「高品質な番組があればみんなテレビを観る」とかそんな単純なことじゃない
・テレビが面白くなくなった理由/コンテンツの質と量について - デマこいてんじゃねえ!
読んだ。
いろいろ思うがあんまりギャーギャーやるとまたぞろ
「批判しやがって」
とかロクな持論もない輩がわいてでるので軽めに。
批判じゃ無くてツッコミですからね。
※本人が「みなさんからの「デマこいてんじゃねえ!」というツッコミ待ちです。」って書いてるからツッコんでるって言うのに...
デマのひとは、普段あまりテレビを観ないんだろう。
だからこそ
さて、テレビの凋落を防ぐ方法について考えてみよう。なんてことを書いてしまうんだろう。方向性は2つある。1つはコンテンツの高品質化、そしてもう1つはWEBサービスとの共生だ。この2つの方策を組み合わせれば、再び「テレビって面白い!」と消費者に言わせることも不可能ではないだろう。
テレビにおけるコンテンツの高品位化ってなあに?
高品質なバラエティってなんだろうか?
高品質なドラマ?
高品質なワイドショー?
視聴者ってそんなものを求めてるのか?
薄っぺらいハンバーガーが食いたいと思って店に行き、ステーキを出されても とまどうだけだと思うが。
テレビなんて昔から今までずっとジャンクだったというのに。
「コンテンツは質と量がトレードオフだ」
を元にテレビを語っているが、これに違和感を感じる。
映画は海外からも多く入ってくる。
テレビ地上波でも海外のドラマを放送したりするが絶対数が少ないし、バラエティが放送されることはまずない。
「世界の料理ショー」なんて珍しい例だろう。
世界の料理ショー - YouTube
映画は、それ単体で完結するものが多い。
あくまでも一つの物語を最初から最後まで描いて一つの映画。
しかしドラマやバラエティはそうじゃない。終わりがない。
ワンシーズン、12話。
あるいはいいとも!のように1982年から続いている番組もある。
同じ映像コンテンツでありながら、「海外」だったり「国内」だったり、コンテンツ自体の「品質」「価値」を一定では計れない二つを比較して「トレードオフだ」と決め打ちされてしまうと...んー、それってどうだろ?
映画館に行く観客と視聴者がテレビ番組に求めるものは違う。
テレビはCMを流しそのスポンサーからの収益で作られ、映画は観客の支払う対価で収益を得る。
収益構造も違うのだから同じ映像コンテンツであれ二つは別物。
ちなみにYoutubeを見ればテレビの代わりに...とよく言うんだがYoutubeには物語性が少ない。
一つのムービーはそれ単体で完結し、連続しない。
面白いムービーは、それひとつ。
ゴミの山の中に埋もれてるそれを探してる時間も随分長いんだからそりゃ観てる時間も長くなる。
面白いコンテンツの絶対量は全体からすれば少ない。
・調査レポート 日本リサーチセンター
日本リサーチセンターのデータから一部引用するが、
※http://www.nrc.co.jp/report/pdf/131023.pdf
当たり前のグラフだが、意外と若い人がテレビを観ているというデータがここでは出ている。
「テレビ離れ」を叫ぶネットの上は声が大きいので、実態と合っているかどうか定かではない。
とはいえ視聴率が下がっているのも間違いのない事実だがそれは問題では無く、さらにこちらのデータを参照する。
・http://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/201312.pdf
平成25年12月期の人口推計から各年代は
年齢 | 人口(単位:万人) |
0-9 | 1060 |
10-19 | 1183 |
20-29 | 1304 |
30-39 | 1659 |
40-49 | 1815 |
50-59 | 1546 |
60-69 | 1830 |
70-79 | 1394 |
80- | 936 |
※平成25年12月1日現在 (概算値)に基づく
一番多い年代は60代、40代から下はずっと下がり続けてる。
何が言いたいかと言えばテレビを観ているのは若者よりもお年寄りなわけだ。
しかも人口はテレビをよく見る60代から上の方が多い。
テレビはだれでも見れるメディアだ。
出かけなくてもいい、入場料もいらない、チケットも予約も必要ない。
回線契約も必要ない。
電気とテレビがあればそれで観れる。
高品質なコンテンツを作ればいい、ウェブサービスと共生すればいい。
それを言うのは容易だが、しかしこの高齢者を中心とした「視聴者」を相手に一体どういったものが「高品質」なんだろう。
予算をかけたドラマ?
金さえかければいいものが撮れる訳じゃあない。
シナリオを練りに練ってプロットもしっかりした作品?
しかしそれを高齢者が好んで観るだろうか?
銭形平次、必殺仕事人にしろ、各キャラクターが毎回同じような話に巻き込まれ、謎を解き、悪は裁かれる。
年をとれば変化よりも安定を好む。毎回同じような、似たような。
しかしだからこそ安心して観れる。
お年寄り向けの話に次元のループ構造だとか主人公の概念化なんて必要ない。
しかし若い人にすればそれは退屈でつまらないし、もっと刺激のあるモノの方がいいという声がでる。
老人向けにコンテンツの指向を割けば若者はさらに離れ。
若者を意識しても絶対数が少なく更に高齢者を無視することになる。
昭和の家族の風景って言うのはテレビを中心に一家団欒。
父親がチャンネル権を握り、全員で特捜最前線とか観たりする。
ところがレンタルビデオやテレビゲームなんてものが登場し、テレビの価格が下がり一家に一台じゃなく一部屋に一つになりそれぞれがそれぞれの部屋でテレビを観るようになる。
家庭崩壊、核家族化、少子化。
視聴者の形態もどんどん変って行く。
テレビを観なくても映画館にすらいかなくても映画を観れたりゲームをしたり。
そこへインターネットが登場しさらにコンテンツは細分化された。
地デジになり、CSやBS、Huluなどのネット放送も出てきた。
タイムシフトで観たり、録画しておいてみたり、iTunesでレンタルしたり。
選択肢が増えれば一つのメディアの占有率が下がるのは当たり前の話。
昔の漫才と今の漫才の違いってのは、まさしく「レコード」と「iPod」の違いだよな。オイラの頃はレコード針をレコードの上に落としたりするプロセスから、「プチプチッ」ていうノイズまで「味」だって言って楽しんでたわけだけど、今の漫才はアルバムの中でも余計な曲は外して、好きなものだけ抽出して、ピンポイントで取り出してるっていうことだよ。時代が変わればコンテンツのかたちも変わる。
落語の大ネタになればひとネタで30、40分を越える。
でも今どき「笑い」を求めるのに半時間もかけない。
レッドカーペットなんてその最たるもの。
どんどんネタは短くなり、インスタントで簡易に消費できるように変化してきた。
長いネタを見たければ単独ライブや劇場に足を運ぶ。
バラエティなんて今さら言われるまでもなく昔っからくだらなかった。
くだらなくてしょーもないアホみたいなものがバラエティ。
無茶苦茶やるからこそ面白かったのに、品位とか人権とか規制とか、ネットで炎上とか。
どんどん冒険が出来なくなってきた。
ちぢこまってりゃそりゃ面白いものなんて出来ない。
(日本映画も含めて)今のコンテンツに熱量なんて何も感じない。
・歴代日本映画興行成績 - Wikipedia
日本映画にしたって2012年の「BRAVE HEARTS 海猿」がようやく。
興行成績トップテンのうちの半分をジブリが占める国なんざ...。
軽くこの辺にしときます。