※記録用
・第1回 「上手・下手、イマジナリーライン」講師:鶴巻和哉 | GAINAX NET
例えば、AとBという人がいる場合、イマジナリーラインは俯瞰で見たときに、2人を結んだ線上に発生しています。この鶴巻氏の講義シリーズとてもいい。
このとき、カメラは2人の間のイマジナリーラインの手前側から撮っているとします。イマジナリーラインのルールは、カメラがそのラインを越えて向こう側に行ってはいけない、というものです。
・【イマジナリーライン】を超えたマンガは最悪なのか - Togetterまとめ
二人の人物の会話。帽子>メガネ>メガネ>帽子 と順に発言するのを、順番どおりに置いてしまうとこうなります。読めなくは無いですが、発言者がつかみづらい。これを動かしてみます。 pic.twitter.com/srmQuVIEaE
— かかし朝浩@【成年向】再始動 (@kakashiasa) 2014, 3月 12
イマジナリーラインをまたがないように左右入れ替え、フキダシのしっぽだけで発言者を表します。割と使われる手法ですが、フキダシが誰から出てるのかちゃんと描いておかないと、かえって判りづらくなったり pic.twitter.com/fSezIJMB8i
— かかし朝浩@【成年向】再始動 (@kakashiasa) 2014, 3月 12
できれば右側の発言者の台詞は右側に、左の発言者の台詞は左に置きたい。そこで台詞をひとつ前のコマに動かします。この場合は大して影響ないですが、注目させたい台詞はコマの初めに置きたいので、そのためにこの手が使えないことも。 pic.twitter.com/d65NrDdzVJ
— かかし朝浩@【成年向】再始動 (@kakashiasa) 2014, 3月 12
もう一つの手段がイマジナリーライン無視とされる「回り込み」。単純に入れ替えると最初の失敗例みたいになってしまいますが、左右だけではなく「手前(読者側)と奥」の位置関係が守られていれば、それほど混乱しません。 pic.twitter.com/BQAgfz6SXR
— かかし朝浩@【成年向】再始動 (@kakashiasa) 2014, 3月 12
まあ同じ人物同士を煮たような構図で違う場所に置いちゃうと混乱する、というだけの話で、漫画においてこの混乱が起きる状況は結構限定されています。台詞をただ順番に消化するとなりがちですが、こんなんでも解消できます。むしろ楽。 pic.twitter.com/EY5Og2Vayz
— かかし朝浩@【成年向】再始動 (@kakashiasa) 2014, 3月 12
・神戸芸術工科大学紀要芸術工学2008|まんがと映画における物語と表現方法の関係
映画手法とマンガ。
大林監督の言葉を借りて「漫画のパンは映画のパンと同じことをやっている」と言っても良いのなら、「漫画の切り返しは、映画の回り込みと同じことをやっている」
と言ってしまってもいいんじゃないかという気もしています(まだ思い付きレベルですけど)。
映画において、イマジナリーラインをカットバックでまたぐことが禁じられている場合、カットを切り替えずに、カメラごと視点を回り込ませることでまたごうとする筈です。
それと同様に、漫画は「同じページにコマを二つ並べる」ことでイマジナリーラインをまたごうとしているのではないでしょうか? 例えば、1ページの中で「切り返しを四連続行う」描写をした場合、巧みに表現すれば「カメラが二回転回り込みした」のと似たような演出効果が狙えるかもしれません。
やや乱暴な対比ではありますが、映画と漫画を同レベルに論じる試みの一つとして、こういうアプローチも使えるのではないかと……。
もう一度アニメを確かめてみたところ、イマジナリーライン越えじゃなくて律儀にカメラワークの回り込みを落とし穴の中で一回挟んでからカミシモを入れ替えてますね。それに比べて冨樫のネームはカミシモをコロコロ切り替えてる(それぞれに切り返す意味はある) @izumino
— 泉信行/いずみの (@izumino) 2013, 5月 5
アニメ演出家がコンテを切る際に漫画のレイアウトをそのまま使う場合と、アニメ用にレイアウトを変える場合にどう意識してるかは、日常的なテクニックのはずがあまり取材されてないんじゃないかな、どうだろう
— 泉信行/いずみの (@izumino) 2013, 5月 5
