・Kindle本を読んでみた~アンドロイドは電子書籍の夢を見るか
http://diamond.jp/articles/-/37321
読んだ。
先日、かの『ブレードランナー』(1982年公開[*1])の原作でもある『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』をAmazonのKindle版で読み終えました。電子書籍を完読したのはこれで2冊目です
書かれているのは「発想力」「決める力」「生きる力」がテーマの教授さま。
電子書籍を二冊だけ、しかもiPodTouchのKindleアプリで読んだ上で
結論としては「ありえる」でした。書籍の価値はその文字で示された内容にあり、それはリアルな紙の本(以下、紙本)も電子書籍も同じ。でも電子書籍のほうが、満員電車の中では圧倒的に便利でした。首都圏の通勤電車に乗っている(*2)間、音楽とともに楽しむのに、電子書籍は最高の友でした。こんな事を言いきってしまわれる。
でも、それだけでした。
極薄超軽量の電子デバイスの中に収まる『電気羊』は、それ以外のとき私に訴えてくることはなかったのです。電子ゆえに存在を主張せず、それゆえに存在感がない。それが私にとっての電子書籍でした
いやはや素晴らしい、さすがは大学教授。
ここからフォントの話になる訳ですがそんな事はどーでもいい。
気に入らなきゃ読まなきゃ良い。
そんなに魅力的なフォントが好きならそれを実現するアプリでも作るか、紙の本を読んでればよろしい。
「でも、それだけでした。」
その“それだけ”が大事だっていうのに。
電子書籍の何が良いか?
たった二冊読み終わった経験を元に
電子ゆえに存在を主張せず、それゆえに存在感がない。など言ってるなら電子書籍なんて今後読まなくていいと思いますよ。
それが私にとっての電子書籍でした
アルバイトを数日経験して
「あの業界って言うのはさぁ」
て言ってるのと変わらん。
読書体験に学歴なんて関係ない。
勿論、Kindleにも良い点悪い点があるし、だからって
「電子書籍とは...」
なんて風呂敷を広げるつもりも無いんだけれども、Kindle Paperwhiteを国内販売開始した日に買ってずっと使ってる人間として、Kindleを使っていて実感する便利な面だけを(「電子書籍を」ではなく)書いてみたいと思います(なので以下にDisりは無いです)。
持ち運び
Kindleの最大の利点は持ち運びの良さだと思う。Kindle Paperwhiteの利点は軽くて薄い。
そして安っぽいし読書の単機能に絞られている。
これが複数の機能が必要なタブレットなら色々なスペックを求めてしまうんだが、読書に特化しているせいで本さえ読めればいいしそれ以外を何も望まない。
そういう「読書の道具」としてとてもいい。
安っぽいし、傷つくのをあまり気にせず使える(一応フィルムは貼ってるけど)。
紙の本だと曲がるのが嫌なのでいつもカバーをかけ、ポーチに入れてページが折れたりしないようにしている。ハードカバーだと分厚くてとても重いし、ソフトカバーだと傷がつく。本の隅を平然と折るような人間なら紙の本で良いんだろうが、折ったり曲げたりがとても嫌いな自分としては折れも曲がりもしないKindleはとても向いてる。
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「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」はとても面白いが700ページ。
ハードカバーで分厚く重い。
京極夏彦なんかもそうだろう。
寝転んで読んでても手が疲れるし、電車で立ったままはなかなか読めない。
だけど電子書籍なら分厚さは関係ない。
ハードカバーから電子書籍に買い替えるか迷ってる。
バックライト
最近、寝る前によく読んでる。明かりを消して寝転がって、バックライトで読んで、眠くなってきたら切って寝る。
暗い中でもスタンドライトなどは必要ない。
しかも光り方がタブレットと違って柔らかいので少し読みやすい。
そういうのも利点の一つだろう。
真っ暗な部屋でトイレに行くときの照明としても、一応使える。
(光量が少ないのでお勧めはしません)
購入手段
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しかし読み終わったのが丁度夜中だった。
あるいは外に出る気も無い。
そういう時に今までなら諦める。めんどくさいし、今度でいいや。
でもKindleだと買えてしまう、残念ながら。
そういう心理障壁が低くなる。
ちなみに今朝も一冊買った。
金曜の朝はいつもAmazonのKindleセール本コーナーを見る。
そしてその時たまたまポイント還元(実質半額)なんてなってたら購入を迷う理由がまた減る。
クリック一つで好きな本を好きな時に。
しかも本屋より安く買える。
勿論、古本の方が安いが、確実に手に入る。
積読
読んでいない本が、どんどん積み上がってゆく様はいとをかし。しかし電子書籍にはそんなもん関係ない。
何冊買っても積み上がる事は無い。
タブレットに入りきらない?
大丈夫。クラウドに入れておいて端末から削除しておけばいい。
読みたい時は端末にダウンロードして読めば良い。
途中まで読んで、次の本を読み始めて、すっかり忘れる事も多い。
ふとした瞬間に
「あ!あれ買ってたし途中までだった!」
なんて事はよくあるけど、もう読み返す順位は下がってるからとりあえず新しく買った本を読み終わってから、と思ってるうちに再び忘却の彼方。とりあえずしばらく読まないし端末から削除しとくか、なんてなったら次にお目にかかるのはいつの事やら。
いとをかし。
片手で読める
電車の中。座席に座ってるならまだしも立っていることも多い。
そんな時に、文庫本やハードカバーのページをめくるのは結構大変。
片手は吊革、片手は本。
ページの端まで読み終わって吊り革を離してページを...って時に限って急ブレーキなんて事もあったり。
京極堂を読むのはある意味筋トレ。
そんな時にKindleだと片手で楽々読める。
右手で持つなら画面をこするようにすればページが送れる。
左手なら画面左端をタップすればページ送り。
端末を選ばない
あ!Paperwhite忘れたわ...。なんて時でもiPhoneがあれば読める。
どこまで読んだかも同期されるので続きから読める。
鞄を持たずにぶらぶら出かけたい時にPaperwhiteだけ持って出るのは随分面倒で、しかしiPhoneがあれば事足りる。
マンガはPaperwhiteでは読みづらいので、ウチの場合Nexus7で読むことが多い。
活字はKindle Paperwhiteで。
iPhoneはあくまで電車の中なんかで「タブレットとiPhone両方持って立ってるのは大変」な時にiPhoneを代替えで使う。
小さい画面は読書にはあまり向いてない。
いつでもどこでも。アプリをインストールした端末があればその場で読める。
まとめ
二冊こっきり読んだ経験で電子書籍を解った気になって「電子書籍に対して足りない魅力とは」なんて語ってるのを読むより、実際に買って使ってみれば判る話。Kindle Paperwhiteなんて高くも無いんだし。安っぽいし、使ってれば多分壊れそうな雰囲気もある。でもだからこそツールとして気兼ねなく使える。
iPadだと落としたらどうしようとか色々考えるけど。
電子書籍が、嫌いなら読まなきゃ良い。
別に誰かが読めと強要している訳でも無い。
紙の本だっていくらでもあるんだし。
電子書籍の夢を見るか?
そんなもんは知らん。
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