンスに欠けるという。
確かに、エアロビクスやチアリーディング、共産圏のマスゲームなどは良い悪いは別としてエレガントではないかも・・。菊地氏はこの様な内容を某大学でも講義していて、そこではファッションショーの映像に色んな音楽をBGMとして合わせてみるという実験をしていた。
やってみると、どんな音楽でもそれなりにファッションショーと合ってしまうのだが、再生速度を調整してウォーキングのリズムに合わせた音楽をBGMにしてみるととても違和感が。
モデルの動きが滑稽に映り、服まで何となくコスプレに見えてきてしまうのだった。
リズムを無視したウォーキングが、ある種のエレガンスをショーに与えているという指摘も説得力を持ってくる。
モデル達の、BGMを意に介さない冷淡ともみえる堂々としたキャットウォークは、音楽に隷属しないブランドの強い主張を静かに表現しているのかも知れない。〈words : 永塚大輔〉

http://www.tokyofashion-weekend.com/archives/2300


いわゆる旧来の「ランウェイ」では音楽に合わせて歩かないことで、音楽とも観客とも別のレイヤーにモデルは存在する。ランウェイを歩くモデルたちは目の前にありながら外界と切り離されている。その音のズレが世界とのズレを象徴しているように思える。
美しく行進するガラスケースの中の人形。

しかしTGCでは、そんなズレが無い。
音に合わせて歩き、踊り、歌い、観客に手を振る。
雑誌でよく見るあの憧れのモデルが、目の前で着ている服をスマホやケータイでその場で購入する事が出来る。
そういう仕組みを盛り込んでる。
よくカリスマ店員とか言うのがあるがあぁいう
「これアタシが今着てるのと同じなんですけど~」
「これって○○さんが着てたのと同じデザインのやつなんですよ」

と同じ心理。
シロクマ先生なら“理想化自己対象”と呼ぶか、

残念ながら、間近な人物を理想化自己対象として体験出来るチャンスに恵まれない人が世の中にはかなり存在している。その欠乏を埋めるかのように、メディアコンテンツの向こう側には沢山の理想化自己対象が登場し、“商品としてパッケージ化され、販売されている”。

4.自己愛を充たしてくれる対象を「自己対象」と呼ぶ/汎用適応技術研究


ズレの無さは目の前のランウェイとの距離感を狭め、一体感を強めてみせる。
同じ音楽を聴き、同じリズムを刻み。
日本人は、欧米人に比べ西洋音楽のリズムの捉え方が鈍いんです。
なんでもすぐ手拍子するでしょ?基本的にあのリズムは音頭と民謡
なんですよ。 音楽的にいうと、拍子の頭でしかリズムが捉えられない。
これに対し、ヨーロッパは裏拍から音符があります。これをアウフタクト
といいます。ベートーヴェンの交響曲が良い例。
アフリカ系アメリカ人の歩行リズム は三連符と言われています。歩き
自体がリズムなんですよね。だからカッコイイ

http://brandbanzai.seesaa.net/article/90485154.html

国内ポップス系のライブに行くとよく判るが、ボーカルが歌ってるところではキャーキャー言ってても間奏のギターでは微動だにしない。
音では無く歌しか聴かない、聴いていない。
リズムは拍子の頭(表打ち)でとるのが基本。アイドルのコールなんかも表打ちが基本で、だからももクロの「ゲッダーン」みたいな裏打ちのリズムだとコールは難しいし乗せづらい。

モデルがリズムを無視して歩くよりもリズムに合わせて、表打ちで歩くのが見ていて気持ち良くて、自分も乗れる。一体感を感じて、世界を同期させてそれが購入に繋がる。乖離したランウェイの向こうでは無く、ブラウン管の向こうでは無く、地続きのランウェイが目の前にある。
見ず知らずの初めて見る言葉の通じないモデルでは無く、お馴染みのタレントや、お馴染みのモデルがそこにいるから余計に感情移入できる。


だから東京コレクションにケンコバが出るなら(ヨウジは別として)かなり違和感があるけれどTGCとその類似ショーなら違和感はないんですよね。そもそものショーとしての存在自体が違う。
だからミクでも問題は無い。
ランウェイが、あくまでもランウェイでしかない通常のコレクションでは日常のブラウン管で観る「お馴染み」の存在に違和感を感じても、エンターテイメントになっているTGCでは違和感はないんじゃないかな、って思うんですよね。
あくまで個人的見解ですけれど。

「いいね!」時代の繋がり―Webで心は充たせるか?―「いいね!」時代の繋がり―Webで心は充たせるか?―
熊代 亨

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