マイルドなセカイのマイルドな対応

ワンダ モーニングショット 185g×30本
AKBの事件で握手会のイベント自粛は既定路線だろうけどCMの自粛とかもはや方向が斜めすぎて意図が理解できないのだけれど、
<AKB48>CMも自粛検討 | ニコニコニュース
ワンダのCMにAKBが出ると血の味がするとでも言うのだろうか。
被害者側のタレントのコンテンツを自粛すると言う意図がよく解らない。
なにやら羮に懲りて膾を吹いてる

マイルドだぜ~、マイルドだろ~

既に報道されております通り、ASKA覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されました。関連商品を取り扱ってきた当社として極めて遺憾であり、ファンの皆様、そして関係各位に多大なる御心配をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げます。

CHAGE and ASKA、及びASKAと当社との間の専属契約は既に終了しており、当社は、CHAGE and ASKA、及びASKAの商品に対して、商品ごとに製造権、販売権、或いは非独占的な配信権のみを有する状態ですが、今回の逮捕はその容疑内容、反社会的性質等、その影響の大きさに鑑みて、決して看過できるものではなく、厳正な措置を以って臨むべきとの判断に至りました。

■ 当社取扱のCHAGE and ASKA、及びASKAのソロ名義の作品について


上記を踏まえ、本日、当社は以下を決定いたしました。


・ 関連契約の解約または停止

・ CD/映像商品 全タイトルの出荷停止

・ CD/映像商品の回収(契約上、当社において回収可能なもの)

・ 全楽曲・映像のデジタル配信停止


ASKAの逮捕に伴う当社の対応について - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

作品と作者は別であって、過去にドラッグ禍のミュージシャンは大勢いて、ビル・エヴァンスだってヘロインのジャンキーだったし、先日公演中止したポール・マッカートニーも麻薬を持ち込もうとした前歴だってある。

Bill Evans - Waltz For Debby - YouTube
日本で言えば、岡村靖幸も逮捕されたし、槇原敬之覚せい剤所持で逮捕されたときに回収騒ぎが起きてた。
麻薬がよくない、てのは身を滅ぼすってのもあるが、暴力団とかアウトサイダーの資金源って側面も重要と言うのも解るけれども。
CDを買う→ASKAが麻薬を買う→金がダークサイドへ

結局、本人が出てきて謝罪会見とかやってチャゲと和解してレーベルに所属するんだか立ち上げるんだかして、どっかのフェスで復活してYAHYAHYAHでも歌って、復活第一弾アルバムとか言って売り出すまでが既定路線か。


非常に対応がマイルドですよね。
今や何でもかんでも当たり障りがなく柔らかい、お客さま第一の対応が叫ばれる。
AKBのCMを流せば「血の味がする」と言い出す顧客を想定して先手を打つ。
企業イメージが大事だ、不買運動なんて起こされたら大変じゃないか。
倫理?筋違い?そんなものはあとで考えればいい。
何かしら事件が起こればはれものにさわるように対応する。

かくしてテレビは終わっていく

特にテレビのマイルドさは辟易とする。
フジテレビ大喜利番組のお題に「田村河内」 佐村河内氏いじりに視聴者から賛否両論- 最新ニュース|MSN トピックス
IPPONグランプリで「幻想音楽家 田村河内さんの隠し事を教えてください」というお題で大喜利をしたらそれで賛否両論だ、と。
ネットニュースの賛否両論は1を100にして言うので信用も出来ないけれど、別にこれが犯罪事件だったり遺族がいたりするなら不謹慎と言う声が上がるのも理解できるが「不謹慎」というのは誰に対して不謹慎なんだろう。
「一般人へのいじめだ」どころか一般人でもない、音楽で食ってる芸能のひとを取り上げて悪いのも理屈が通らない。
悪口でもない、その上フィクションの人物を扱ってる、連想できる人物は芸能で食ってる、犯罪事件でもない。
不謹慎に相当する事由がない。

フィクションの「田村河内」という音楽家の話ですし、もし似た名前の音楽家が実在するなら本人がフジテレビに対して名誉棄損でも何でも言えばいい話で、単にテレビを見てるだけの一般人が「田村河内とか不謹慎だろ」とか発言してる脳細胞が腐りすぎててもはや意味が繋がってない。
それを言ってるTWITTER辺りのSNS垢の方がよほど不謹慎だったりする。


進撃の巨人諫山創が「読者の意見なんか取り入れた漫画は絶対に描かない」と言っていたそうだけれど、一般の意見を取り入れてコンテンツが面白くなるわけもなく、しかもバッシングが起こらないか顔色をうかがい何かあれば当たり障りなくマイルドに対応する。
尖ったことをやれば叩かれ、マイルドにやればつまらないと言われる。
そりゃあ打つ手がない。
ドンドンといろいろ面白くなくなっていくのは必然。


先日、「ふるさと再生 日本の昔ばなし」を観てたら落語の「死神」をやっててあの鬱エンドが「医者をやめて家族と仲良く暮らしましたとさ」に変えられてるのを観てがっかりしたのは記憶に新しい。「死神」のサゲは金に目がくらんだ主人公が命のろうそくを消すのが面白いんでしょうに*1

「死神」 三遊亭圓生 - YouTube
「キジも鳴かずば」をまんま父親が人柱にされる鬱エンドでやってクレームでも来たんだか、実にマイルド。
あんな鬱エンドを朝からやって視聴者からお手紙を受けるなんて雉も鳴かずば撃たれまいに。

たとえばプロレスがテレビのゴールデンタイムに放送していたのにPTAやらが「子供に悪影響を与える」と言いだし事故が起こり、それを切っ掛けに深夜に移された。

IWGP アントニオ猪木 VS ハルク・ホーガン - YouTube
一昔前の錦の御旗は「子供に悪影響を与える」であって「有害図書」やら「非実在青少年」やら「オタクは犯罪者予備軍」とかいろいろあった。そして「不謹慎」が錦の御旗になった。
こうやってテレビが粛々と終わり(ゼロにはならないだろうが)ネットが花開くのだろうけど、そうなったときには今度ネットに粛清と抑圧と権利とが吹き荒れるんだろう。
そう考えると、それを見るのも楽しそうだからこのまま進行すれ。

権利も倫理も曖昧なこの現在のネットセカイが、どこまでくびきが締まるのか。
すっかりマイルドになったハックル先生に代わるパンキッシュな逸材をお待ちしております。

Sex Pistols - Anarchy in the UK - YouTube

*1:人間融解「そば清」はまんまやってたが