エロを主力にするフリーなネットは潰れる。そして村西とおる

※記事を読む際、「cv村西とおる」でお読みいただくと違和感なく読めるようになっております

紳士淑女の皆々様。
おまんたせいたしました。
今回も皆さん、期待を大きく大きく膨らませてお待ちかねの“あの”話題でございます。
あの話題、
そう、そのものズバリ“エロ”のお話でございます。

・エロ本を主力にする書店は潰れる。そしてブログ論
http://amazondj.hatenablog.com/entry/2013/10/29/081117
わたくしの見解では潰れかけの本屋は雑誌だけを扱う印象だったのですがどうやらそうでは無さそうでございます。
とはいえ、今やエロもネットの時代。
活字の本が売れないのと同じく、エロ本もまた露と消えゆく運命。
かつては街角にビニ本の自動販売機があり、昼間は銀色で中が見えず夜になるとべったり化粧をした女性の裸体が描かれた本が並んでおりました。
道端には誰が捨てたとも分からない薄汚いエロ本が落ちていて、子どもはそれをこっそり持ち帰り隠していたものでございます。
テレビでは、家族だんらんのお茶の間に上半身裸の女性が出てきたりお色気シーンになると気まずい雰囲気になり、何とも言えない沈黙やお父様の咳払いだけが聞こえたものでございます。
新宿大ガード下に堂々とエロ本屋があり、歌舞伎町やその他周辺に海賊盤街があり、裏ビデオコピー屋が軒を連ねていたのも今は昔、エロの九龍城と化していたアウトローな時代はもはやございません。
テレビは健全になり上半身裸の女性を見ることもなく、エロも過激さもどこにもございません。
潔癖で健全で何か違反が少しでもあればケチが付き燃え上がる社会。
それが現代でございます。

そんな健全な社会と未だに混沌なインターネット。
いまはこの二つに別れてしまっているのでございます
ですからそのような「清潔で潔癖な現実世界」でエロ本が売れる道理はございません。
消えゆく直前の書店がエロ本を並べようとも消えゆく運命は変わらないのでございます。


しかしエロと言うのは大変な力を持っております。
かつてビデオテープ戦争と言うものがございました。
家庭用にビデオデッキが普及し始めました昭和の頃。
ソニーが打ち出した「ベータ」という規格とビクターが打ち出した「VHS」という規格がございました。
相反する二つの規格。各社こぞってどちらかの陣営につきはたしてビデオデッキはどちらの規格が支配するのかと言う戦いの命運を握る一つの要因がエロでございました。
当時、始まったレンタルビデオにおいて「エロビデオ」はとても力を持っておりまして、そのエロビデオがVHSで発売されたのでございます。
かくてビデオ規格戦争はVHS陣営が勝ち名乗りを上げたのでございます*1
VHS陣営の皆様方もきっと股間を大きく膨らませて万歳三唱されたことでしょう。

世に監督という仕事が沢山あるけれども、
たとえ長嶋監督、黒沢明監督といえども、
アダルトビデオ監督には負けるだろ、
と本気で思っていたのでございます。

しかし、この身の程知らずの思い込みは
1996年のテレビ朝日の深夜番組で正夢となったのでありました。

監督という職業で今後期待できる監督は誰ですか、
生番組のアンケート調査で
長嶋監督を抜いて手前どもが一位になったのであります。
その一位の理由は長嶋監督が現場に復帰しても何も期待できないが、
村西監督なら何か凄い事をやってくれそうだから、でありました。

恐喝が大好きな女たち(AV監督・村西とおる

今やインターネットで卑猥な言葉を検索すればすぐに無修正な動画が見られる時代でございます。
ツイッターでは婦女子が「くぱぁ」な股間の写真をアップロードし、Vineではマイクロエロ動画で金髪の女性らが裸を無料で披露しております。

そのようなご時世ですからエロビデオ業界も栄枯盛衰。
盛者必衰の理からは逃れられないのであります。
持ちえる過去のアーカイヴや様々な手練手管を遣い女体を責めるがごとくにインターネットにおいてエロの居城を築かねばなりません。

どれだけ人間が進化しようともエロだけはついて回るのでございます。
業界が決して無くなる事はございませんが、業界の再編は考えられるのでございます。

今の世の中、何事もフリーの時代。
ネットではフリーで動画が見られ、フリーで男性方は自分を慰めることも出来るのでございます。
しかしこのようなフリーが果たしていつまで続くでしょうか。
隆盛を極めたエロビデオは衰退し、DVDに代わり、ブルーレイに代わろうとしていますがレンタル業界も縮小し、いずれはネット配信にとって代わるでしょう。
そしてネットが主戦場になればそこでの違法な“フリー”のエロは業界の敵になるのでございます。
権益を守るために様々な業界が本腰を出せばネット上のフリーはことごとく消えゆくのでございます。

・FC2,Incに対する訴訟提起に関するお知らせ
http://www.ippa.jp/news.html
先日、ネット上のエロ無法地帯FC2に対し業界団体が訴訟を提起したニュースが流れました。
これを聞きましたわたくしめは「いよいよはじまったか」と終わりの始まりを感じたのでございます。
かつて石原都知事が「歌舞伎町をキレイにする」とおっしゃられた時にはどうなろうかと思いましたが、気づけばあの方の思惑通りアンダーグラウンドなエロは縮小し、合法なエロとどちらかと言えばアンダーグラウンドなエロよりもさらに危ない方々を歌舞伎町でよくお見かけするようになったのでございます。

インターネットの上は今は自由でございます。
しかし五年後、十年後にこのインターネットが今の“自由”を持ちえたまま存在しているとは思えないのであります。
自浄努力を行わず、勝手気ままに匿名のルール無用で言いたい事を言い、誰かを貶め、蔑み、無料で情報を手に入れられる今のインターネット。


このようなインターネットの変化は急激ではなく徐々になのかも知れません。
街角からエロ本の自動販売機が消え去ったように。
テレビでいつの間にか裸の女性を見なくなったように。
理科の実験でアルコールランプではなくガスボンベを使っているように徐々に、徐々に、小さなところから大きな所へと変化は広がっていゆくのであります。
「痛みは初めのうちだけ慣れてしまえば大丈夫*2」と申しますが、そのような変化に最初は戸惑うのでしょうが、変化が日常となればそれにも慣れてしまうのでしょう。
騒ぐのも燃えるのも始めのうちだけ。
今や非実在青少年を思い出す事ももはやございません。

皆さまもゆめゆめ忘れてはなりません。
インターネットは自由であったことを。
かつてインターネットは自由であったことを。

そして社会は潔癖では無く清潔でも無かったという事を。
しかしそれでも人は不自由なく生きていたという事を。

昔は良かったなどとは申しません。
しかし人間の本質などいつの時代も大して変わらないのでございます。

人間の業は、しょうがないものでございますよ。私なんか、7000人の女性を経験し、3000本のAV作品をつくって、なお60歳の今日においてもパンツを脱いだり、脱がしたりの日々ですからね。「もうこれでいい」ということがないんです。

http://president.jp/articles/-/4126

村西とおるの閻魔帳 ―「人生は喜ばせごっこ」でございます。

*1:という話もある

*2:THE BLUEHEARTS「ろくでなし」